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バケツで稲を育ててみよう

バケツで稲を育ててみよう

自宅で手軽に始められる「ベランダ菜園」。料理のアクセントとなる香味野菜を簡単に育てられるのが魅力です。でも、実は意外な食べ物も栽培できるのです。たとえば、お米。水田など広々とした場所でなければ難しいイメージがあるかもしれませんが、実はバケツ程度の広さでも稲作は可能です。そこで今回は、自宅で挑戦できる稲作とその方法について紹介します。

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バケツで稲を作る、準備と進め方

稲作は場所と条件さえ整えば小さなスペースで行うことができます。例えば、全国農業協同組合中央会(JA)全中は、小学生を主な対象に「バケツ稲づくりセット」を配布しています。つまり、農業や野菜づくりに興味を持った人が、自宅のベランダなどで簡単に挑戦することができるのです。

それでは、自宅で稲作をする流れをみていきましょう。

<5月初旬:準備〜土作り>

ベランダ菜園で稲づくりをする際は、まずバケツと土を用意します。バケツは普段使っている大きめのポリバケツで構いませんが、安定した形のものがよいでしょう。その中に、園芸店などで買ってきた培養土を入れます。この土に肥料を混ぜておけば、収穫まで肥料をやらなくてもよいので、その後の栽培が楽になります。

<5月初旬:芽出し>

種もみは種苗店で買ってもよいですし、知人に農家の方がいれば少し分けてもらってもよいでしょう。シャーレなどの水を入れた浅い容器を使って、芽が出るまで育てます。

<5月中旬〜下旬:種まき〜バケツ植え>

種から芽が出たら、土に水を混ぜて作った泥の上にまきます。種の上には土をかぶせ、表面が湿るくらいの水を入れてください。その後、葉が増えたら根ごと苗を抜きます。育ちのよさそうなものを選んで集め、バケツの中心に植え替えましょう。これが、いわゆる「田植え」の作業です。

<6〜7月:稲の成長>

稲の茎が20本ほどになり、また丈が50cmほどになったらいったん水を抜き、雨などの水がかからない場所に移動させます。これを「中干し」といいます。土が乾いてバケツとの間に隙間ができるくらいになったら、また水を入れて稲を浸します。中干しをするのは、稲作の期間中に1回だけです。風通しのよいところで行うのがポイントです。

バケツ稲作のクライマックス、ついに稲刈りへ!


ぐんぐん成長する稲、いよいよ稲刈りへ。

<8〜9月:稲の花・穂出し>

8月ごろになると、いよいよお米になる日が近づきます。幼穂(ようすい)ができて茎がふくらみ、しばらくすると穂が出ます。茎が膨らみ始めてから穂が出るまでの間、水は5cmくらいに保ってください。穂が出た後は3cm程度に減らします。

穂が出るとほぼ同時期に花が咲き、受粉が行われます。その後、モミの中のでんぷんが固くなり、重くなります。稲穂が頭を垂れているのは、この重さのためです。

<10月初旬:稲刈り>

穂が出てから1カ月半ほどたち、9割が黄金色になったらいよいよ稲刈り! 稲刈りの前10日前からは「落水」と呼ばれる水抜き作業をして、土を乾かしておく必要があります。

刈りとった稲は根元が濡れていますので、縛って風通しのよい場所で干しましょう。ベランダなら、物干しが使えるかもしれません。5月ごろから始めた稲作が10月ごろにこうして完了します。

なお、スズメなどは稲をねらう敵ですので、食べられないように注意しましょう。自分で解決できないことが生じたら、インターネットで検索したり、近くのJAに相談したりするのもよいでしょう。

ベランダでのバケツ稲づくりを記録し、今後に役立てる


刈りとった稲は、脱穀し、モミすりを行って玄米にします。玄米食は人気ですので、そのまま食べてもかまいませんが、せっかくなので精製して白米にするのもおすすめです。白く輝くお米を目にすれば、喜びもひとしおでしょう。

バケツ稲作りは、作業に精を出し、成長を見守るだけでも楽しみ、学ぶことができますが、年間の作業を記録してみるのもおすすめです。バケツ稲作は小さいけれど、れっきとした農作業。「台風や雨の時どうしたか」「スズメや病気への対策」「水温」を生育状況とともに記録しておけば、次の年にまた挑戦する際に役立ちますし、農業や野菜作りの基本が少しずつ身に付きます。

バケツを置くスペースがあれば、簡単にチャレンジできる稲作り。育てる喜び、収穫したお米を食べる喜びに出逢えることはもちろんですが、私たちが主食にするお米のことをより深く知る機会にもなるのではないでしょうか。

<参考>
バケツ稲づくりマニュアル:JA全中
くらべてみよう昔といまのコメ作り:農林水産省

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