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『フライパンで米粉パン』著者に聞く、米粉で失敗しないコツ

『フライパンで米粉パン』著者に聞く、米粉で失敗しないコツ

最終更新日:2018年05月31日

最近、「米粉」という名前は目にするけれど、日常生活に取り入れるのは難しそう…なんて思っている方も多いのではないでしょうか。「コツさえ覚えれば、簡単です」と語るのは、今年4月にレシピ本『フライパンで米粉パン』(イカロス出版)を出版した、米粉コンサル・フードコーディネーターの高橋ヒロ(たかはし・ひろ)さん。入門編として最適な“米粉パン”を通して、米粉料理で失敗しないコツを教えてもらいました。

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べっちゃり重い“ういろう化”の原因は…?

「米粉」って、どこか“意識高い系の人”の主食のような気がして、自分とは遠い存在のように感じる方も少なくないのではないでしょうか。まさに筆者がそうでした。ましてや、自宅でパン作りなんて…とてつもなく高いハードルのように感じていました。

そんな思い込みが覆されたのは、国内外での米粉普及活動や連日満席の米粉専門料理教室を主宰し、4月に『フライパンで米粉パン』(イカロス出版)を出版した、高橋ヒロさんのアトリエにお邪魔した日でした。

玄関の扉を開けると、さっそく焼き立てパンの香ばしい匂いが漂ってきました。「よかったら食べていってくださいね。1時間前から準備しただけなんですよ」。わざわざ有難い…と、おもてなしに感激してスルーしそうになってしまいましたが、えっ、パン作りがたった1時間で?我に返って耳を疑いました。でも、特別なプロの技あっての時短なのでは?

「生地を混ぜたらフライパンに流し込んで、15分置いて発酵させて、ひっくり返して両面を焼いて出来上がり!です。忙しい働く女性でも、お弁当を作りながらお米を炊くように作れますよ」。所要時間は最短で50分。さらに、オーブンや面倒な二次発酵、成形も不要。小麦粉と異なり、グルテンを含んでいないので粘り気がなく、器具類の洗い物もラクラク‥‥と、よいこと尽くしだそう。何だか、自分にもできそうな気がしてきました。

焼き立てのパンは、しっとりフワフワ。「まるで“ういろう”みたいに重い焼き上がりになってしまった、という声を聞くことがあります。失敗してしまうのは、米粉、つまり原料であるお米の性質に合った作り方が出来ていないときです」と、高橋さんは話します。

メーカーや商品によって、米粉の性質は大きく変わるのだといいます。「アミロース」というでんぷん質の含有率や製粉方法の違いで、必要な水分量は変わります。この違いを意識せずに、米粉の種類が明記されていないレシピの分量通りに作ると、水分量が少なすぎたり多すぎたりして、失敗してしまうことがあるのだといいます。ちなみに、適量より水分が多いと“ういろう”のように重たく、少ないと固くなってしまうのだそうです。

セルフ実験で、米粉の性質を捉える!

「実験するとよく分かるんですよ」と、高橋さんが2種類の米粉を持ってきてくれました。30gずつを同量の水で溶くと、一つはシャバシャバとした水っぽい感じ、もう一方はボソボソとした感じになりました。

「小麦粉には『強力粉』や『薄力粉』といった分類があり、用途ごとに選ぶ習慣が浸透していますが、米粉にはない。でも米粉だって、原料のお米の種類や収穫年によって、使い道は違ってくるんです」と高橋さん。実験のうち、水っぽくなった方はふわふわのパン作りに、ポロポロとなった方はクッキー作りに適しているそうです。ただし、固めの米粉でも、分量外のお水を足してあげればパン作りは可能。米粉のタイプに合わせて、水分量を調節することが失敗しないポイントといえそうです。

著書では、手に入りやすく安価な大手メーカーの米粉を基準にしていますが、この実験を行うことでどんなメーカーの商品でも、適切な使い方を見極められるようになります。手間のようにも見えますが、この実験をすれば初めて出合う商品を使ったとしても、いつでもどこでも正しい使い方ができそう。ただし、著書では基本の米粉に加えて5つの米粉の適切な水分量が記載されているので、最初はそちらに従って作ってみると安心でしょう。

米粉チョコクリームパン

米粉でとろみをつけたチョコクリームを添えて

基本のパンをマスターしたら、様々な具をのせたり挟んだり、生地に混ぜたりしてアレンジするのも楽しみの一つ。著書には、ご飯のお供・しば漬けを生地に混ぜたり、栗の甘露煮をのせたりと、バラエティ豊かな64のレシピが記載されています。食材の水分をしっかりと切ることだけに気を付ければ、基本的に何を使ってもよいのだそう。きんぴらや肉じゃがなど、余ったおかずをのせてもOK。すぐ作れる子どものおやつとしても便利です。

きっかけは長男の小麦アレルギー

大手IT企業などを経て、独立して好きな料理の仕事を始めた高橋さん。米粉に向き合うきっかけは、現在5歳になる長男の小麦アレルギーを授乳中に疑ったことでした。当時は美味しい米粉パンが少なかったため、店頭やネット経由で取り寄せた約30種類の米粉を使って、同じ条件で焼き比べるなど徹底的に“実験”を敢行。「これが思いのほか楽しかった」と、振り返ります。単なる“アレルギー対応食”を超えた米粉の魅力を知り、簡単で美味しい米粉料理の専門教室を主宰するまでになりました。

「今では息子の食事制限も解禁になりましたが、未だに我が家には小麦粉がありません」と、話す高橋さん。米粉の応用力は高く、シチューなどのとろみ付けや餃子の皮、から揚げにお好み焼き、うどん…など何にでも使えるので、小麦粉を買う必要がないのだといいます。今でも長男は米粉パンが大好きだそう。料理教室には子どものアレルギーに悩むお母さんだけでなく、「余った米を活用したい」と米農家が相談に来ることも多いそうです。

イベントで米粉料理の講師を務める高橋さん

農林水産省による米粉普及事業関連イベントの講師をはじめ、日本各地で米粉の魅力を伝える高橋さん。グルテンフリーの美容・健康効果を認めながらも、「小麦粉VS米粉のような、どっちかが良いとか悪いという話はしない」というのがポリシーです。福岡でスイーツプランナーと共催した「小麦粉と米粉の食べ比べ会」では、それぞれの生産者を招いて、素材の違いや長所を参加者と学びました。「万が一、突然アレルギーになったり、食材が手に入らなくなったりしても、両方の良さを知っていれば選択肢が広がり、生活が自由で豊かになります」と、高橋さん。小麦を否定するのではなく、「日本のソウルフードだし、皆でお米食べよう!というノリでやっています」と、爽やかに話します。

米粉で皮を作った餃子と、こねる必要がなく30分で作れるという米粉うどん

5月下旬~6月中旬には、日本人が多く住むドイツ・デュッセルドルフで料理教室を催し、現地で手に入る米粉を活用した調理方法を在住日本人に伝えます。「コツさえつかめば、米粉を生活に取り入れるのは簡単。多くの人が気軽に米粉を使うきっかけを作って、ひいては日本のお米消費や自給率アップの応援になればいいなと思います」と、高橋さん。

思い立ったが吉日。まずはフライパンを手に取って、奥深き米粉ワールドの扉を叩いてみては?『フライパンで米粉パン』は、書店などで好評発売中です。

高橋ヒロさんプロフィール

料理家・フードコーディネーター  米粉専門教室「hiro-cafe」主宰
大学を卒業後IT企業に勤務するかたわら本格的に料理の勉強を始め、フードコーディネーターとして独立。食育、特に米粉の活用に取り組み、米粉関連の活動に専念。常に満席が続く米粉教室を開催中。 現在は書籍、雑誌、企業のレシピ開発、商品開発、飲食事業コンサル、講演を中心に活動中。 著書に、『米粉100%のパンとレシピ』(イカロス出版)、『 卵アレルギーの子どものためのおやつとごはん』(成美堂出版)など。
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