巨大コンテンツとしての里山
中学生時代から専門の学者を取材して勉強
その経験から知ったのが、私有地問題、財源の不足、人手の不足など、農業を取り巻く多くの問題です。
一方でそれらの解決策を模索する過程で「里山」という概念に遭遇。その詳しい内容について猛勉強し、農学や環境問題を専門とする東大や京大などの教授・学者などに中学生時代からコンタクトを取り、取材をして回りました。
インターネットを使って起業
そしてそこから里山を一つの魅力的な巨大コンテンツと見なしたらどうか、と発想しました。経済効果も十分見込める事業にすることによって、環境の修復・保全にもつながると考え、この里山農業プロジェクトを企画。コストが削減でき、かつ全国を対象にビジネスが展開できるインターネットをツールに、事業をスタートさせました。
着実にブランド化
野田さんがウェブサイトを開設すると、共感を示した同世代の仲間が続々と協力を申し出てプロジェクトに参入。家族・友人もサポートし、学校も彼の活動に賛同しています。
そんな中、まずネット上でプロジェクトの存在と内容を訴求することが当面の最重要課題とし、仲間のアシストやアドバイスを受けてサイトの充実を図るとともに、2018年には初めてクラウドファンディングにも挑戦。目標額には届かなかったものの、複数の農家からの問い合わせや、環境問題の活動家からの協働の申し出が来るなど、広報活動として十分成果があったとし、着実にブランド化を進めています。
古き良き世界への回帰にテクノロジーをフル活用
資本主義経済・工業的生産システムが十分に機能していた20世紀。しかし、そのシステムに陰りが見え、人々は将来に不安を抱くようになってきています。
そんな中、20世紀をリアルタイムで経験していない若者たちは、上の世代がいまだに囚われている過去の常識から自由になった新しい世代と言えるでしょう。
近代化以前にあった、人間と自然環境とのバランスが取れた里山の世界へ回帰するために、インターネットの技術を活かして進行する里山農業プロジェクト。そこから立ち現れる「むかし未来」に大きな関心を抱かずにはいられません。