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紙マルチ田植機で有機米作り!奥出雲での環境保全型農業

紙マルチ田植機で有機米作り!奥出雲での環境保全型農業

島根県仁多郡奥出雲町で除草剤などの農薬を使わず、地元の有機肥料のみで育てた「櫛名田姫米(くしなだひめまい)」を生産する安部傭造(あべようぞう)さん。就農当初から食の安全への意識を持ち、40 年以上にわたり有機栽培を追求しています。「紙マルチ田植機」の試作機開発にも協力したコアユーザーだからこそ話せる、紙マルチ田植機の魅力についてお話を伺いました。

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紙マルチ田植機の開発協力・導入にある、食の安全へのこだわり

40年以上前の1970年代に「有機米」の栽培を始めた安部さん。きっかけは、農作に欠かせないとされていた農薬に対する問題意識や、口にする食べものへの安全意識を追求したいという強い思いでした。

三菱マヒンドラ農機株式会社

1950年代から1970年代にかけて、欧米ではすでに有機農法に注目が集まり、「自然食」や「有機栽培」といった概念が広がり始めていました。自然の恵みをそのまま取り入れることを提唱した「マクロビオティック理論」の世界的権威・久司道夫氏の夫人が奥出雲出身というご縁も有機米栽培への後押しとなり、1987年 安部さんは有機米の未来を変える紙マルチ田植機の開発に協力することになりました。

敷いた紙の上から苗を植える、紙マルチ田植機とは?

有機米栽培における最大の課題は除草作業で、農薬を使用しない田んぼでは雑草との闘いです。導入前は、手取り、田車、鯉、ビニールマルチなど、さまざまな除草対策を実践してきました。現在、安部さんが使用している三菱マヒンドラ農機の「再生紙マルチ田植機」は、代かき後の田面に再生紙を敷き、その上から苗を突き刺すように植えていきます。

三菱マヒンドラ農機株式会社

40~50日の間、田んぼに敷いた再生紙が日光を遮断するので、雑草の成長が抑制され、田植え直後の除草作業を軽減することができます。また、紙を敷くために低水位にすることで、イネ紋枯病の菌を抑制することにもなっています。このように紙マルチ田植機は、除草剤などの農薬を使わない「環境保全型農業」における除草作業を軽減し、栽培面積を拡大することを実現する手助けとなっているのです。

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有機米作りに欠かせない他者との密接な“かかわり”

有機米栽培で最も重要なことは、「周囲の理解と協力だ」と安部さん。近隣の生産者が農薬や化学肥料を使用すると、必ず影響を受けるので、米作りに欠かせない水系の管理や、農薬の空中散布を止めてもらうなど、地域や行政との密なコミュニケーションが重要だといいます。

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そこで、有機農業グループを立ち上げ、機材の共有にとどまらず、さまざまな活動を展開。栽培ノウハウの情報交換や、行政との交渉、有機栽培に関する知見をさらに深めるための勉強会などを行っています。また、現在では環境NPOや大学などとも連携しながら「山から海まで、地元産の有機資材を活用した土づくり」を進めています。

有機米に対する消費者のニーズと「櫛名田姫米」

安全で安心して食べられる美味しいお米への消費者のニーズは年々高まっています。「消費者が求めていることに生産者が応えていく。安心・安全のお米を消費者に提供したいという生産者の思いと、消費者の求めるものが一致してきた」と安部さんは話します。

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有機農業グループが発展した「環境保全型農業推進ネットワーク 櫛名田姫」で栽培した「櫛名田姫米」は、味や品質へのこだわりはもちろん、使用する肥料にも工夫を凝らしています。使用する米ぬかや、竹パウダー(竹をパウダー状に粉砕して嫌気発酵させたもの)、海藻肥料などは、すべて地元産。それらは、香りが良いという「櫛名田姫米」の特徴を引き出し、独特な臭いがつきがちな家畜ふんをベースとした堆肥を使った有機米とは一線を画します。炊き上がりの香りとくせのない食べやすさからリピーターが多く、米飯店からの受注も定着しているといいます。

三菱マヒンドラ農機株式会社

紙マルチ田植機を使い続けてきたユーザーだからこそわかること

有機栽培では化学肥料や除草剤を使った一発肥料・一発除草とは異なり、年3回以上肥料を施したり、田起こしのタイミングの見極め、地面の均平を保つなど、きめ細かな対応が必要です。常に米作りへの高い意識が求められますが、「こまめに田んぼの状態をチェックすると、その分の楽しさも感じられる」と安部さんはいいます。

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紙マルチ田植機は、安全で確実に農薬を使用しない重要な栽培技術のひとつです。早期除草の軽減以外のメリットは、再生紙が溶解して肥料となり、窒素肥料の量を減らすことができる点などがあるそう。ただ、再生紙が生分解した後は、出てきた雑草を機械や手押しの除草機で中期除草していることや、農薬不使用を続けるためには後期除草も必要だと教えていただきました。

これからできること~同じ志を持った人の広がりを大切に~

近年、紙マルチ田植機に関心を持つ方や、実際に導入する生産者が増えているといいます。「これからも、安心・安全の有機米を生産していくためには、同じ志を持った生産者がお互いに情報交換や、協力しながら米作りをしていくのが理想」と安部さんは話します。

三菱マヒンドラ農機株式会社

さらに、「生産者たちとメーカーである三菱マヒンドラ農機が密に連携することで、日本での有機米作りはさらに発展できる」と安部さんからは「紙マルチ会」の構想の話題も…。有機米栽培の拡大には、支える人たちの思いがあってこそ。生産者とメーカーの消費者への思いが有機米作りを通して広がっています。


【関連リンク】

櫛名田姫米(47CLUB)

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