歴史ある道内ワイナリーの評価がアップ
北海道の中でも古くからワイナリーを有するのが、十勝地方の池田町です。池田町のヴィンテージチャート(※)を見てみると、1993年頃までは評価が良い年と悪い年があり、ワインの品質に対する評価にバラつきが見られました。しかし、1998年以降になると、低い評価が少なくなり、4+以上の評価を万遍なくとるようになっていることがわかります。
※ヴィンテージチャート:各年の気象条件やブドウの収穫状況などから、ワインの品質を5段階で評価したもの。

北海道の夏季気温平年偏差(6~8月)と十勝地方池田町のワインヴィンテージ評価
これらの結果から、北海道が質の良いワインを作るための、格好のブドウ産地になってきているということが言えます。実際、北海道にあるワイナリーの数は、1999年までは10ヶ所もありませんでしたが、2000年以降に急増。2017年には33ヶ所(2017年8月末時点、ブドウ以外を原料とするワイナリーを除く)になり、北海道がワインの産地として、大きく成長してきています。(※1)
今回、研究チームは余市町と空知地方でピノ・ノワールの栽培が可能になった理由を解析しましたが、北海道内の別の地域でもピノ・ノワール栽培の可能性が高まってきていると言えるでしょう。
国産ワインへの注目度が高まってきて、地理的表示制度などの制度が進んでいます。北海道では、ピノ・ノワールよりも、高い栽培温度が求められるシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、メルローなどの品種の栽培も試みられているそうです。ピノ・ノワールの栽培の拡大によって、北海道で作られるワインにさらに高い注目が集まっていくことでしょう。
参考
※1 気候変動により、北海道の代表的産地で 高級ワイン用ブドウ「ピノ・ノワール」が栽培可能に(農研機構)