バラに寄せ付きやすい病害虫と対処方法
イラガ(繭)
枝や地際に繭を作り越冬し、夏の時期にかけて羽化するイラガ。種類によっては繭の段階で複数にまとまっていることもあるため、早い時点で繭を取り除くことがもっとも安全な対策の一つです。
幼虫にまで成長すると葉裏から食害し、葉に穴を開けるまで被害を広げていきます。すけた葉を見つけたら早めに薬剤を散布するか、摘葉して被害の拡大を食い止めてください。イラガは毒のある毛を持っており、触れると鋭い痛みが生じますので直接触らずに駆除してください。殺虫スプレー(蚊、ゴキブリ用など)などが効果的です。
オオタバコガ
バコガの一種であるオオタバコガは孵化までに3〜5日、1ヶ月もすると羽化します。茎葉や果実に穴を開け食害していく病害虫なので、食べ終わると次々に被害を広げていくことも特徴です。夏以降は増殖が活発になるため特に注意が必要となります。
植物の中に入り込んでしまった段階での薬物散布は効果が期待できません。感染を未然に防げるよう毎日の観察を怠らないようにしましょう。また、オオタバコガは夜行性という習性を持っており、夜間に成虫が飛来することもありますので、防虫ネットを用いるなどしてバラへの感染を防ぐ対策を行なうようにしてください。
ナミハダニ

※ナミハダニの被害
梅雨明け以降の高温多湿期に多発することで知られているナミハダニ。その姿はとても小さく、肉眼で確認することが難しい虫です。
成長と繁殖のサイクルが極めて早いことも特徴で、1ヶ月も経たないうちに100個程度もの卵を産み、成虫になった雌が産卵を始めるまでの一連のサイクルは年間を通して10回以上も発生します。
被害の特徴としては葉を吸汁した痕が白く色が抜け、やがて斑点を広げて黄色く変色し落葉させていきます。また、葉と葉の間に白い糸を張り被害を拡大させます。
生い茂った状態にしておくと密度が高まることで高温となり、ナミハダニにとっては増殖の好条件となるので注意が必要です。歩行した際の風に乗って移動することもあるため、適切な株間に保つ対策のほか、葉裏から水をかけて生息数を減らすことが防除のポイントです。
発生初期の段階で適した殺ダニ剤を選んで、葉裏などをむらなく丁寧に散布していきましょう。