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熱い仲間募集中!「農家を子どもの憧れに」 次世代に希望を創る夢農人(ゆめのーと)の野望

熱い仲間募集中!「農家を子どもの憧れに」 次世代に希望を創る夢農人(ゆめのーと)の野望

最終更新日:2018年10月02日

向上心のある若手農家が集まり、社会や消費者に対し発信・交流をする団体「夢農人とよた」。現在、意欲ある新メンバーを大募集中だ。元プロボクサーで愛知県豊田市の茶農家三代目でもある石川龍樹(いしかわ・たつき)会長に、夢農人の活動へ懸ける思いを聞いた。

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実力派生産者が率いるチーム


トヨタ⾃動⾞の本社(上部中央のビル群)⾄近の⽯川さんの茶畑。中⼭間部の畑と合わせ、合計4.5haで主に有機茶を栽培する

愛知県だけでなく日本の象徴ともいえる、モノづくり大国の中心的存在のトヨタ自動車。その本社からわずか2㎞の場所に、主に有機栽培茶を製造・加工・販売する「いしかわ製茶」の茶畑が広がる。

あまり知られていないが、豊田市は高品質茶の産地。いしかわ製茶のお茶は、今年の関西茶品評会で、抹茶原料のてん茶部門で京都府宇治市などの有力産地を抑えて、最高賞である農林水産大臣賞を受賞。そのてん茶は、500点以上出品された品評会内で最高落札額を記録した。
トヨタ自動車の本社創立に5年先駆け、昭和8年にこの地で開拓を始めたのは、いしかわ製茶三代目・石川龍樹さんのお祖父さんだ。

茶を黒いシートなどで覆い、光合成で増えるカテキンによる渋味を抑え旨味を増やす「被覆栽培」で、茶道向け抹茶やかぶせ茶といった一級品などを栽培する。国内の抹茶農家で最初に有機JAS認証を取得した、オーガニックの先駆者でもあり、その丁寧な仕上げと味を評価され、親子三代で農林水産大臣賞を受賞。2008年には農林水産祭で、全国の茶農家から一軒しか選出されない内閣総理大臣賞を受賞した実力派だ。

生産者として卓越した技術を継ぐ石川さんは、豊田市の若手農家を中心に作る任意団体「夢農人(ゆめのーと)とよた」の会長としても精力的に活動する。

力を合わせることで、叶う夢がある

会長の⽯川さん。⼤学在学中にプロボクサーに。卒業後は消費者に感謝される家業の素晴らしさに⽬覚め、いしかわ製茶を継ぐ


「真っ白なノートに夢を書き込もう」という思いで名付けられ、2010年に生まれたチームには、石川さんのような農家の跡取りや新規就農者など20~40代の若手農家を中心とした29軒が集う。メンバーの生産物は実に多様で、野菜果物や花、畜産など。共通するのは、衰退する三河地域の農業を盛り上げたいという情熱だ。

バラエティ豊かなメンバーの農産物を集め、オンラインショップやマルシェで販売したり、市内外の飲食店に卸売りしたりと、組織全体で情報を共有し販路を拡大できるという強みを持つ。

たとえば、夢農人が2016年2月から新東名高速の岡崎サービスエリアに出店している「ミカワフォレスト」。元々はメンバーの一人に出店の打診がきたが、一農家だけでは運営面で不安を持っていた。しかし、グループ有志で運営会社を立ち上げ、メンバーが作った食材を加工して販売する形態での開店が実現した。

毎月第三水曜日には、豊田市内の市民活動センターで行う定例会の中で「夢農人ゼミナール」と題したミーティングを開いている。梱包作業に必要なスペースや倉庫の不足など、生産・販売過程での困り事の共有や、持ち回りでの経営発表を行っている。新規就農者でも一人で問題を抱え込まず、先輩農家からアドバイスを貰えるほか、新しいアイディアをシェアできる場だ。

石川さんは「農家の収入を安定させ、農業を稼げるものと認識してもらい、担い手を増やしたい」と語る。

「農家を子どもが憧れる職に」 学生とのタッグも


スマートフォンをメニューにかざすと、料理に使った食材の栽培・収穫風景が動画で閲覧できる

また、「農家を子どもが憧れる職業にしたい」と、食育や学生とタッグを組んだ活動にも積極的に取り組む。メンバーの農園で農業体験を受け入れたり、企画するイベントでは瓶を使った昔の精米法の体験を組み入れたりしている。

ユニークなのは中京大学工学部の学生とコラボレーションし、AR(拡張現実)を活用した取り組みだ。舞台は、夢農人が運営する築100年の蔵を改築した「ころも農園 蔵カフェ&マルシェ」。メンバーが育てた新鮮な野菜などを使った料理が楽しめることがウリで、ランチ時には行列が絶えない、地元の人気店だ。

生産者の顔が見えるようにと、メニューには食材を作ったメンバーの顔写真が載る。さらに、専用のアプリをダウンロードし料理の写真にかざすと、学生が撮影した動画が再生され、その食材が生まれた畑や、収穫などの農作業の風景を見ることができる。これから口にする食材の誕生ストーリーを知ることで、農の現場を身近に感じ、楽しみながら学べる心憎い演出だ。

ブログが畑と世界を繋ぐ

主催イベント時、和気あいあいとした雰囲気で集まる夢農⼈メンバー


夢農人は、地元の広告代理店とタッグを組み、ホームページ上で積極的に情報発信を行う。夢農人結成の3年後、コツコツと情報を届けることの重要性を、痛感させる出来事が石川さんに起きた。

当時、栽培から仕上がりの全ての工程で多大な手間がかかる割に、適正価格での買い手が見つからなかった一級品のオーガニックのお茶。いっそ国内需要の多い二級品に集中しようか、と悩んでいた。
ある日、ロンドンから一本の国際電話がかかってくる。石川さんのブログを読んだ、有名お茶専門店経営者の日本人妻からの、「一番いいオーガニックのお茶が欲しい」という問い合わせだった。以来、契約農家として畑単位で有機の一級品を輸出している。

「海外では、日本よりも”家族経営”や”オーガニック”といったキーワードがウケる」と石川さん。生産者のプロフィールがより明確になり、安全性が担保されるからだ。かつ、「高くても良い物」をという志向が強いという。

ブログが茶畑と世界を繋ぎ、今ではマレーシアのペナン、上海、ニューヨークの小売店などへ、留学経験のある妻・咲姫(さき)さんのサポートを得て、輸出している。

石川さんはメンバーにも積極的な情報発信を推奨。現在では夢農人のホームページをプラットホームとし、メンバーのうち21農家が活発に情報発信をしている。

熱い仲間を大募集!豊田から愛知、そして全国へ

生産者同士の横の繋がり、消費者とのコミュニケーションを伴う販路、そして世界へ羽ばたくチャンスも得られるという、文字通り夢が詰まった「夢農人とよた」。

市外からも参加メンバーが増え、2018年早々に「夢農人あいち」を立ち上げる。さらに「夢農人JAPAN」にしていくため全国各地からメンバーを募っている。条件は、情熱を持ち、農業で稼ぐことに対して覚悟のある若手生産者だ。夢と希望にあふれた、やる気のある若手農家は、ぜひ門を叩いてみては。志を共にするメンバーとの出会いが、可能性を無限に広げてくれるはずだ。

「夢農人とよた」ホームページ

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