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農業法人を設立する方法【就農ことはじめVol.5】

連載企画:就農ことはじめ

農業法人を設立する方法【就農ことはじめVol.5】

農家といえば個人経営が基本と思っていませんか。でも、実は一般の民間企業と同じように、野菜作りなどを法人で営む「農業法人」もあります。経営面や制度面で様々なメリットがあり、近年じわじわと人気を集めているようです。農業法人とは、一体どんなものなのでしょうか。
「就農ことはじめ」第5回は、これから就農を考えるみなさんに、農業法人の形態や設立方法、メリットを紹介します。

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国も増やすことに力を入れている!? 農業法人って一体なに

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農業法人とは、法人として農業を営む組織のことを指します。分類はいくつかありますが、農地を利用するかどうかでまずは大きく二つに分けられます。

農地を利用して農業を営む方式を「農地所有適格法人」と言います。かつては農業生産法人と呼ばれていましたが、農地法の改正にともない名称が変わりました。株式会社などの形態を選ぶ必要があるなど、農地を取得するための複数の要件を満たすことが求められます。一方、農地を必要としない方式を「一般農業法人」と呼びます。例えば、養鶏業や野菜工場での栽培、農地を借りる場合などがこれに当てはまります。

農林水産省の統計によると、2017年2月1日時点の農業を営む法人数は2万1,800経営体で、2015年と比べると15.3%も増えています(※1)。個人で農業を営むよりも税の優遇を受けられるほか、対外的な信用力が増すなどが人気の理由のようです。政府が2023年までに農業法人を5万経営体に増やす目標を掲げるなど、国も支援に力を入れています(※2)。

お金儲けしやすい、後継者が集まる!? 農業法人にはメリットがいっぱい

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農業法人になると、経営面をはじめ多くのメリットが生まれます。

例えば、法人として認知されることで、対外的な信用力が向上し、その結果、銀行から融資を受けやすくなったり、売り先とスムーズに取り引きできたりします。また、外部から従業員を雇い、その中から優秀な人を見つけ育てることで、農業の課題の一つ、後継者の確保にもつながります。

さらに、さまざまな税制の優遇措置も受けられます。例えば、所得が一定以上ある場合、従業員に分配することで、事業主本人への課税が軽減されます。役員であれば、報酬を損金として経理処理することができて、節税にもつながります。
他には、一緒に働く従業員の生活を守るために、社会保険や労働保険を適用することで福利厚生を手厚くできるなどのメリットもあります。

ただし、メリットを先に考えて法人化を選ぶのは本末転倒です。法人化する際は、目的や意義をしっかり考えて、長期的に「ビジネス」として農業を捉えていくビジョンが必要です。なぜなら法人化することは、継続的に収益を生み出し、従業員を養うという責任も伴うからです。

農業法人はどうやって設立すればいいの?

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では、農業法人を設立するには、どのようにしたらいいのでしょうか。
一般的な流れを紹介します。

1.どんな会社にするか検討
誰が「発起人」となるかを決めます。発起人は一人でも複数人でもOK。その後、どのような会社にするかを考える「発起人会議」を開き、会社の基本ルールとなる定款の内容や、資本金額、決算日などを決定します。会議の中身は議事録に残しましょう。

2.定款の作成
定款は3部作り、公証人役場で認証してもらいます。

3.設立総会と出資金の払い込み
法人のメンバーが集まり、定款や事業計画の了承、代表取締役の選任などを行う「設立総会」を開き、議決。その後、発起人の口座に出資金を払い込みます。

4.設立登記の申請
定款に違約などがないかの調査を終えてから、法務局に登記を申請します。

5.行政機関への届け出
登記完了後、法務局に印鑑証明書などの交付を申請。税務所などに届け出を行います。

さて、農業法人を設立する方法が分かりましたか? 法人化するには設立の手続きが必要で、法人化した後は日々の経理処理なども発生します。一方で、税の優遇などといったメリットもたくさんあります。長期的なビジョンを描いて農業に参入するなら、一度検討してもよいのではないでしょうか。

※1 農林水産統計 平成29年農業構造動態調査:農林水産省
※2 「日本再興戦略2016」KPIの進捗、及び施策の実行状況について:農林水産省

 

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