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お米の賞味期限を探る! ビンテージ米を食べ比べてみた

お米の賞味期限を探る! ビンテージ米を食べ比べてみた

最終更新日:2018年07月11日

日本のお米には賞味期限や消費期限の表示は義務付けられていません。書かれているのは、精米年月日だけ。いつまでおいしく食べられるかは、保存状態によって変わってきます。一方で、イタリアでは7年物イタリア産米がビンテージとして高級ランクの位置付けになっています。スペインでは少しカビたお米でもパエリアとして提供しているレストランがありました。お米の賞味期限に対する感覚は、国によってずいぶん違うようです。

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日本米の表記は「精米年月日」だけ

日本では、お米は冷蔵庫で保管する“生鮮食品”。お米農家の倉庫でも、お米屋の倉庫でも、15度以下の低温保管が基本です。お米屋の店頭で売られているお米も、暖房がついた冬場の店内や、冷房を切った夜間の店内にお米を置きっぱなし……という状態では劣化していきます。温度が高いと玄米の呼吸が活発になり、栄養素を消耗してしまうほか、ぬか層が酸化してしまうのです。お米を購入したら、すぐに密閉できる容器やビニール袋に入れて冷蔵庫へ。酸素を遮断して低温に保つことで、劣化は抑えられます。

そして、精米した白米は玄米よりも酸化スピードが早いため、早めに食べ切るのが無難。お米農家やお米屋に聞くと、おいしく食べられる期限は、それぞれ「数週間以内」から「数カ月以内」とだいぶ幅がありますが、精米年月日から約2週間程度で食べ切れるくらいの量で購入すると、賞味期限を気にせずにお米を楽しめそうです。お米に「賞味期限」や「消費期限」が書かれていないのは、野菜や果物に「賞味期限」や「消費期限」が書かれていないのと同じだと考えると納得です。

スペイン米の賞味期限は

スペイン米には「精米年月日」と「賞味期限」の両方が記載。賞味期限がやたらと長い

日本で販売されているお米のパッケージは、多くの場合はビニール袋。あるいは量り売りで紙袋の店もあります。一方で、スペインで販売されているお米のパッケージは、ビニール袋か布袋でした。布袋は保湿性が低そうです。
袋の表記を見ると、精米年月日だけが表記された日本とは異なり、「この期日までに消費するのが好ましい」という表記、つまり「賞味期限」が書かれています。スペイン米がおいしく食べられる期間はどれくらいなのでしょうか。精米年月日と賞味期限の両方が表記された米袋を見ると、精米年月日は「08 MAR 2018(2018年3月8日)」、賞味期限は「08 SEP 2019(2019年9月8日)」でした。おいしく食べられる期間は1年6カ月。日本に比べて湿気が少ないとは言え、ずいぶんと長いです。

しかし、「スペインで「パエリア」米を探る!お米ライターが自腹レポート【後編】」でご紹介したように、スペイン・バルセロナのレストランで料理に使う生米を見せてもらうと、カビのついたお米がありました。日本のような白ごはんで食べるならば厳しそうですが、パエリアで食べると味付けが濃いためカビがまったく気になりません。おいしく食べられる期間が日本とスペインで大きく差があるのは、食べ方が違うためという理由も大きそうです。

7年物のはずのビンテージ米が11年物という衝撃

一方で、イタリアでは7年物のビンテージ米が最高級とされていますが、日本で輸入業者からイタリアの「カルナローリ」という品種の7年物を購入したところ、産年は2007年、精米年月日は2015年2月13日。たしかに、産年から精米年月日までは約7年ですが、現在は2018年。精米からすでに3年が経っています。つまり、産年から11年も経っています。真空状態の缶に入ってはいますが……果たして大丈夫なのでしょうか。

イタリアの「アクエレッロ」社のカルナローリ米の缶詰

インターネットの商品ページには、賞味期限は「商品到着後、未開封で1年」とあります。商品は到着したばかり。しかし「商品到着後」というのがあいまいだったため、輸入業者に問い合わせてみました。

すると、こんな回答が届きました。
「輸入元に問い合わせたところ、未開封の状態であれば、カビや虫は心配ないとのことです。製造年月がだいぶ経っていることで驚かれたかと思いますが、品質に問題はございませんので、ご安心いただけたらと思います」

ということは、未開封であれば、20年物、30年物でも大丈夫ということでしょうか? 尋ねてみると、また回答が届きました。

「賞味期限につきましては、メーカーのほうでは、精米し包装をしてから5年とさせていただいておりますので、現時点で包装から3年ですのでお召し上がりになられても問題ない商品でございます」

インターネットの商品ページに、賞味期限は「商品到着後、未開封で1年」とあったのは“保険”だったのでしょうか……。

その後、1年物も取り寄せてみると、今度は実質3年物でした。
そこで、7年物(11年物)と1年物(3年物)を使ってリゾットの食べ比べをしてみました。

1年物と7年物の缶詰を開けてみると……

お米の缶を開けると、「ぷしゅっ!」と、しっかり真空になっていました。

1年物のお米

7年物のお米

透明感がある日本米とは違って、米粒が全体的に白濁しています。1年物と7年物を比べると、7年物のほうがほんの少し茶色みがかっています。1年物は無臭ですが、7年物は香りがあります。古米臭ではなく、花のような不思議な香りです。

ビンテージ米リゾットの味は

今回のシェフも「うまいパエリアの秘密はお米の白い部分にあり! 3品種を食べ比べてみた」と同様に、山添聡(やまぞえ・さとし)さん。オリーブオイルでニンニクと野菜を炒め、半分くらい火が入ったら、お米を投入。お米が透き通ってきたら、スープと隠し味の白ワインを入れて、途中で混ぜたり、スープを足したりしながら、沸騰後13分加熱します。

山添さんも私も「乾燥が進んでいる7年物はスープが入りやすく、早く仕上がるのでは……」と予想していましたが、実際に調理してみると、「7年物のほうがスープと米がなじみにくい」と山添さん。意外な結果でした。

7年物リゾット

7年物リゾットは、ぐにぐにとした弾力があり、冷めてもアルデンテの具合は変わりません。薄味で作ってもらったため、お米の香りが残っています。

1年物リゾット

1年物リゾットは、7年物よりもアルデンテは少なめ。アルデンテの部分の食感に粉っぽさがあります。ザクッとした食感というよりは、グズッとした食感。冷めてくると、アルデンテの食感が出てきました。

リゾットの食感からは、1年物よりも7年物のほうが、水分が均一な印象です。できた年によってお米の質は違うため一概には言えませんが、リゾットには7年物が最高級とされている理由が実感できました。

日本のように白いごはんで食べるお米。そして、スペインやイタリアなどのように濃い味付けのスープを含ませてアルデンテの状態で食べるお米。お米の特性や保存方法、そして賞味期限は、食文化によってこんなにも大きく変わるのです。

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