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耐久性向上&資材コスト削減を両立「六角形のダンボール箱」とは

耐久性向上&資材コスト削減を両立「六角形のダンボール箱」とは

ダンボール箱の製造などを行う森紙業株式会社は、JA全農長野と「六角形のダンボール箱」を開発。箱の角部分を切った形状にすることで、資材コスト削減を狙います。六角形のダンボール箱は、四角いダンボール箱より耐久性があることが特徴です。角部分に産地名などを印刷してPRもできて、今後の活用が注目されています。今回は、森紙業株式会社 営業本部CS推進部の課長、中路哲也(なかじてつや)さんに話をうかがいました。

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資材コスト削減のため「六角形のダンボール箱」を考案

ダンボール

JA全農長野は、出荷用ダンボール箱の資材コストを抑えるため、ダンボール箱の紙の材質や、厚さを変える工夫をしていました。ですが材質や厚さを抑えると、ダンボール箱は野菜の重荷に耐えられなくなり変形してしまいます。

そこで、ダンボール箱の形状を見直すことにしました。そして、かねてより取引をしている長野森紙業に相談がきたのです。

「ご相談を受けて、角部分を落としたダンボール箱を提案しました。ダンボールに使う材質の量が減ってコスト削減に繋がるほか、切り落とした角の部分に野菜のブランド名や産地を印刷できます。地域や商品のPRができるという理由から、青果物への活用をおすすめしました」と中路さんは語ります。

その後、森紙業株式会社はJA全農長野と共同で、六角形のダンボール箱の開発を進めることになりました。開発は2015年7月頃よりスタート。長野県木曽郡にあるJA木曽のブランドハクサイ「御嶽はくさい」の生産者6名に、使用感などを試してもらいながら試作を重ねました。

ダンボール

「当社は以前より、JA木曽に四角いダンボール箱を納入していました。ある時『コストダウンができて、かつブランドのPRもできるダンボールが欲しい』という要望を受けました。

そこで、開発中だった六角形のダンボール箱が適しているのではないかと考え、当社からJA木曽へ提案をしたのです。目に留まりやすいユニークな形状で、切り落とした角にブランド名も印刷できるためです」。

開発スタートから約2年後の2017年11月に、JA木曽は六角形のダンボール箱を正式に採用することを決定。「『御嶽はくさい』の15キロケースは、対角線上の2つの角をカットすることで、資材価格に繋がる原紙の使用量を約3%削減できました」。

六角形の段ボール箱にむいている野菜

ハクサイを六角形のダンボール箱に入れたときの角の状態

六角形のダンボール箱は青果向けに開発されたものですが、梱包に向いている野菜と、そうでない野菜があるそうです。

「箱に入れたときに、角部分に隙間が生じる野菜には、六角形のダンボール箱がおすすめです。例えば、スイカやカボチャなど、丸い形状の野菜が挙げられます。一方、キュウリやネギなど、角部分に隙間が生じない野菜は、一般的な四角いダンボール箱の方がたくさん入ります」。

現在、六角形のダンボール箱は、JA木曽の「御嶽はくさい」のほか、石川県のダイコンや北海道のニンニクの梱包にも使用されています。

輸送コストとCO2の削減にも貢献

ダンボール

六角形のダンボールの強みは、強度とコストだけではありません。

無駄な隙間をなくすことで、同量の野菜を詰めたとしても資材のサイズが小さくて済むため、1台のトラックにより多くのダンボール箱を積めるようになり、輸送コストとCO2の削減に繋がるそうです。

また、六角形のダンボール箱は、四角いダンボール箱よりも野菜が詰めやすいそうです。「斜めに切り落とした角の部分は、通常の直角の角に比べて、野菜を詰めたときにフィットしやすい」と中路さんはいいます。

現在、六角形のダンボール箱は、主にJA全農長野で使われています。実際に使った方からは「角の部分が目立って、インパクトがある。斬新だと感じる」という声が届いているそう。反響も大きく、最近では、JA全農長野以外のJAでも使用に向けての試みが始まっています。

六角形のダンボール箱は、2016年に特許を申請。現在はJA全農長野の管轄地域を中心に使用されていますが、今後は全国のJAに提案を展開していくといいます。「一般向けにもリリースできるよう、進めていく予定です」と中路さん。

流通や出荷に欠かせないダンボール。当たり前のように、既製品を使ってしまいがちですが、六角形のダンボール箱も選択肢に入れながら、見直してみてはいかがでしょうか。

森紙業株式会社
画像提供:森紙業株式会社

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