お肉検定とは?
身近な食材の一つである肉ですが、生産現場や食卓に届くまでの流通はどのようなシステムになっているのでしょうか。
「お肉検定」では、牛肉、豚肉、鶏肉、ハムやソーセージなどの食肉加工品、内臓肉について、歴史から生産、流通、病気、さらに肉の保存方法や栄養までを包括的に学び、正しい知識を身につけることができます。正式名称は「食肉検定制度」といい、全国食肉検定委員会が検定制度を主催しています。
お肉検定には、「お肉博士1級」と「お肉博士2級」の2つの級が設けられています。
お肉博士1級
食肉の製造技術や食肉の品質、栄養管理、部位の名称や特性など、お肉博士2級に比べて、専門的で食肉の知識をもっと深めたい人に最適です。
お肉博士2級
食肉の製造過程や食肉の表示、栄養、調理など、食肉に関する知識を広めるための入門編です。
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お肉検定の試験詳細は?
受験資格
受験資格は特にありません。肉に興味がある方なら、どなたでも受験できます。お肉博士1級と2級の併願が可能で、初めての試験でお肉博士1級を受験することもできます。
受験日・会場
検定試験はCBT方式で、2022年度の試験日程は8月1日〜2月15日でした。会場は全国47都道府県、150会場が設置されました。
試験問題・合格ライン
試験問題はお肉博士1級が7科目、2級は6科目で構成されています。問題は全部で100問で、2者から5者択一式です。試験時間は60分です。
1級
1. 食肉の日本史
2. 家畜の生産および食肉の処理・加工
3. 食肉の流通・小売・消費
4. 食肉製品
5. 食肉の衛生と品質
6. 食肉の栄養と調理
7. 食肉の表示
2級
1. お肉の歴史
2. 家畜の生産・ブランドと消費
3. お肉の処理・加工と流通
4. 食肉製品の基礎知識
5. お肉の衛生と品質
6. お肉の栄養と調理
合格基準は、お肉博士1級と2級とも、100点満点のうち80点以上です。なお、2021年度の合格率は1級が46.4%、2級が76.3%でした。
申込方法
お肉検定ホームページから申込みます。
受験料
お肉博士1級は6,600円、お肉博士2級は4,400円、1級と2級の併願は11,000円です。なお、学生(24歳以下)の場合は学割料金となり、1級4,400円、2級3,300円となります。(学生証の提示が必要です)
参考図書・試験対策
お肉検定の公式ホームページでは、お肉検定テキストやおすすめの書籍を紹介しています。お肉検定を受検しない方でも購入可能です。
検定試験の1ヶ月ほど前に開催される「お肉検定 1級講習会」を受講すれば、1級の試験対策になります。1級講習会は5時間で、受講料は5,400円です。(2022年度は開講されませんでした)
お肉に関連するその他の資格
お肉ソムリエ
お肉ソムリエとは、鶏肉や豚肉、ソーセージなどの加工肉の違いといった、食用の肉全般に関する幅広い知識を有していると認められた人に贈られる資格です。日本で生まれたもので、肉に特化したソムリエとして知られています。
肉の産地や調理法、美容効果などといった知識が必要です。
飲食関係で働く方や、健康的な生活を目指す方に人気のある資格です。肉に最適な調理法や食材との相性を考慮した食べ合わせを提案することができるため、レストランだけでなく、料理教室やイベント、商品開発などさまざまな仕事で活躍します。
お肉プロフェッショナル
お肉プロフェッショナルは、肉に関する専門的な知識と技術を持ち、肉を最適な状態で提供することができるプロフェッショナルです。シェフや肉の卸売業者、加工品メーカーの研究開発者など、さまざまな職種で活躍できるでしょう。
お肉プロフェッショナルに必要な知識と技術には、肉の品質や種類、味わいや風味の引き出し方などがあります。
また、肉に含まれる栄養素や健康効果についても理解していることが必要です。肉を提供する際には、顧客の好みや要望に応じた最適な肉の選択やカット方法、提供温度や食べ合わせのアドバイスなどもおこなう必要があります。
また、単に肉を扱う技術者としての役割に留まらず、肉という食材に関する文化や歴史、地域性なども理解していることが重要です。
健康ミートアドバイザー
健康ミートアドバイザーは、健康に配慮しながら肉を選び、調理するための知識を持った専門家です。
お肉の栄養価や加工方法に詳しく、肉に含まれる脂質やタンパク質、ビタミンなどの栄養素を把握し、健康的な食生活に役立てる知識を持っているのが特徴です。
肉を選ぶ際のポイントや、調理法のアドバイスなどもおこないます。例えば、低脂肪肉の選び方や、焼き肉の際に余分な脂肪を取り除く方法、加熱温度の設定など、健康に配慮した方法を提供します。
健康ミートアドバイザーになるためには、食肉に関する基礎的な知識を身につけるとともに、健康に関する知識や栄養学の知識を深めることが必要です。また、肉の選定や調理法についての実践的な技術も必要とされます。
焼肉コンシェルジュ
焼肉コンシェルジュとは、焼肉店において、お客様に最適な肉の選び方や焼き方、食べ方をアドバイスする専門家です。
焼肉店では、さまざまな部位や銘柄など多彩な肉が提供されています。焼肉コンシェルジュは、お客様の好みや食べ方に合わせた肉の選び方を提案したり、焼き方や食べ方をアドバイスしたりすることで、お客様の満足度を高める役割を担っています。
焼肉コンシェルジュは、肉の知識に加えて、調理法や食品の安全に関する知識を持っているのが特徴です。そのため、焼肉店で働くスタッフの中でも、高度な知識やスキルを持つ存在として認知されています。
食に関連するその他の資格
食育インストラクター
食育インストラクターとは、食に関する正しい知識を広め、健康的な食生活を促進するために活動する人のことです。食品の栄養価・バランス・食品表示・アレルギー対策などについて、一般の人にわかりやすく伝えることが求められます。
食育インストラクターになるためには、厚生労働省が主催する「食育インストラクター養成講座」などの講座を受講し、試験に合格する必要があります。また、民間団体が主催する講座もあります。
保健センターや市民センターなどでの講座のほか、小学校や幼稚園、企業などでの講演やセミナーなど、幅広い場所で活動することができます。
食育アドバイザー
食育アドバイザーとは、食に関する知識や情報を提供し、健康的でバランスのとれた食生活を促進する専門家のことです。
食育アドバイザーは、子どもから高齢者まで、幅広い層に対して、栄養バランスのとれた食事や食生活のアドバイスをおこないます。
具体的には、食品の選び方や調理法、栄養素の摂取量の目安、食品表示の解説などをおこない、健康づくりに役立つ情報を提供します。
また、学校や企業などでも食育活動をおこない、食の大切さや健康的な食生活の重要性を啓蒙することもあります。
野菜スペシャリスト
野菜スペシャリストは、野菜の知識や情報を深めた専門家です。野菜の種類・特性・栄養価・保存方法・調理など、幅広い知識を持ち、野菜に関するアドバイスをおこないます。
生産者や販売業者、レストランなどで働く人も多いです。
野菜スペシャリストは、品質や栄養価の高い野菜を生産するための栽培方法や、生産後の適切な管理方法、販売促進のアイデアなどを提供することもあります。
薬膳マイスター
薬膳マイスターとは、食材を用いた健康管理の一つである薬膳について深い知識を持ち、それを実践的に活用できる専門家のことです。
薬膳は、漢方薬の考え方を取り入れた食生活であり、身体に良い作用をもたらす食材や調理法を選択し、健康を維持・改善することを目的としています。
薬膳マイスターは、薬膳に関する豊富な知識を持ち、体質や症状に応じた薬膳メニューの作成やアドバイスをおこないます。
スポーツフードアドバイザー
スポーツフードアドバイザーとは、スポーツ選手やアスリートなど、スポーツをする人に対して、適切な食事や栄養素の摂取方法についてアドバイスをおこなう専門家のことです。
スポーツに必要な栄養素やエネルギーの摂取量、食事のタイミング、水分補給方法など、スポーツにおける栄養管理に関する知識を持ちます。パフォーマンス向上や怪我の予防、回復のサポートなどが目的です。
また、スポーツイベントや大会などでの食事の提供や選手の栄養管理なども担当することがあります。
マクロビオティックセラピスト
マクロビオティックセラピストとは、身体の不調や病気の改善を目的としたセラピーを提供する専門家のことです。
マクロビオティックは、自然食品を中心とした食生活や生活習慣を通じて、身体・心・精神のバランスを整え、健康を維持することを目的とした考え方です。
セラピストはマクロビオティックの考え方をもとに、患者の症状や体質に合わせたアドバイスや食事指導、健康法の提案をおこないます。また、マクロビオティックの考え方に基づく特別な治療法を提供することがあります。
お肉検定に合格したら
お肉検定に合格したら、お肉検定ロゴマークガイドラインに従って、ロゴマークを使用することができます。名刺や個人ホームページなどにロゴマークを載せることができるため、肉に関する知識があることをアピールできます。
肉に興味がある方や、食に関して正しい専門知識を身につけたいと考えている方は、お肉検定の受験を考えてみてはいかがでしょうか。