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ビギナーとプロの情報収集を手助け  農業書専門書店「農業書センター」

ビギナーとプロの情報収集を手助け  農業書専門書店「農業書センター」

最終更新日:2018年02月07日

東京都千代田区神田神保町に、日本全国から農業従事者が足を運ぶ書店があります。農文協が運営する「農業書センター」は、農業に関わる書籍が約3万点   揃う、日本で唯一の農業書専門書店。農業書に限らず、地域の食文化や伝統を紹介する雑誌、書籍などの品揃えが豊富なのも魅力です。農業と地域文化の情報が詰まった本屋さんをご紹介します。

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農業の情報拠点から都会と地域の交流の場に

「農業書センター」は、1階にコンビニエンスストアがあるビルの3階にあります

農文協は、農と食に関わる雑誌や書籍をつくる出版社です。普及職員と呼ばれるスタッフが日本全国の農家をまわり、そこで集めた農業に関する技術や暮らしの情報を、雑誌や本にまとめてきました。こうして作られたのが、農業生産を高める技術を提供する雑誌「現代農業」であり、地域の伝統行事や暮らし、食文化を伝える「季刊・地域」や「うかたま」などの雑誌です。一般書店の雑誌コーナーでもお馴染みの情報誌で、ご存じの方も多いのではないでしょうか。

その農文協が、農業書センターをオープンしたのは1994年。

「当時は町から本屋が消え始めた頃で、地域の農家が情報の拠り所を失いつつある時代でもありました。そうした社会情勢のなか、農業や地域の暮らしに役立つ本を一同に集めて、農家が情報を得る拠点として開かれたのが農業書センターです」。そう語るのは店長の荒井操(あらいみさお)さんです。

同時に「都会の方に広く農村の文化を伝え、農家を応援するきっかけを作りたい」との思いもあり、2014年には、大手町の旧JAビルにあった店舗を神保町へ移転。以来、就農希望の方や、農業へ新規参入を考える企業などをはじめ、一般の方も数多く訪れるようになり、都会の方が地方の文化にふれられる場としての役割も担うようになりました。

一般書店では見られないユニークな品揃えが魅力

書籍の品揃えは、農業の他に林業、漁業、畜産業など第一次産業に関わる書籍を幅広く置き、一般書店では手に入らない、非流通本も数多く取り扱うのが特長です。農業団体や学会が発行する本や、個人が自費出版した本なども独自に仕入れて販売しており、少しユニークな本にも巡り会えます。

例えば、「自分で出来る 打ち抜き井戸の掘り方」もその一つ。渇水時に自分一人で井戸を掘った経験をまとめた、愛媛県の曽我部正美(そがべまさみ)さんが自費出版した本で、東日本大震災を機に、ライフラインの確保に役立つことから注目されました。使う材料のほとんどがホームセンターで入手可能で、素人でも気軽に挑戦できそうだと人気を呼び、農業書センターではこれまでに500冊近く売れたそうです。

2017年夏に売れた本は、NPO法人生物多様性農業支援センターが発行する「ポケット版 田んぼの生きもの図鑑」。ミジンコから鳥まで、田んぼで見られる生きものをまとめた「動物編」と、田んぼの畦に見られる草花をまとめた「植物編」があります。ポケットサイズで持ち運びやすく防水紙仕様のため、田んぼに持ち込めるのも便利です。

田んぼの生きもの調べがきっかけで、農業に興味を持つようになる子どももいて、小学生から中学生、高校生の利用も多いそうです。夏休み期間の8月に店内で行われたイベントでは、農業や自然科学に興味を持つ、ある小学校6年生の男の子が、自分で集めた虫や小動物の骨格標本を展示しながら、約1時間かけて立派に研究報告をしたそうです。こうして農業に興味を持つ子どもが増え、将来の担い手になってくれれば、と荒井さん。

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