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カレーにはナンとチャパティ!〜世界主食発見!〜

カレーにはナンとチャパティ!〜世界主食発見!〜

最終更新日:2018年06月21日

世界三大穀物といえば、米(稲)、小麦、トウモロコシ。そのうちの二つ、米と小麦を主食とする国があります。それは、北と南で異なる食文化を持つ国、インド。広大な国土におびただしい人種がひしめくインドでは、南部では米、北部では小麦粉の食文化がそれぞれ形成されています。「世界主食発見!」第2回の今回は、その北部でおなじみの主食「チャパティ」を紹介します。

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インド人の常食はナンではなくチャパティ


世界の食文化にまつわる、私たち日本人の誤解は結構あります。例えば、インド料理と聞いて、私たちが真っ先に思い浮かべるのは、スパイスをたっぷりきかせたとろみのあるカレー。そのお供には、もちろん、ふんわり焼かれた白いナンです。

しかし、日本で主流のこのインド料理は、本国インドにおけるパンジャーブ地方の宮廷料理をモチーフとした、ペルシャ風のイスラム料理。インド人口の約80%を占めるヒンズー教徒(※1)の家庭において、日常的に食べる料理ではありません。そもそも、インドでは、ナンを焼くタンドール窯(筒形の土窯。窯底に炭火を置く)を備えている家庭自体、ごく少数といわれます。

インド北部で主食とされるのは、ナンではなくチャパティです。チャパティは、小麦の全粒粉に食塩を入れた生地を、わずか2ミリ前後の薄さの円盤状に伸ばし、鉄板で焼き上げた無発酵パンのこと。窯を使わずにフライパンで調理できるチャパティは、その手軽さもあってか、インドだけでなく、隣国のパキスタンでも食べられています。

※1 インド基礎データ:外務省

世界各地に伝えられた小麦

そんなチャパティの原材料でもある小麦は、世界最古の栽培作物。冷涼で乾燥した気候を好み、標高の高い地域でも育つなど適応性に優れているため、今日では世界各地で栽培されています。一説によれば、小麦の野生種が中央アジアで発見されたのが、今からおよそ1万年前。その後、長い歳月をかけて、インドをはじめ、ヨーロッパ、アジア、アメリカなど世界中に伝播していったといわれています。

古来より世界中で主食とされ、重宝されてきた小麦。1960年代には、第二次世界大戦後の途上国の食糧難をも救います。このとき、小麦は増収のための品種改良が行われ、劇的な増産に成功(これを「緑の革命」と呼びます)。

インドも例外ではなく、1960年から1980年の間に小麦の生産量は2倍に増加しました。ウッタル・プラデーシュ州やパンジャーブ州など主に北部で栽培されるインドの小麦生産量は、現在、中国に次ぐ世界第2位の地位を誇っています(※2)。

※2 世界いろいろ雑学ランキング「小麦の生産量の多い国」:外務省

全粒粉で作られる栄養豊富なチャパティ

チャパティを油で揚げた「プーリ」

全粒粉を使って作られるチャパティ。全粒粉とは、小麦の粒を丸ごと挽いて、粉状にしたもの。さらにいえば、小麦の粒から外皮や胚(根や芽になる部分)を取り除き、中の胚乳だけを粉にしたものが小麦粉。前述のナンは、この小麦粉から作られたパンです。

この全粒粉で作ったチャパティに「ギー」を塗り、カレーに浸すか、すくいとって食べるのが、インド流。ギーとは、牛の乳を乳酸発酵させバター状にしたものを加熱し、水分や不純物などを取り除いたものをいいます。ちなみに、チャパティを油で揚げたものは「プーリ」と呼ばれ、こちらもインドでは一般的に食べられている主食です。

香ばしく、独特の歯応えも楽しめる全粒粉は、食物繊維やビタミンも豊富で栄養満点。近年、日本でもその栄養価が徐々に注目されはじめ、パン屋に全粒粉のパンが並ぶことも増えてきました。ナンと同様に、チャパティが日本で広く知られるようになるまで、あと一歩といったところでしょうか。
 

参考
「インド 旅の雑学ノート 驚愕篇」
著者:山田和
出版:ダイヤモンド社

「インド(目で見る世界の国々 12)」
著者:メアリー・M. ロジャース(著)、小倉 泰(翻訳)
出版:国土社

「コムギの食文化を知る事典」
著者:岡田哲(編)
出版:東京堂出版

「ムギの大百科(まるごと探究! 世界の作物)」
編集:吉田久(編)
出版:農山漁村文化協会

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