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トレビスってどんな野菜?栄養素・選び方・レシピ・旬な時期など解説

トレビスってどんな野菜?栄養素・選び方・レシピ・旬な時期など解説

海外ではよく食べられている野菜でも、日本では馴染みがないものがよくあり、トレビスもその一つです。トレビスはヨーロッパではよく食べられている野菜です。今回は、トレビスの特徴や栄養素について解説し、トレビスを使ったおすすめレシピを紹介していきます。

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トレビスとは?

トレビス

トレビスはヨーロッパ原産の赤紫色をした野菜です。見た目は紫キャベツに似ていて、別名赤チコリと呼ばれており、キク科の多年生野菜であるチコリの一種です。紫キャベツと似ているのは見た目だけで、味は全然違います。キャベツのように丸いもののほか、白菜のように細長いものもあります。

トレビスが日本に入ってきたのは1980年代になってからです。トレビスはもともと主に薬として使われていて、現在の栽培方法が確立され定着したのは15世紀頃といわれています。赤紫色なのは、日光を遮断することで本来日光が当たると緑色になる成分の葉緑素が抑えられているからです。

イタリア料理では主にサラダとして食べられています。チコリとは食べる部分が違い、チコリは芽の部分を食べるのに対して、トレビスは葉を食べます。

トレビスってどんな味?

トレビスは葉物野菜チコリの仲間で、チコリ特有の独特の苦みを味わえる野菜です。

レタスとキャベツの中間のようなサクサクとした食感なので、サラダやマリネなど生のままで食べることが多い傾向にあります。加熱すると苦みが増してしまうため、苦みを抑えたい場合は加熱せずに食べるのがおすすめです。

逆に、苦みを楽しむための加熱料理もあり、フライパンやオーブンで焼いて肉料理の付け合わせにしたり、パスタやリゾットの材料として使われることも少なくありません。

トレビスの種類は?

イタリアを中心にヨーロッパで好んで食べられているトレビス。さまざまな種類のトレビスが流通しており、1年中食べられている野菜です。ここからは、トレビスの主な種類について紹介します。

キオッジャ

キオッジャは、レタスのように結球型に育つタイプです。生産地であるヴェネト州のキオッジャから名付けられました。日本ではキオッジャのことをトレビスと呼ぶケースがほとんどです。

イタリアでは1年中見かける品種ですが、旬は秋から冬となっています。他のタイプより甘みが強く葉が柔らかいので、サラダなど生で食べるのに最適です。あまり火を通さずに軽くソテーして食べるのもおすすめです。

トレヴィサーノ・プレコーチェ

トレヴィサーノ・プレコーチェは、ヴェネト州トレヴィーゾ周辺で生産されているタイプです。日本で呼ばれているトレビスという名前は、トレヴィーゾのフランス語名です。白菜のような細長い形で、芯の部分は肉厚でサクサクとした食感を楽しめます。

トレヴィサーノ・プレコーチェも1年中流通していますが、旬は10月〜11月頃です。生でも加熱でも大丈夫なので、好みの調理方法で食べましょう。

トレヴィサーノ・タルディーヴォ

トレヴィサーノ・タルディーヴォも、ヴェネト州トレヴィーゾで作られている野菜です。旬は12月〜2月頃です。手間をかけて育てるタイプのため、他のトレビスより少し価格が高くなります。ほのかに苦みと甘みがあり、サクサクとした食感を楽しめます。

カステルフランコ

トレヴィサーノとチコリの一種であるスカローラの交配から生まれた野菜です。生産地はヴェネト州カステルフランコの地名から名付けられました。バラのような華やかな見た目が特徴。一般的にトレビスというと赤紫色ですが、カステルフランコはクリーム色の葉に赤紫色の斑点がついています。レタスに似た味わいで、繊細な味と香りが楽しめます。サラダなど生で食べるか、軽くソテーして食べるのがおすすめです。

ヴェローナ

ヴェローナは、ヴェネト州西部のヴェローナの特産品です。トレヴィサーノ・プレコーチェと味は似ていますが、少し丸い形をしています。ヴェローナも1年中流通する野菜ではあるものの、秋から冬の時期が旬です。

おいしいトレビスの選び方は?

トレビス

それではおいしいトレビスの選び方を解説します。一つ目のポイントは、葉っぱがみずみずしく、葉先が乾いていないものを選ぶことです。トレビスの葉はやわらかいため、なんとなくしなびているようにも見えますが、葉先を見れば鮮度が落ちているかどうかを確かめることができます。

二つ目のポイントは、持ったときにずっしりと重みがあるものを選ぶことです。葉っぱの巻き方がしっかりしていると、手に持ったときに重みを感じられます。

そして最後のポイントは、丸いタイプのトレビスの場合、葉っぱがボールのように球形にしっかり巻かれているきれいな形のものを選ぶことです。

形が整っていないものは、葉っぱの間に空間ができていたり、葉が中で縮れていることがあったりするので、葉がしっかり詰まったものを選ぶことをおすすめします。

トレビスの栄養素は?

トレビスにはどんな栄養成分が含まれているのでしょうか。他の野菜に比べて特別多く含まれているビタミンやミネラルはありませんが、全体的に少量ずつバランスよく含まれているのが特徴です。

その中でも比較的多く含まれているのがカリウムです。カリウムは、余分な水分を体内から出す働きがあるといわれています。また、体内で過剰となったナトリウムを体外へ排出する働きも期待されます。

トレビスを食べることは、健康維持に良い働きをもたらすことでしょう。

そしてもう一つトレビスに含まれる特徴的な栄養成分に、アントシアニンがあります。

ブルーベリーなどに多く含まれるポリフェノールの一種で、目の疲れの軽減などに効果があるといわれサプリメントとしても販売されています。

さらにアントシアニンには抗酸化作用もあるといわれ、美容の維持も期待できる栄養成分です。

トレビスの旬はいつ?

国産のトレビスは、11月〜3月頃が旬です。ただ、長野県で栽培されているトレビスは他とは異なり、6月〜10月頃が旬だといわれています。

また、イタリア産やアメリカ産の輸入物も国内に入ってくるため、トレビスは1年中流通しています。

トレビスのおすすめレシピ

1.サラダ

トレビス

トレビスをおいしく食べるための、おすすめレシピを紹介します。一つ目のレシピはサラダです。トレビスは生で食べるのが一番おいしく、きれいな赤紫色はサラダに彩りを与えてくれます。ほかの野菜やツナなどと一緒にドレッシングをかけて食べたり、肉や魚と一緒に付け合わせとして食べたりするのがおすすめです。

また、キャベツとレタスの中間あたりの食感ですから、ハンバーガーやホットドックの具材として使うのもいいでしょう。もちろんレタスの代わりにサンドイッチに使ってもマッチします。トレビスには少々苦みがあるため、味にアクセントを与えるにはもってこいの食材です。

2.グリル料理

トレビス

おすすめのトレビス料理の二つ目はグリル料理です。生で食べたときとはまた違った食感と味を楽しむことができます。方法はいたって簡単です。トレビスを縦半分に切って、そのままオーブンやオーブントースターで焼くだけ。グリルしたトレビスに、マスタードソースやガーリックオイルをかけるとおいしく食べることができます。

また、モッツァレラチーズや生ハムとの相性もよく、ワインのお供に最適です。さらに、グラタンを作るときに一緒にトレビスを混ぜて焼くと、ほろ苦い大人のグラタンになります。いつものグラタンに飽きたら、ぜひ試してみてください。

トレビスの保存方法は?

次にトレビスの保存方法を紹介します。収穫されてからどのくらい日にちが経っているかにもよりますが、トレビスの日持ちは1週間程度です。少しでも長持ちさせたいなら、正しい方法で保存しましょう。

乾燥を避けて野菜室へ

トレビスは乾燥に弱い野菜のため、ラップに包んだ状態でポリ袋に入れてしっかり密閉しましょう。保管場所は冷蔵庫の野菜室です。そのまま冷蔵庫に入れると、すぐに水分が蒸発して萎びてしまうので気をつけてください。

また、すぐに使う分はトレビスを刻んだ後、タッパーに入れて冷蔵庫で保存しても問題ありません。ただ、この方法ではトレビスがダメになりやすく、2日程度しか持たないので注意が必要です。できる限り料理するまでは刻まない方が良いでしょう。

冷凍庫でもOK

冷凍庫で保存する場合は、まずは鍋に湯を沸かし少量の塩を入れます。トレビスを1枚ずつ茹でたら、冷水に入れて冷ましましょう。茹で時間が長いと解凍した後に水っぽくなるので、さっと軽く茹でるだけで大丈夫です。

また余熱でも火が通ってしまうため、お湯から出したらすぐに冷水で冷ましてください。キッチンペーパーで水気を拭き取ったら、ラップで包んでから冷凍用保存袋に入れて保存します。

冷凍したトレビスを食べるときは、必ず加熱してください。

トレビスは家庭菜園できる?

トレビスは、家庭菜園でも栽培することが可能です。春に栽培しやすい野菜ではあるものの、少し寒さのある秋に栽培した方がきれいに色づいて苦みが少ない状態で育ちます。春まきは2月下旬〜3月下旬頃、秋まきは7月下旬〜9月上旬頃に行います。

トレビスはどんな土でも栽培できる野菜ですが、高温多湿の環境を嫌うので注意しましょう。

水はけの良い高めの畝を作るといった工夫をして、排水性に気をつけてください。

栽培の適性温度は15〜20度程度です。害虫に強い品種なので、手間をかけずに育てられるでしょう。

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