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原宿から世界へコメ情報発信 五ツ星お米マイスターの執筆・講演・イベント活動

原宿から世界へコメ情報発信 五ツ星お米マイスターの執筆・講演・イベント活動

東京原宿・小池精米店の小池理雄(こいけただお)さんは五ツ星お米マイスター。加えて米屋を始める前の出版業・コンサルティング業のキャリアを活かし、活発な情報発信を行っています。その発信力は全国の生産地や食関係の企業に知れわたり、イベント・セミナー・講演の常連講師に。そしてもちろんメディアでも活躍。奥深くまで潜り込んで魅力を探る探究心は尽きることがありません。

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日々のスキルアップ そして成果を発信

朝食がトレーニンングの場

 朝3時起床。5時間におよぶ配達準備作業の後にとる朝食はひときわおいしい、と小池さん。けれども、ただお腹を満たすだけではありません。この朝食は新しい米の試食の場。未体験の銘柄米は必ずチェックし、味・におい・食感などの感想をノートに書き留めます。この日常的な米の研究が、五ツ星お米マイスターの称号をつねにピカピカに磨き上げるトレーニンングになっています。

日本初?味の数値化+文章のチャート図作成

 その成果が集約されているのが、全国の生産者の反響を呼んでいるJA全中のホームページ「とれたて大百科・お米コーナー」。

原稿を任された小池さんはここで「全国のお米の食べ比べ&評価」を執筆。日本で初めてと思われる特製チャート図を作り、約50種の米(2017年11月現在)の味の評価を複数の要素で点数化してポジショニング。さらにそこに文章を加えて構築しました。

50種の米すべてに評価コメント

 例えば近年人気の北海道産「ゆめぴりか」についてのコメントはこんな感じ。

「見た目は大きく、照りも張りも申し分ない。口に入れると塊がほぐれて、粒が弾ける。粒がぷりっとしている。粘りはしっかり奥歯にとどまり、硬さは粘りの中に張りを感じる程度。粒がはじけて、中から出てくる甘みを存分に味わうことができる。おねばは、しっかりともっちり感として分かる。飲み込んだ後でも、のどの奥から甘みが戻ってくる」。「おねば」とは炊いた時に出るねばっとしたお粥状の汁のこと。こうしたコメントを約50種の米すべてに付けており、それだけ見ても尋常ではない、小池さんの並外れた情報発信力が窺い知れます。

持ち前のクリエイティビティを発揮

営業活動・情報発信活動

 朝食=研究の後、日中のほとんどの時間は、営業活動や情報発信活動に専念。イベント出演やセミナー・講演活動も精力的にこなします。食品メーカーや調理器具メーカーとのコラボレーション、ブレンド米を製造販売する会社との共同開発、数種の米の食べ比べ・銘柄当てクイズなどを取り入れたトークショーなど、企画・内容も多種多様です。

世界も米に注目

 また最近は外国人を対象としたセミナーも増加。原宿という土地柄もあって、店にはスペインの米農家が見学に訪れたり、中国人観光客がお土産として大量購入することもしばしばあるとか。

※1 (農林水産省によれば、個人消費なら海外持ち出しも届け出不要)。

日本の米は海外でも飛びぬけて評価が高く、コシヒカリなどは高級ブランド米として名が通っています。また、家庭料理を含む日本食のおいしさ、栄養バランス、クオリティ、バラエティが世界中から注目され、その主食となる米に対する関心も高まっています。たとえば「おにぎり一つだって日本食」と言えば、会席料理などの難しいイメージに囚われている外国人も気軽に楽しめ、日本食もより広がっていくでしょう。

実は米のことを知らない日本人

コンサルタントとしての顔

 講師・出演者としての小池さんの人気の裏には、コンサルタントとしての顔があります。相手の立場に立って話を聞く、相手がどう捉えるかを考えて話す姿勢は、米についての知識が乏しい人、逆に米以外のことをよく知らない人でも安心して相談ができるのです。

無関心な人たちを振り向かせる

 「誰と相談・アドバイスするにもポイントは、いかに興味を持ってもらうか。日本人にとって米は、人生の大半を連れ添った夫婦みたいな食物なんです」と、小池さんは比喩を使って説明します。

毎日食べているのに、それはどこ産のどんな銘柄か、どんな炊き方をして、どんな特徴が気に入っているのか訊いてみると、ちゃんと答えられない人が圧倒的。余りにも慣れ親しんだ食物だからこそ、興味・関心を持つ人が少ないのです。そんな米にいろいろな角度から光を当て、新しい側面・秘めている魅力の発見を促すのがマイスターの役割。楽しみ方に気づく人が増えれば、消費拡大につながると思います。

そんな思いを込めた本(共著)が2018年に発行されます。充実した面白いものにしたいと、わくわくした思いを隠さず、現在執筆に励んでいます。

若き米農家 若き米屋へ

日々の研究も情報発信も心から楽しんでいる小池さんですが「米を作ったり売ったりすれば儲かる、経済的に大成功できるとは考えない方がいい」というのが正直な意見です。けれども未来のどこまで行っても、お米が日本の食生活の真ん中に位置する食糧であることは変わらないでしょう。生産にしろ販売にしろ、他に代えがたい仕事。もしこれから取り組むなら、ぜひ誇りと信念を持ってやってほしい。

きらりと輝く五ツ星のメッセージ、届きましたか?

JA全中「とれたて大百科・米コーナー」

https://life.ja-group.jp/food/okome

※1 農林水産省

http://www.maff.go.jp/j/seisan/boueki/kome_yusyutu/

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