中南米原産のトウモロコシ
トウモロコシは夏場に旬を迎える野菜です。メキシコ・ペルーなどの中南米の熱帯地域原産で、マヤやアステカでも栽培されていたと言われています。現在でも中南米地域ではトウモロコシが主食で、また家畜の飼料としても利用されています。
日本へは、江戸時代にポルトガル船が「フリントコーン」と呼ばれる品種を伝えたのが始まりといわれています。その後、明治37年に甘味種の「ゴールデンバンダム」がアメリカから持ち込まれました。
現在の主流の品種は、甘くジューシーな甘味種(スーパースイート)です。黄色粒と白色粒が3対1の割合の「バイカラー種」と、黄色種のみの「モノカラー種」があります。近年では3色のものや白色の品種も出回っています。
鮮度の良いおいしいトウモロコシの見分け方
外皮の緑色が濃いもので、粒が隙間なく入っているものを選びましょう。頭部のヒゲが縮れていて、褐色か黒褐色になっているものが、おいしいトウモロコシの印です。皮を指で押してみて、少しへこむくらいのものが新鮮です。皮をむいてしまうと劣化が早いので、できるだけ皮付きのものを購入するのがおすすめです。
トウモロコシの保存方法
皮つきのまま冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。立てて保存するのがおすすめです。低温でも5日以上経つと、甘みや旨みが無くなってしまうので早めに食べましょう。
皮がむいてあるものは、ラップで包んでから保存します。茹でたあとに冷蔵保存や、粒を外して冷凍保存することも可能です。
トウモロコシの栄養
トウモロコシには亜鉛やビタミンB1、カリウムなどが含まれています。亜鉛は皮膚や粘膜を強くする働きがあるとされます。カリウムは高血圧予防やむくみの解消に効果が期待できます。またカルシウム、食物繊維なども含まれています。
トウモロコシの旬と時期
国内のトウモロコシ生産量のうち、北海道産が約半分近くを占めています。その他、千葉県、茨城県などで生産されています。出回る時期は6~9月と短く、北海道産は7~8月頃と、千葉県産や茨城県産よりもピークが少し遅めになります。
トウモロコシの下準備方法
トウモロコシは鮮度が落ちるのが早いため、調理の直前に外皮をむきます。ヒゲが残らないように手で取り除き、水を張ったボウルの中で洗います。新鮮なものは生で食べることもできます。
蒸す場合は、薄皮を2枚ほど残し、皮とヒゲごと蒸すとジューシーに仕上がります。電子レンジを使って簡単に加熱することも可能です。その場合は皮付きのまま2~5分加熱します。途中で上下の向きを変えましょう。
粒をはずして、かき揚げ、コロッケの具、フリッターなど様々な料理に活用できます。
トウモロコシの中の黒い粒は何?
トウモロコシの中に黒い粒が混ざっているものがあります。これは、原料のトウモロコシが他の品種と花粉交配し、重複受精したために変種になったものといわれます。加熱するとそこだけ黒褐色になることがあります。
トウモロコシの種類
モノカラー(黄色)
粒が黄色一色の品種です。糖度が高くジューシーなのが特徴。焼きトウモロコシなどに利用され、人気があります。
バイカラー
黄色粒3:白色粒1で、黄色と白色が混ざっているトウモロコシです。強い甘味があります。
ホワイト
ツヤのある白色の実が特徴です。小粒ですが皮がやわらかく、糖度が高い品種です。
三色コーン
黄色・白色・紫色の3色の実がなるトウモロコシです。モチモチとした食感があり、焼くとさらに風味が増します。
ベビーコーン
生食用のトウモロコシを若採りしたものです。ヒゲや薄皮ごと食べられます。
トウモロコシは甘みの強い甘味種が人気です。蒸しトウモコロシや焼きトウモロコシにして食べられています。出回り時期が短いので、ぜひ食べ比べてみてはいかがでしょうか。
参考:「野菜と果物の品目ガイド~野菜ソムリエEDITION」(農経新聞社)