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避けられない気候変動 農家はどのように守られる?

避けられない気候変動 農家はどのように守られる?

最終更新日:2018年09月05日

この冬は、スーパーで白菜やキャベツの値札を見てびっくりした方も多いのではないでしょうか? 私たちの食生活に欠かせない野菜の値段が、寒波などの影響を受けて高騰しています。農作物とお天気は切っても切れない関係にありますが、近年では地球温暖化による気候変動などが農業に与えるリスク等の観点から、より一層懸念されており、農林水産省が農家を守る取り組みに乗り出しました。その内容を詳しくご紹介します。

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野菜が高いのはどうして?

気候変動

農林水産省によると、白菜とキャベツの価格は3月中も高値が続き、ダイコンも高値です。いずれも昨年10月の長雨や今冬の厳しい寒さによって、平年よりも出荷量が減少したことが要因です(※1)。

農業は気候の変化に大きく左右されます。近年では、地球温暖化によるリスクが懸念されており、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書は、今世紀末までの約100年間で世界の平均気温は最大4.8度上昇すると指摘しています(※2)。農業分野では、気温の上昇により、コメの品質が低下したりぶどうやみかんなどの果実の色味が悪くなったりすることが予想されます(※3)。

このように、気候変動対策とは地球環境を守るためだけではなく、毎日のわたしたちの食卓を守るとても身近なものともいえるのです。

温暖化見据え、農林水産省が「適応計画」

気候変動

地球温暖化による農作物への影響を最小限にとどめるため、農林水産省は2015年(平成27年)8月に気候変動適応計画を決定し、今後重点的に取り組む対策などをまとめました(※4)。

緊急的な取り組みとしては、高温に強いコメ、色づきの良い果樹などの品種開発を推進。病害虫の分布エリアが拡大する恐れがあることから、対策が打てるよう将来予測を行って的確に把握するとしています。また、発生増加が予想されるイネ紋枯病やイネ縞葉枯病等の病気に対してその被害を軽減する技術を、2019年を目途に開発しその成果の普及を図る予定です。
また、温暖化が進むにつれ、育てることのできる作物も変化すると考え、亜熱帯や熱帯の果樹などの栽培へと転換を進めます。例として、温州ミカンをブラッドオレンジ等に改植することを推進したり、リンゴの着色不良対策として、「あきばえ」など優良着色系品種への転換等を進めたりしています(※5)。

農家は気候変動から守られる?

気候変動

自然災害で農業収入が低下した場合に国が補填を行う制度に、農業災害補償制度があります。このたびの制度見直しを受け、2019年(平成31年)1月から新たに「収入保険制度」が創設されることになりました。

収入保険制度は、自然災害の影響を受けた収穫量低下や、豊作による市場価格の下落など、農家の経営努力では避けられない収入の減少を穴埋めする制度です。現行の農業災害補償制度では対象とならなかった露地野菜や果樹も含め、全ての農作物を対象とした点が特徴です。農家の過去5年間の平均収入を基準収入とみなし、その9割を下回った場合に財政支援します。農林水産省の例によれば、「基準収入が1000万円の農業者は、29.7万円(保険料7.2万円と、積立金22.5万円)を用意すれば、万一の場合にも、800万円台の収入が確保され」るとのことです(※6)。

いつ何時どのような形で見舞われるか分からない自然災害ですが、こうした国の支援制度などを活用して備えを万全にしておくと安心ですね。

【関連記事】地球温暖化で変わる日本の農業

 
※1 野菜の生育状況及び価格見通し(平成30年3月)について:農林水産省
※2 「気候変動適応計画」の決定について:農林水産省
※3 気候変動の観測・予測及び影響評価統合レポート2018(P3):農林水産省
※4 農林水産省気候変動適応計画のポイント:農林水産省
※5 農業の適応策(水稲、果樹):気候変動対応情報プラットフォーム(国立研究開発法人国立環境研究所)
※6 収入保険制度のポイント:農林水産省

上記の情報は2018年3月20日現在のものです。

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