初夏を彩る野菜「ジュンサイ」
ジュンサイは、ゼリーのような物質におおわれた、つるりとした舌触りが特徴の野菜です。6月から8月の時期に旬を迎え、透明感があるので暑い時期に涼しさを演出するのにもってこいの食材です。ジュンサイは生育する沼や湖の水質によって品質が異なります。若い葉芽は生食できますが、通常は、加熱・冷却後、瓶に詰められて出荷されます。主な産地は秋田県です。
鮮度の良いおいしいジュンサイの見分け方
鮮度の良いおいしいジュンサイは、ゼリーの部分が透明で、ハリとみずみずしさがあります。小さいものほど高値で取引される傾向にあります。
ジュンサイを下ごしらえ
下ごしらえをする時には、ぬめりを落とさないように、ボウルに入れて2、3回水を変えながら優しく洗います。それをさっと茹でて、緑色が鮮やかになったら湯からあげて水で冷やしましょう。瓶詰めのものは加熱済みなので、そのまま食べることができます。
ミネラル満点「オカヒジキ」
オカヒジキは、ミネラルがたっぷりの浜辺の野草で、海岸の砂地に自生する植物の葉を食用にします。近年は栽培種が増えてきており、主な産地である山形県では「やまがた伝統野菜」にも指定されています。イタリアでは、オカヒジキの近縁種がパスタに使われることがあるので、イタリアンのシェフが注目する食材のひとつです。
鮮度の良いおいしいオカヒジキの見分け方
鮮度の良いおいしいオカヒジキは、全体的にみずみずしい状態で鮮やかな緑色をしています。切り口が新鮮で色が変色していないものを選びましょう。茎に適度な弾力があるものがおいしい証拠です。
オカヒジキの下ごしらえ
シャキッとした歯触りで、クセのない味に仕上げるには、ゆでてアクを抜くのがポイントです。根元の硬い部分をカットしたら、さっとゆでます。ゆですぎるとシャキシャキ感が損なわれてしまうので注意してください。ゆでたものは、卵焼きの具やペペロンチーノなど、身近な料理に活用でできます。
畑のキャビア「トンブリ」
トンブリは、見た目から「畑のキャビア」と呼ばれ、プチプチ食感が魅力の野菜です。トンブリはホウキ草の種で、直径1、2ミリほどの大きさです。見た目は個性的ですが、味にクセはなく、食べやすいのが特徴。主な産地は秋田県です。秋に収穫されますが、真空パックや瓶詰めで一年を通して市場に流通しています。
トンブリをおいしく食べるワンポイント
納豆や山芋など、ネバネバする食材と相性抜群です。食感を残すためには、食べる前に味をつける方がいいでしょう。味にクセがないので、酢の物やサラダ、和え物などでもおいしく食べられます。
花びら型の根菜「ユリネ」
ユリネは、花びらの形をした野菜で、オニユリ、ヤマユリの根を食用としています。加熱するとホクホクとした食感が楽しめて、甘さとほろ苦さもあります。主に日本料理によく使われています。ユリネのほとんどは北海道で栽培されています。一年を通して出回りますが、11月から2月ごろが最盛期です。
鮮度の良いおいしいユリネの見分け方
鮮度の良いおいしいユリネは、皮が白く、傷や黒ずみがありません。全体的にぎゅっとしまっていて、乾燥し過ぎていないものを選びましょう。
ユリネの下ごしらえ
ユリネは、根元を除いて花びらを1枚ずつはがして使います。白く美しい仕上がりにするためには、少量の酢で茹でるのがおすすめです。購入時についていたおがくずと一緒に保存すれば長期保存ができます。
さっぱりとした梅肉和えや茶碗蒸しなどの蒸し物のほか、牛乳と合わせたポタージュにも合います。
ホウレンソウに似た風味「ツルナ」
ツルナ科ツルナ属の野菜ツルナ。味にクセが少なく、肉厚でホウレンソウによく似た風味が特徴です。ツルナの中でも若芽は特にやわらかくおいしいと評判です。抗酸化作用や、免疫力向上が期待できるカロテンを多く含んでおり、暑さにも強い野菜なので真夏に重宝されています。初夏から出回り、旬の時期は7月から10月です。
ツルナをおいしく食べるワンポイント
ツルナは生のままでも食べられます。加熱しすぎると歯ごたえが悪くなってしまうので注意しましょう。葉の部分をつまんで、サラダにしてもおいしいです。そのほか、おひたしや炒め物、汁物、煮物と、ホウレンソウと同じように調理することができます。
コツを少し知っていれば、実は簡単に食卓で使えるものばかりです。ホームパーティやおもてなし料理に取り入れてみてはいかがでしょうか。
参考:「野菜と果物の品目ガイド〜野菜ソムリエEDITION」(農経新聞社)