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ITの力で養蜂の効率化を実現する 養蜂と果樹園の二本柱を目指して

ITの力で養蜂の効率化を実現する 養蜂と果樹園の二本柱を目指して

2017年10月01日

広島県廿日市(はつかいち)で養蜂場と果樹園を運営する、はつなな果蜂園の松原秀樹(まつばらひでき)さん。ミツバチの飼育を効率化するためのIoTシステム「Bee Sensing」の開発にも携わっています。15年間勤めたIT企業をやめて、なぜ農業を始めたのか。背景にある思いをうかがいました。

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巣箱の温度と湿度を把握する

広島県廿日市で養蜂をしています。世界遺産の宮島や故郷の大野浦など5ヶ所に養蜂場があり、巣箱は合計すると70ほどあります。春から夏にかけてミツバチが採ってくる花の種類によってはちみつの味、色や香りが変わります。ミツバチの活動範囲は半径3km前後ですので、養蜂場や収穫した時期、年によって全く違う味になります。その違いを楽しめることが、はちみつの醍醐味です。私が作るはちみつには、収穫した場所と収穫日を記載し、消費者が違いを楽しめるようにしています。

ミツバチは冬の間は巣箱からあまり出ず、中で集まって温度を維持しています。巣箱を開けてしまうと温度が下がってしまうので、基本的に中の確認はしませんが、中の餌が足りなくなっているときなど、緊急事態のときだけ対応が必要になります。2月から3月頃になるとミツバチが外で活動を始めます。それから11月頃までの間は、10日に1回ほど巣箱を開けて、蜂群の状態を確認します。新しい女王蜂が生まれてきそうなときや、蜜や花粉などの餌が不足しているとき、病害虫の発生時などに適時対処します。

基本的には巣箱を開けないと中の状態はわからないので、全ての巣箱を一通りチェックしますが、それでは作業時間もかかり非効率的です。効率よくチェックを行う目的で巣箱の状態を記録し、作業前に前回の状態を参照することができるIoTシステム「Bee Sensing」の開発を行っています。巣箱の温度と湿度を測り、人工知能を活用して巣箱中の異常検知を目指しています。

ミツバチは子育てするために、巣箱の中心部を一定の温度に保つということが知られています。また、湿度が高すぎてもミツバチの健康状態に悪影響が出ます。ミツバチは、花から取ってきた蜜を羽で扇いで水分を飛ばし、はちみつの糖度を高めます。飛ばされた水分が巣箱内の湿度を上げてしまうので、巣箱の出入り口から外気を循環させて湿度を下げます。新しい空気が入ってくると今度は巣箱中の温度が下がってしまうので、蓄えた蜜を消費して発熱し巣箱中の温度を上げるのです。

巣箱内の温度と湿度を測り、例えば餌不足による低温の異常値が生じたら餌やりを行うなど、ミツバチが発熱できる環境をつくります。今は温度と湿度に加えて、ミツバチの健康状態をデータとして溜めている段階で、データを検証して適切なタイミングで対処するためのモデルづくりをしています。システム自体は東京の会社がつくり、すでに販売も行っています。私は販売代理やデータ蓄積のサポートをしています。

就農してから3年目になり、はちみつの収穫量が安定してきたので、販路の拡大にも乗り出しています。今は広島県内がほとんどですが、今後は東京や大阪など全国にも出荷したいと考えています。

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