アブラナ科アブラナ属の緑黄色野菜ブロッコリー
ブロッコリーは、菜の花と同じアブラナ科アブラナ属の緑黄色野菜です。原産は地中海沿岸で、キャベツと同じくケールが原種とされています。15〜16世紀にヨーロッパで普及し、19世紀にアメリカに伝わりました。日本に伝わったのは明治時代ですが、本格的な栽培は1980年代頃に始まりました。
ブロッコリーは切り取る部位によって品種が異なり、日本で主流となっているのは、茎に大きな花蕾が付いている頂花蕾型(チョウカライガタ)です。そのほかに、脇芽が次々と生育する側花蕾型(ソクカライガタ)があります。
スティックタイプのブロッコリーは、中国野菜であるカイランやサイシンとの交配種です。最近は健康効果が期待されて人気を集めているブロッコリースプラウトは、ブロッコリーの新芽を指します。
鮮度が良いおいしいブロッコリーの見分け方
鮮度が良いおいしいブロッコリーは、緑色が濃くツヤがあり、花蕾が大きくこんもりとしています。一つ一つの蕾が小さくて、よくしまっているかもチェックポイントです。茎の切り口もよく見て、空洞になってスが入っていない新鮮なものを選ぶようにしましょう。
ブロッコリーの栄養
ブロッコリーは緑黄色野菜の王様といっても過言ではないほど、栄養豊富な野菜です。免疫力を高め、コラーゲンを生成するビタミンCを100グラム中に120ミリグラムも含んでおり、ゆでたあとでも約半分のビタミンCが残ると言われているため、女性に嬉しい美肌効果が期待できるでしょう。
カロテンやカルシウムなどの体に必要なミネラルも多く含み、風邪や生活習慣病の予防にも大きな効果があります。また、茎には食物繊維が多いので、整腸効果も期待できます。さらに、カルシウムの代謝を促すビタミンKを含むので、骨粗しょう症の予防にもなります。
ブロッコリーの保存方法
ブロッコリーの保存方法は、生の場合はポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。さっと茹でて冷蔵または冷凍保存すれば、生の場合よりも長く品質を保つことができます。花蕾は水分の蒸散が激しいので、冷蔵庫に直に入れて保存するのはやめましょう。
ブロッコリーの旬と時期
ブロッコリーの旬と時期は、国産のものだと11月から3月頃の寒い時期です。ビタミンCやミネラルを豊富に含み風邪予防につながるので、旬の時期に是非食べたい野菜です。
夏場に出回るのは、アメリカなどから入ってくる輸入物です。ブロッコリーは、輸入によって1年中安定してマーケットに出回るようになった野菜の代表でもあります。
ブロッコリーの賢い使い分け
ブロッコリーの茎
茎には食物繊維を多く含むので、皮をむいてから短冊状に切って炒めたりゆでると良いでしょう。食物繊維もとれて歯ごたえもよく、おいしく食べることができます。
ブロッコリーを油で揚げるときは
ブロッコリーを油で揚げる時には、まず硬めに茹でる一手間を加えると、きれいに発色して美しく仕上げることができます。
ブロッコリーの下ごしらえ
ブロッコリーはまず、蕾の根元に包丁を入れて、茎を切り落とします。その後、一房ごとに分けて、濃度1%に調節した塩水で振り洗いをすると発色も良くおいしく食べられます。
ブロッコリーの気になるポイント
茹でた時に油膜が張っている
植物の生理現象によって起こりますが、ロウ状になった物質が溶け出しています。植物が長い時間土の中に埋まっている場合に起こる現象で、食べても問題ありません。
紫色のブロッコリーは食べても大丈夫?
ブロッコリーが冬の寒い時期に紫色になることは、珍しくありません。寒さのせいでアントシアニンが出てきているもので、食べても問題ありません。茹でれば緑色になる上、寒い環境下に育ったおかげで甘みが増しておいしく食べることができます。
ブロッコリーの種類
スティックセニョール
キャベツの仲間のカイランとの掛け合わせによって生まれたスティックタイプのブロッコリーで、茎がやわらかいのが特徴です。
はなっこりー
山口県で生まれたスティックタイプのブロッコリー。中国野菜のサイシンとの掛け合わせで誕生しました。
さっと茹でて、マヨネーズと食べるだけでもおいしい万能野菜のブロッコリー。風邪予防になる栄養分がたっぷり含まれているため、旬である冬の時期に積極的に食べたい野菜です。豊富に含まれるビタミンCは熱を加えても半分以上が残るため、暖かいシチューにいれたり、揚げ物にしたり、毎日楽しんでみてはいかがでしょうか。
参考:「野菜と果物の品目ガイド〜野菜ソムリエEDITION」(農経新聞社)