流通するアボカドのほとんどがメキシコ産
現代の健康志向の高まりから、注目度が急上昇しているのがアボカドです。なんと過去10年間で輸入量がなんと約4倍近くに増えているのだとか。
日本で出回っているアボカドの9割がメキシコ産でハス種と呼ばれる品種が主です。アボカドは英語で「alligator pear(ワニの梨)」という別名があるため、日本では「ワニナシ」と呼ばれることもあります。
鮮度の良いおいしいアボカドは、ヘタの付近が柔らかくなく、形が整っています。皮にツヤとハリがあり、触ってふかふかとしないものを選びましょう。
アボカドの栄養
アボカドには植物性脂肪がたっぷり含まれているため、「森のバター」と呼ばれています。不飽和脂肪酸のオレイン酸を多く含んでおり、オレイン酸は悪玉コレステロールを下げる働きや、動脈硬化を予防する働きがあるとされています。その他、ビタミンB群、ビタミンEも多く含みます。
そして、アボカドはおいしいだけではなく、世界一栄養価の高いフルーツとしてギネスブックにも認定されているほど優秀な果物です。
アボカドの保存方法
保存するときには、アボカドの熟度を確認することが大切です。未熟なものは冷蔵庫に保存せず、常温で置いておけば食べごろまで追熟することができます。熟したものは空気に触れないようにビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保管するようにしましょう。
カットしたあとは種を取り除き、切り口にレモン汁をかけてからラップをして冷蔵庫で保存すると変色することがありません。レモン汁は酸化によって褐色に変化することを防ぐ役割をしてくれます。
アボカドの旬と時期
日本で流通しているアボカドの9割がメキシコ産です。メキシコの中でも様々な産地のものが出回っているため、1年中安定して供給されています。
アボカドの豆知識
アボカドの熟度を知るには
果皮が黒くなりかけていて、表面に弾力があれば熟している証拠です。熟しすぎると果肉まで黒くなってしまっているので注意しましょう。
熟し方が足りなかった時は
アボカドを切ってみて、熟し方が足りずに硬かった場合は、加熱すればおいしく食べられます。天ぷらのほか、フライパンでソテーにしたり、アルミホイルにアボカドを並べてチーズをのせてグリルするのもおすすめです。
アボカドに斑点や筋があった時は
アボカドの表面がきれいな場合でも、切ってみると果肉に黒い斑点や筋が通ってしまっていることがあります。これは鮮度が良くない場合と、冷蔵保存した場合に低温障害が起こる現象です。
斑点の部分や筋を取り除けば食べることができます。皮がしなびていて、ヘタの部分がふかふかしているものは障害がある場合が多いので破棄するようにしましょう。
アボカドのおいしい食べ方
アボカドの皮のむき方
アボカドは、中心に大きな種があります。縦に包丁を入れて、種に沿うようにぐるりと一周して切り込みを入れたら、両手で実をもって種を中心に回転させながら二つに割ります。
二つに割れたら、包丁の角を種に刺して、種を上手に取り除きましょう。アボカドの果肉はスプーンですくったり、四等分して皮をむいてもいいでしょう。
アボカドディップ
アボカドディップは、アボカドとクリームチーズをフォークの背で潰して、玉ねぎとトマトのみじん切りとレモン汁を混ぜれば完成です。お好みでタバスコを入れてもおいしくなります。アボカドディップは肉料理の付け合わせの他に、トーストやハンバーガー、トルティーヤのソースとしてもおいしくいただけます。
アボカドの種類
メキシコ産
日本で流通しているアボカドの9割を占めるのがメキシコ種で、ハス種が主流。脂肪分をたっぷりと含み、コクがあります。最近では輸入果実ながら、健康志向に応えて化学肥料や農薬を使わないこだわりのアボカドも人気を集めています。
ニュージーランド産
日本向けに良質なアボカドを生産しており、年々輸入量が増えてきています。濃厚でクリーミーな味わいが特徴です。主要な産地の生産者団体が、日本での販売に力を入れ、わざわざキャンペーンを行うほど熱心にマーケティングを行なっています。9月から2月の時期に市場に出回ります。
国産
農薬を抑えるなどの配慮がされており、安全志向の高まりによって近年生産量が増えつつあります。ベーコン種のほかハス種も生産されています。和歌山県、愛媛県、沖縄県、静岡県など温暖な地域で栽培されており、10月下旬から1月頃にかけて出荷されています。
健康や美容への意識が高い人の間で人気のアボカド。産地や栄養、料理のコツなどを知っておくと、さらにアボカドをおいしく楽しめるようになるのではないでしょうか。ぜひ毎日の食卓に利用してみてください。
参考:「野菜と果物の品目ガイド〜野菜ソムリエEDITION」(農経新聞社)