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しめじとエリンギ一番合う食べ方は?〜きのこの調理別食べくらべ~

しめじとエリンギ一番合う食べ方は?〜きのこの調理別食べくらべ~

一年を通して手軽に食べられるきのこの中でも、和、洋、中と色々なレシピに使えて人気のしめじとエリンギ。今回はこの二つのきのこを色々な調理法で食べくらべてみました。

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しめじ

実は数種類ある?しめじの真実

「しめじ」とはどのきのこの事を言うかご存知でしょうか?じつは流通される上で「しめじ」と呼ばれるきのこの定義は曖昧で、数種類のきのこが「しめじ」に分類されています。

しめじ

ホンシメジ
ホンシメジは「生きている木」に生える「菌根菌(きんこんきん)」の仲間です。そのため、かつては栽培ができないとされていました。入手するには天然物の採取しかなかったため、高級品の扱いになっています。実は「香りマツタケ、味しめじ」ということわざで言われているしめじはこのホンシメジの事で、「高級品のマツタケより、手頃な値段のしめじの方がおいしい」という意味ではありません。現在は人工栽培できるようになり市場に出回り始めていますが天然物とはやはり味わいが異なるようです。

ブナシメジ
手軽に買えるのはこちらのしめじです。ブナシメジは「腐生菌(ふせいきん)」と言って枯れ木を栄養に育つため、広く人工栽培が行われていて手頃な価格で手に入ります。今回使用したのはこちらのしめじです。

ブナシメジが広く流通する以前は「ヒラタケ」というしめじと異なるグループのきのこの人工栽培種がしめじと呼ばれていた事もありますが現在は「ヒラタケ」の方の名前で売られています。

お洒落な欧風料理の人気素材、エリンギ

エリンギは日本に自生していません。地中海性気候の地域が原産地でフランス料理やイタリア料理でよく使われます。日本では柄の部分の食感がマツタケやアワビと食感が似ているという理由で柄の部分が大きい状態の物が出回っていますが、原産地では傘の部分が好まれています。生で食べると食中毒の可能性があるとされていますので、必ずしっかり加熱して食べる事が必要です。

比較調理その1/焼く

しめじ

比較方法
フライパンでソテーして食べ比べる。

・素焼き
・オリーブオイルでソテー
・バターでソテー

味付けは塩コショウのみ

素焼き
きのこは旨味が多いといわれますが、素焼きで食べるとそれぞれの持つ旨味と歯ごたえの違いで異なった貝に似た旨味を感じました。
しめじ あさりの貝柱と似た感じ。香りがはっきりしている。
エリンギ ホタテの貝柱風。旨味は淡いが噛み応えがある分、じんわりと味わえる感じ

オリーブオイルでソテー
しめじ オイルの絡みが良い分、オリーブオイルのフルーティーな香りがしっかり感じられる。塩コショウの馴染みも良い。各種スパイスによって、もっとおいしくなりそう。
エリンギ 素焼きよりやわらかく感じる。オリーブオイルの香りがふんわり丸くなる感じ。しめじより焼き目が付きやすいので香ばしさが強い。旨味は後からついてくる感じ。

バターでソテー
しめじ きのこを食べているという、はっきりした香りが立つ。
エリンギ バターの香ばしさが強く感じられる。エリンギの比較調理の中で一番おいしかった調理法。今回は包丁でカットしたが、裂いた方が味の絡みがアップしておいしいのではないか。

しめじ

比較調理その2/蒸す

比較方法
器に入れてしんなりするまで蒸し器で蒸して、二つの味付けで食べくらべる。

・ポン酢しょうゆ
・バターしょうゆ

ポン酢しょうゆ
しめじ 和食を食べている、という感じでポン酢の柑橘の香りとしめじの香りが鼻に抜ける。他にも野菜を合わせるとしめじの香りでおいしく食べられそう。
エリンギ 柑橘の香りがメインでエリンギの香りはあまりしない。やはり噛んでじわっと出て来る旨味を楽しむ感じ。おいしいけれどエリンギをメインにしてしまうと物足りなさを感じる。

バターしょうゆ
しめじ 魚や鶏肉と合わせてホイル蒸しにした場合、良い香り付けになりそうな風味
エリンギ バターの香りが引き立つ感じ。ホイル蒸しなどに入れた場合は箸休め的な味。ポン酢しょうゆと比べた場合、油脂が入って力強い味になる分満足感はアップする。

比較調理その3/揚げる

しめじ

比較方法
天ぷらにして、以下の二種類の味付けで比較。

・塩
・しょうゆ


しめじ 歯切れのいい食感が気持ちいい。衣が香ばしいと感じたのはこちら。
エリンギ ほっくり感があり、芋の天ぷらと少し似ている印象。水分を多く含んでいる食感はエリンギの方。

しょうゆ
しめじ 香ばしくなり、しょうゆの塩分で味が引き立つ。
エリンギ 味の絡みがよく、旨味が立つ。エビやイカなどとかき揚げにしたら合いそう。

全体的な味の印象

しめじ
香りがはっきりとしているのと、細いので歯切れの良い噛み応えなので「きのこを食べている」という感じが強い。見た目でも「きのこ」という感じがするので付け合わせや盛り合わせに入っていると華やかさがある。

エリンギ
大ぶりに切るとコリッとした歯ごたえだが、薄く切るとシコッとした感じ。小さめの乱切りのような切り方もできるので料理によって手軽に食感が変えられる。
香りは控えめだが、調味料の香りとよくマッチしている。特にバターと合わせる時、しめじと違ってエリンギ自体にしっかり焼き目がついてこんがりとした香ばしい香りとバターが合わさってしめじに出せない良い香りがした。

おすすめ調理法

どちらもきのこ本来の味を楽しみたい時はソテーがおすすめです。しめじはオリーブオイルに負けない香りがしていて旨みもありました。しめじのオリーブオイルソテーはにんにくを加えれば簡単にできて南欧料理の付け合わせにぴったりです。エリンギは、少し厚めに切って、しっかり焼き目を付けたバターソテーが家族で試食した中では一番好評でした。
ホイル蒸しなど、料理の香り付けにも使いたい場合はしめじがおすすめです。ただ、しめじは合わせる料理をあまり選ばないのですが、見た目も香りも「きのこ」を主張してくるので好きな人はいいのですが、きのこが苦手な人ならエリンギの方が食べやすいかもしれません。
料理のボリュームアップや噛み応えなど、料理をヘルシーにするためにきのこを加えるなら香りの薄いエリンギは大体の料理となじみが良く、食べやすいのではないかと思いました。また、香りが弱い分淡白な味わいなので油と合わせる洋食や中華の方が合わせやすい印象でした。和食にエリンギを入れる場合は、濃い目の出汁や甘辛のメリハリがあるしっかりした味付けの料理がより美味しく食べられるのでしょう。

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