アク抜き不要で手軽に食べられる「コゴミ」
コゴミは、春に生えるクサソテツの若芽を食用としたもので、ワラビのように、軸の上の部分がくるくると巻いた形の山菜です。コゴミはアクがほとんどなく、アク抜き不要で手軽に食べられる珍しい山菜です。
さっと茹でるだけで、独特の食感とぬめりを楽しむことができます。主に東北地方で栽培されていて、旬は4月から5月。乾燥品は1年を通して市場に出回っています。
コゴミをおいしくするワンポイント
コゴミは、アク抜きが必要なく、洗ってさっと茹でればすぐ食べられます。おひたしや和え物、炒めもの、天ぷらなど色々な料理に活用できます。くるみやゴマなど、濃い味わいのものと一緒に和えると、一層おいしく楽しめます。
酢の物・汁物に品格をプラス「カタクリ」
カタクリは、ひょろりと伸びた軸にひらひらと美しい葉がついた、品のある容姿と甘みが魅力の山菜です。口当たりがなめらかでアクが少ないため、さっと茹でることで、茎、葉、花ともにおいしく食べることができます。花が咲くまでに7年もかかるため非常に貴重で、3月から5月に花が咲いたものだけを食用とする風流な山菜です。
カタクリをおいしくするワンポイント
加熱して食べるのが一般的ですが、アクが少ないため下処理はせず、生の状態から調理することができます。炒め物や汁物はもちろん、酢との相性は抜群で、三杯酢や酢の物にするととてもおいしい山菜です。
都心にも自生する山菜「ノビル」
ノビルは、小さな玉ねぎのような鱗茎と、ネギのような若芽を食用とする山菜です。味も玉ねぎに似た辛みと香りが特徴です。山菜といえども都心の公園などにも自生しています。一年を通して採れますが、葉も食べられるのは5月から7月頃です。
ノビルをおいしくするワンポイント
新鮮なものは、生のまま葉も根も食べられます。葉を一皮むいてから、味噌をつけておつまみにするほか、和え物や焼き物、味噌汁に入れてもおいしく食べられます。
ぬめりと辛みが特徴「ウルイ」
ウルイはオオバギボウシという植物の若芽で、爽やかな辛さとぬめりが特徴です。天然のものは4月から6月に旬を迎えますが、2月頃から早生のものが出回ります。軟白栽培のものは生でも食べることが可能です。
ウルイをおいしくするワンポイント
生のままサラダなどに加えて楽しむことができますが、もしハカマが付いている場合は取り除くと口当たりが良くなります。汁物の実や、おひたしや天ぷらでもおいしくいただけます。
清流のもとで育つ「ミズ」
ミズは、清流に生える茎を楽しむ山菜です。独特のぬめりとシャキシャキとした食感が特徴です。茎の下の部分が赤い「アカミズ」と、緑色の「アオミズ」があります。4月から5月に旬を迎えます。
ミズをおいしくするワンポイント
よく洗い、根元の5センチほどは生のまま細かく叩いてタタキにするとおいしく食べられます。葉はアクが強いので天ぷらなどに利用しましょう。そのほか、おひたしや和え物、とろろと合わせて食べる調理法がおすすめです。
ヤブレガサの紹介
シャキシャキとした食感と、アクを感じる野性味あふれる苦みが特徴のヤブレガサ。綿毛に覆われた見た目が、破れた番傘に似ていることからこの名前がつけられました。旬の時期は4月から5月頃です。
ヤブレガサをおいしくするワンポイント
手に入れたその日のうちに下茹でした後、数時間水にさらしてアクを抜きましょう。下ごしらえが済んだら、おひたしや炒め物、煮びたしや天ぷらに利用できます。
春の訪れを感じる「ツクシ」
春の訪れを感じるほろ苦さが魅力のツクシは、スギナの胞子穂を食用とするものです。粉末状の胞子を持った頭は、閉じているものが良品とされています。日本各地に自生していますが、近年は促成栽培(※)も行われています。旬の時期は2月から4月です。
※促成栽培 露地での栽培(露地栽培)よりも成長・収穫・出荷を早くする栽培法。
ツクシをおいしくするワンポイント
ツクシはハカマを取り除いてから調理すると、口当たりが良くなります。茹でたあとに水にさらすことでアクが抜けやすくなります。
刺身のツマや薬味に使われる「芽ジソ」
刺身のツマや薬味として利用されることが多いのが、芽ジソ。青ジソの若芽を青芽(アオメ)、赤ジソの双葉に本葉が出たばかりのものを紫芽(ムラメ)といいます。色合いから、赤身の魚には青芽、白身魚に紫芽を合わせることが多いようです。
芽ジソをおいしくするワンポイント
紫芽は紅タデに似ていますが、赤芽は紅タデよりも一回り大きく、裏が赤くて表が緑色をしていることで見分けられます。刺身のツマを中心に、薬味としても様々な料理で利用されています。
季節を感じ、料理に彩りを添える山菜を取り入れると、いつもの食卓がワンランクアップすることでしょう。旬の時期を迎えたら、山菜を試してみてはいかがでしょうか。
参考:「野菜と果物の品目ガイド〜野菜ソムリエEDITION」(農経新聞社)