「野菜のセレクトショップ」yaotomiに学ぶ、本当に届けたい野菜とは

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「野菜のセレクトショップ」yaotomiに学ぶ、本当に届けたい野菜とは

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最終更新日:2018年09月11日

愛知県名古屋市を中心に、有機・自然栽培野菜の生産から流通・販売までを行う産直八百屋「yaotomi」。代表を務める犬飼亮(いぬかいりょう)さんが自身の舌で選んだこだわりの野菜は、多くの料理人や百貨店から人気を集めています。もともとは上場企業のサラリーマンだったという犬飼さんが八百屋を始めたきっかけは、「1本のキュウリ」との出会いだったそう。今回はそんな犬飼さんに、八百屋を始めたきっかけや野菜へのこだわりについてうかがいました。

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「野菜ってこんなにおいしいんだ!」きっかけは1本のキュウリから

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温暖な気候を活かした農業が盛んな、愛知県・知多半島。「yaotomi」は、南知多産の野菜を中心に販売を行っている会社です。主に、名古屋市内の飲食店・百貨店への流通や、インターネット通販を通し、お客さんに新鮮な野菜を届けています。代表の犬飼さんは、もともと上場企業に勤める経理マン。はじめは会社勤めをしながら、週末のみ軽トラックの移動販売で八百屋をしていたそうです。

もともとお祭りが大好きだったという犬飼さんは、地元のお祭りでは毎年太鼓などの楽器を演奏していました。ところがある年、演奏以外に何かお店を出そうという話が出て、キュウリの一本漬けを売ることに。「どうせならおいしいものを売りたい、おいしいものといったら無農薬かなと思って、無農薬で育てたキュウリで一本漬けを作ってみました。それを口にした瞬間、『野菜ってこんなにおいしいんだ!』と衝撃を受けたんです」。実際に、その一本漬けはお祭りでも大好評だったそう。なかには「1本食べた後、わざわざ自宅からビニール袋を持ってきて、『これおいしいから20本ちょうだい!』と、一晩のうちに2回買いに来たおばちゃんもいた」といいます。「それを見て、自分が口にした時に受けた衝撃が、自分だけの感覚でないことを確信しました。そこから、これはもっと多くの人に伝える価値があるんじゃないかと思い、すぐに軽トラックを買って、有機野菜の移動販売を始めました。yaotomiのストーリーは、1本のキュウリから始まったんです」。

第二の衝撃「トマピー」から、自身で生産も行うように

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移動販売を経て、店舗販売を開始した犬飼さんは、サラリーマンを辞めて本格的に八百屋に取り組み始めます。しかし、八百屋という生産者と消費者をつなぐ仕事を続けてゆく中で、ある分岐点が訪れました。「起業支援のプログラムで、アドバイザーから『農家側か消費者側か、どちらに立って八百屋を続けていくかによって、アプローチの方法が全く変わってきます。あなたはどちらをやりたいんですか?』と聞かれたことがありました。そのときはすぐに答えられませんでしたが、事業を続けながらじっくり考えてみた結果、やっぱりおいしい野菜って『作る』部分がしっかりしているからこそ、僕がキュウリから感じたような感動を、お客さまに届けることができるんじゃないかなって思って。農家側に立つしかないと思いました」。

農家に寄り添う八百屋として、おいしい野菜を作る農家を応援しよう、畑を守ろう、と決めた犬飼さん。もっと野菜の生産について知らなくてはならないと考え、流通だけではなく自らも生産に取り組み始めます。「野菜の生産と栽培に関する勉強をするため、店舗を閉め、卸売販売とインターネット通販に絞りました。産地に身を置かないと畑で何が起きてるかなんてわからないじゃないですか」。そんなとき、キュウリの一本漬け以来の衝撃、「トマピー」に出会います。

「トマピー」とは、ハンガリアパプリカと呼ばれる、扁平型のピーマンの一種。とあるきっかけでトマピーを作る生産者を紹介してもらった犬飼さんは、その方が作ったトマピーを食べた瞬間、「キュウリの一本漬け」以来の衝撃を受けたそうです。「『パプリカってこんなにおいしく育つのか!』と驚きました。その生産者の方は、愛知県の設楽町にある段戸山で取れる天然鉱石をわざわざ仕入れてミネラル分が非常に多い水を作り、野菜に与えていたんです。お水ひとつで、野菜の育ちがすごく変わるんですよ。このとき、『おいしい野菜を狙って作る』という考え方に初めて触れました」。

野菜を選ぶ基準はあくまでも「味」。その結果、有機野菜が集まった

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その後トマピーの生産を始めた犬飼さんは、農家が育てた野菜の他に、自ら育てた野菜の販売も行うように。生産で培った経験は、おいしい野菜を作る農家の見極めにも活かされているそうです。

「いい土壌が作れているかはもちろん、トマピーの生産者から学んだ、『狙ってその味を出せているのか』というのも見極めの重要なポイントです。たまに、まぐれでおいしい味が出せちゃうときってあるんですよ。まぐれのときは、おいしくなった根拠を聞いても明確に説明できない。でも、きちんと狙っておいしさを出せている農家さんは『今は土壌の状態がこうだから、こうしたらおいしく甘みが出る』とか、おいしくなった理由がきちんと説明できるんです。あとは、おいしくなる努力を続ける姿勢も大切ですね。毎年、畑面積の2割はいつもと作り方を少し変えてみるとか、たとえコストがかかっても、おいしいものを作ることに貪欲な農家さんは、おいしい野菜を作り続けることができると思います」。

そんなこだわりを持って野菜を選んでいる犬飼さんですが、実は「有機野菜」であることは、販売する野菜の選定基準ではないそうです。「いちばんの物差しは『味』です。あくまでも『おいしい』をメインに選んでいった結果、なるべく農薬に頼らない作り方をした野菜が、どうしても集まってしまうんですよ」。

現在は八百屋でありながら、水にこだわった「肌由来化粧品」の販売も行っているyaotomi。化粧品の取り扱いを始めたきっかけは、「キュウリ、トマピーの次に衝撃を受けたのがこの化粧品だったから」とのこと。常に感動ベースで新たな道を切り拓いてきた犬飼さん。次は何に衝撃を受け、そこからどんな新しい事業を生み出していくか、とても楽しみです。

株式会社yaotomi
画像提供:株式会社yaotomi

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