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『おおきなかぶ』はどれくらい?身近な春の七草 カブを知ってみる

『おおきなかぶ』はどれくらい?身近な春の七草 カブを知ってみる

子どもたちへのプレゼントに絵本を贈る方は少なくないでしょう。絵本には、野菜という題材もあるんです。『おおきなかぶ』はその代表的な作品。日本では1966年に発売以来、長い間、子どもたちに愛されてきました。「本当にそんなに大きくなるの?」と子どもから聞かれても困らず、大人も楽しめる食卓にも身近なカブのあれこれ。春の七草としても昔から親しまれてきた、冬野菜について知ってみましょう。

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ロングセラーでミリオンセラーの絵本『おおきなかぶ』

リズムが小気味良いお話

『おおきなかぶ』のあらすじは単純です。

おじいさんの植えたカブが、とても大きくなりました。1人で「うんとこしょ、どっこいしょ」とカブを抜こうとしますが、抜けません。おじいさんはおばあさんを呼び、それでも抜けず、おばあさんは孫を呼び、孫は犬を呼び。と、どんどん増えていく中で、「うんとこしょ、どっこいしょ」のリズミカルな掛け声がふくらんでいきます。

半世紀以上にわたり子どもたちに愛される

日本で、よく知られる『おおきなかぶ』(A・トルストイ編、内田莉莎子訳、佐藤忠良画、福音館書店)は、1966年に発売されました。書店流通大手トーハンによる「ミリオンぶっく 2017年版」によれば、発行部数は288万部。これは絵本の単巻売上でトップ5に入ります。日本でもポピュラーですが、元々はロシアの昔話。童話として、A・トルストイが再構築したのが、絵本の話になります。
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カブの大きさは様々

日本で一般的なものは小カブ

さて、気になるカブの大きさは?

日本で一般的な物は、小カブです。小カブは直径5センチほどになれば収穫できます。しかも、育つほどに根っこの白い部分が土から表れますし、子どもにも引っこ抜きやすい野菜と言えます。

とても「うんとこしょ、どっこいしょ」なんて大きさではありません。日本で大きなカブと言えば、京野菜の一つである聖護院カブが知られます。千枚漬けの材料にされることが多く、5キロほどにもなりますが、それでも一人で引き抜けるサイズです。

ギネス級のカブは5歳児ほどの重さ

では、世界のカブのサイズとはどのくらいになるのでしょうか。

『ギネス世界記録2017』(角川アスキー総合研究所)によると、最も重いカブは、17.78キロ。アメリカで2004年にできたカブです。さらに重いのは、日本の白いカブとはちょっと違うスウェーデンカブ(西洋カブ)。54キロ、中学生男子の平均体重くらいの重さだそうです。つまり、残念ながら『おおきなかぶ』はあくまで絵本の話。それほど大きくはならないようです。カブでは大きくなりませんが、世界では2016年、1,025キロものカボチャが作られたこともあります。こうなると、皆で「うんとこしょ、どっこいしょ」と声を合わせる必要もありそうです。

昔から身近なカブ

さすがに『おおきなかぶ』は絵本の世界。カブは何か想像力をかきたてるものがあるのかも。大きなカブが登場する話は日本にもあって、エッセイ集『おおきなかぶ、むずかしいアボカド』(村上春樹著、マガジンハウス)で取り上げています。その話は『今昔物語集』に載っているもので、少し大人向けの話です。いずれにせよ、日本でも平安時代から物語に登場させたくなるくらい身近な野菜だったようです。

スズナ(カブ)は春の七草

1月7日の七草粥にも、カブは入っています。地方によって違いもあるようですが、春の七草であるセリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ(カブ)、スズシロ(ダイコン)を、粥に入れて食べます。1月7日は「人日(じんじつ)の節句」です。中国では昔、1月1日を鶏の日、2日を狗(犬)の日、3日を猪の日、4日を羊の日、5日を牛の日、6日を馬の日として、それぞれの動物をその日には殺さないようにしていました。そして、7日が人の日として、七種の野菜を入れた汁物を食べる習慣がありました。これが日本に伝わり、春の七草を入れる七草粥になりました。

七草粥は邪気を払い無病息災を祈る一つの料理。近年では、スーパーでも七草がセットにされて売られていることもあります。パックには親指くらいの白い根をしたカブが入っていることも。

ビタミンも豊富で、根も葉も栄養が詰まったカブ。まで、ちょっとした物語を感じながら食べてみるのもいいですね。

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