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いつでも新鮮なお米ライフを実現するための、新たなインフラづくり

いつでも新鮮なお米ライフを実現するための、新たなインフラづくり

食卓に、いつでも新鮮なお米を届けたい。そんな思いから、米びつに取り付けるセンサーを使い、適切なタイミングでの米の購入をサポートするサービスを展開する米ライフ株式会社。農家から直接仕入れた安心のお米が、精米したての新鮮な状態で届くのが魅力です。代表の富田航大(とみた・こうだい)さんは、「ご飯は毎日食べるものだからこそ、おいしくて安心できるお米を手軽に購入できるようにしたい」と話します。富田さんが目指す、「米のインフラ」について伺いました。

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無くなった頃にお米が届く、利便性を実現

──まず、センサーを活用したお米配達サービス「米ライフ」について教えてください。

自宅の米びつにセンサーを取り付けると、米の残量が少なくなった時、専用アプリがプッシュ通知で知らせ、次に食べる分の米の購入を促します。購入していただくと、精米したての米を自宅にお届けするサービスです。自宅の米を切らすことなく、いつでも新鮮な状態のご飯が食べられます。

具体的には、まず弊社が無料で貸し出している「米びつセンサー」を、米びつ内の上部に設置します。次に、スマートフォンアプリ「米ライフDash」をダウンロードします。センサーと連動していて、アプリ内で米の残量を見られるようになります。自分が設定した残量になったらプッシュ通知がくるので、米の買い忘れを防げます。

また、すぐに次が購入できるよう、米の紹介もします。米は私自身が実際に田んぼに足を運んで農家と話し、自信を持って仕入れています。購入していただけると、翌日には精米し、新鮮な米を家までお届けします。

今の米びつセンサーはまだβ版で、テストをしている段階ですが、数百人のユーザーに使っていただき、リピーターも増えています。

生産者の顔が見える、おいしいお米を食べてほしい

──サービスのポイントはどんなところですか。

顔の見える農家から買ったお米を、新鮮な状態で手軽に食べられるところです。

スーパーなどに売っているお米は、価格を下げるために産地の違う米が混ぜられているものが少なくありません。産地が違えば作っている農家も違うので、生産者の顔も見えなくなってしまいます。毎日食べるものなのに、どこで誰が作ったものなのか分からないまま口にするのは、おかしいのではないかと感じていました。

また、米は精米直後から少しずつ劣化が始まります。季節や種類にもよりますが、2週間ほど経つと劣化が顕著になり、米本来の香りや甘みが失われてしまいます。消費者がよりおいしい状態で食べられるようにするには、米の鮮度を保てるよう、流通させる側の工夫が必要でした。これらの課題を解決しようと、サービスを考案したんです。

米ライフは、私がお会いして信頼関係を築いた農家のお米のみを扱っています。間に業者を挟まず直接取引しているので、しっかり農家の顔が見える状態で米を買うことができます。また、注文を受けてから自社の倉庫で精米し、直後に発送するので、必要な時に新鮮な米が届くんです。劣化する前に、米本来の香りや甘みを楽しんで食べられます。

さらに、米をいちいち買いに行かなくてもいいよう、買い足す時期を通知し、その場で注文できるようにしました。重い米を頻繁に買いに行かなければならないのは大変です。そのため、必要な時にアプリから注文するだけで、自宅に補充される状態を作るようにしました。

──サービスを作るまでに、何が一番大変でしたか。

米びつセンサーの開発です。お米の残量がわかるようにするために、はじめは米びつから作ろうと考えました。しかしコストがかかり、わざわざ米びつを購入する人も少ないと思ったので、今のセンサーの形になりました。

スタートアップなので資金がなく、どうやったら予算内で製品化できるのか試行錯誤しましたね。センサーの基盤自体は専門の会社にお願いしていますが、ケースやアプリは自分で開発しています。一つ一つ、手作りでサービス化しました。

お米のインフラになる

──最後に、今後はどんなサービスの展開を考えていますか。

米ライフが、単なる通販サービスではなく、お米のインフラになることを目指しています。蛇口をひねったら水が出るように、サービスを使っている意識がなくても、新鮮な米が家に補充されるような状態が理想です。

米びつセンサーはまだβ版なので、もっとサービスを充実させ、ユーザーに喜んでもらえる形に切り替えていきたいです。

一つは、米のおいしさをより楽しめる体験を組み込んでいくことです。まずは、お米の種類を増やしたいと考えています。たとえば、地元のお米を食べたいという声が多いので、取り扱う米の種類を増やし、47都道府県を網羅したいと思っています。米による味の違いも楽しめるよう、いろいろなお米を食べ比べられる「利き米」の機会も提供したいですね。米のおいしさは、人によっても、その時の状況によっても変わります。個人の好みに合わせたものを届けられるようにしたいです。

もう一つは、利便性を高め、消費者のちょっとした手間を解消することです。たとえば、米の種類ごとに保管に適切な温度・湿度を把握し、鮮度を保てるような工夫を考えています。米びつセンサーでは、米びつ内の温度や湿度も観測しているので、集めたデータを分析して、消費者の快適なお米ライフのために生かしていきたいです。

また、メーカーや食品企業と一緒に新たなサービスも考えています。農家をはじめさまざまな人とタッグを組んで、よりよいサービスを追求していきたいです。
 
 
米ライフ

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