日本の未来を産業・社会を担う“農業”の在り方【NEXT AGRI CONFERENCEレポート:パネルディスカッション前編】

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日本の未来を産業・社会を担う“農業”の在り方【NEXT AGRI CONFERENCEレポート:パネルディスカッション前編】(2/2)

日本の未来を産業・社会を担う“農業”の在り方【NEXT AGRI CONFERENCEレポート:パネルディスカッション前編】
最終更新日:2020年02月05日

転換期を迎える日本の農業界。10年後・20年後の未来を見据え、マイナビ農業は2018年4月25日、「生産者」「農業支援 を行う企業・団体」「消費者」が一同に集い、『農業を考える活性化会議』を開催しました。「日本の未来を産業・社会を担う“農業”の在り方を考える」をテーマにしたパネルディスカッションでは、日本総研・三輪泰史氏をコーディネーターに迎え、生産者と農業支援企業が立場を超えた議論を繰り広げました。

田んぼで料理人と情報交換

三輪:先ほど、レストランとコラボレーションするイベントをやりたいというお話が合ったのですが、どのように始まったのでしょうか。

宮本:まず、野菜に力を入れている飲食店の方が、直接取引をしたいと弊社に来て下さった所が始まりです。そこから各料理長さんたちが田んぼに入って収穫体験をして…というところから、取引が始まっていきました。飲食店と農家の直接取引が、まだ普及していない時期でしたので、私も驚いたのですが、レンコンがどうやって田んぼで作られているのかが、まだまだ知られていなくて。「夏のレンコンってあるの?」とか「レンコンってこんなに甘いっけ?」、「夏は葉っぱがあるけど冬はどうなっているの?」など、沢山の質問を受けました。

シェフの方は、味付けなど調理の引き出しをたくさんお持ちなんですけれど、畑の様子のイメージまではインプットされていなかったんですよね。

そこで、「夏はまだまだ成長途中で、水分が多いので歯ごたえがシャキシャキですよ」「冬はほどよく水分が抜けてくるので甘みが際立ちますよ」というような情報を伝えることで、シェフがイマジネーションして、新たなレシピを考えて頂いた、というのが当初のきっかけすね。

三輪:農産物は、単価が安くてなかなか売っても儲からないという話を聞きますが、宮本さんはそうではないと思いました。商品だけではなくアイディアや情報、自分の名前自体をブランドの価値源泉とされていますね。

売り方の面で、プロの寺田さんにもお伺いしたいのですが、実際マルシェをやっていらっしゃるなかで、こういう農産物は売れる、プッシュしたいというのはどのようなものでしょうか。

寺田:見た目も良くて派手で、珍しさで引き付ける物が売れると思われがちですが、安定的に出店する農家が、呼び掛けや食べ方提案をしっかりとした物が売れます。そしてそこにストーリーがあるものです。定期的に開催して常連を作っていく、というのがまず大事です。

あと、マルシェはエリアごとに売れるものが違います。ビジネス街であれば、加工品が売れたりしますし、土日の住宅地では葉物野菜も売れます。エリアマーケティングというのを、どんどん自分たちでやりながら商品を改定していくことも大切です。

海外進出のシンプルな動機

三輪:貫井さんは、海外へも売り出されているというお話でしたが、手間や労力やリスクもありながら国外に出していくのはどういう心意気からでしょうか?

貫井:よく聞かれるのですが…売りたいから、です(笑)。農業の面白いところって、どの作物を作るか、そしてどう売るかは農家次第なんですね。手間と労力とそこからのリターンを考えたら、国内で取り扱ってくれるレストランを1つ増やした方が、会社としての直接の利益になりますが、そうではないチャレンジをしたいと思っています。

三輪:まさにチャレンジって、どんな産業でも必要なものです。今目の前にいるお客さんだけに営業していくと、ビジネスというのは将来的にシュリンクしますよね。貫井さんは、今まさに必要なチャレンジを前向きにされているのだと思います。

最近、インバウンド観光客の方がとても増えていると思うのですが、実際追い風になっていることはあるのでしょうか。

貫井:そうですね、私というよりは地方の生産者の方々は積極的に取り組まれています。インバウンドを目的とした施設を作る計画を持って、視察目的で香港にいらっしゃる方もいました。

三輪:宮本さんは、レンコンの輸出やインバウンド需要の取り込みを考えられていますか?

宮本:個人的に、タイとマレーシアへ視察に行ってきました。僕個人の見解ですけが、イチゴやブドウなどの果物は贈答用需要があるので、小売り価格が5倍、6倍になっても売れる。ただ、レンコンを含めた一般野菜が割高になったときの反応は、正直今は厳しいものだと思います。その打開策が見つかるまで、打って出れないなと思っている段階です。

三輪:今、マルシェにも沢山の外国人の方が来られると思うのですが、言語対応など課題とは?

寺田:インバウンド対応に関する課題は2点あって、一つは仰る通り言語対応、もう一つは決済対応です。出展者の中には、英語でポップを作っていらっしゃる方もいます。訪日客は、現金を持っていない方が多いんですよ。伝統野菜などの珍しい野菜や加工品、和食器などをお買い求め頂くのですが、マルシェは現金決済でクレジットカード決済には対応していないんです。一回、マルシェにカード決済を導入したことがあるのですが、オペレーションが大変でした。よりよい対応を考えていきたいです。

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