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女子アナが農業に挑む!人気農業ラジオ、MCトリオの素顔【前編】

女子アナが農業に挑む!人気農業ラジオ、MCトリオの素顔【前編】

農作業の友といえば、ラジオ!インターネットラジオが普及したいま、各地で放送される農業番組は、楽しくタメになる「情報源」です。大分県のローカル局OBS大分放送の「おはようサンデー 教えて!農業」は、今年で放送9年目の人気番組。県内外の農業者をゲストに迎え、3人のMCが熱い農業話を繰り広げます。番組を盛り上げる山崎唯衣(やまさき・ゆい)アナウンサーらMCの素顔を探りました。

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制作担当の大田さん、山崎アナ、矢田さん(左から)

番組を盛り上げるのは、今年4月から番組の顔を務める入社2年目の山崎アナウンサー、シナリオライティングなど企画・制作を手掛ける大田一郎(おおた・いちろう)さん、そしてゲストを和ませる‟番組の爺”こと矢田照久(やだ・てるひさ)さん。アットホームな雰囲気で迎えた、農業者らゲストは県内外の約600人(※のべ人数)。
ときにはスタジオを飛び出し、畑や牧場へマイクを持って突撃、臨場感あふれるロケを敢行します。インタビューの前編では、そんな3人と農業との出合いについて伺いました。

新顔・山崎アナの農業本気度は、120%だった

マイナビ農業(以下、マイナビ):MCの皆さんと農業との関わりについてお聞きしたいと思います。
山崎さんは学生時代、大分大学でシイタケ原木の害虫について研究をされていたそうですね。害虫のハラアカコブカミキリを「ハラアカちゃん」と呼んで愛でていたとか。

山崎アナウンサー(以下、山崎):そうなんです。シイタケの原木を食べてしまう虫について研究していました。

矢田さん(以下、矢田):そうなんだ!初めて知った。

マイナビ:すごいですね、大分らしい。(※大分県は、日本一の乾シイタケ生産地)

山崎:そうなんですよ。生産者の方から大学に依頼があり、研究していました。もともと虫の研究がしたくて、大分大学へ入学しました。

矢田:(山崎アナの故郷の)熊本に虫が多かったけん、何とかしようと思ったんやろ。

山崎:そうです、家に虫しかいなかったから(笑)で、地域貢献もできたらいいな、という2つの思いが合致して、ハラアカちゃんの研究になりました。ギーギーと鳴いて、ブリキのおもちゃみたいな動きをするのが何とも可愛いんですよ!

マイナビ:入社前から、農業に親しみを持っていらっしゃったのですね。

山崎:はい、実家が農家なんです。

マイナビ:そうなんですね!ご実家では何を作られていたのですか?

山崎:基本的にはお米で、あとは自家用の野菜・果物です。

マイナビ:そんなバックグラウンドもあって、今回抜擢されたのですね。番組を担当すると初めて聞いたとき、どのような気持ちでしたか?

山崎:実は大学時代から、インターネットラジオ「radiko」のタイムフリー(※インターネットを通じて、放送終了後も聞くことができる機能)を使って、ずっとこの番組を聞いていました。この番組を担当するのは、入社してやりたいことの一つだったんです。

マイナビ:2年目にして夢が実現したのですね。

山崎:そうなんです。だから、「よし!」(ガッツポーズをして)という気持ちでした。

<出演者プロフィール>

◆山崎唯衣アナウンサー

1994年生まれ、熊本県出身。大分大学卒業後、2017年にOBS大分放送へ入社。同局のテレビ・ラジオ番組を複数担当、今年4月からは冠番組「おはようサンデー 山崎唯衣の教えて!農業」のパーソナリティを務める。「ゆいもん」のニックネームで、視聴者から親しまれている。当番組では、「教えて」の姿勢でゲストの農業者に質問を投げつつ、進行役を担当。

◆矢田照久さん

1950年生まれ。長寿番組「週刊ラジオマガジン いつもsomething new classic」の編集長として、県民に親しまれる。「教えて!農業」では‟番組の爺”を自任、潤滑油の役割を務める。大分舞鶴高-早稲田大学を卒業後、76年にアドバンス大分入社。編集畑を歩み90年に退社、広告代理店(株)ピースカンパニーを設立し代表を務める。趣味の野球では、部員76名の草野球チームを率いる。

◆大田一郎さん

大学を卒業後、日本実業出版社に入社。西日本産業株式会社へ転じ、主に九州管内で農業資材の開発、営業を担当。2009年からは農業記者として、(株)ピースカンパニーに所属し、食や農に関するイベント、広告、放送番組等の企画・制作を手掛ける。県内企業の農業資材開発、商品開発アドバイザーも務める。
共同研究:ユズ果皮が持つ抗アレルギー能と隔年結果の改善(2009年:大分大学)
セミナー: 農で生きる・農で生かす(2012年:大分大学)、昨今の農業ブームについて考える(2014年:大分県農商工連携センター)

農家さんに救われた駆け出し時代

大田さん(以下、大田):私は大学卒業後、東京の出版社で働いたのちに、Uターンで親元に戻って、農業資材関連の仕事をしていました。正直に言うと、当初はあまり気持ちが向く仕事ではありませんでした。それが、九州の農業現場を一年間周るなかで、段々と農家の方々に魅かれていきました。

マイナビ:どのような部分に魅かれたのでしょう。

大田:農家さんの人間味というのかな、ビジネスマン時代とは全然違っていました。農家さんに元気付けてもらうことが多々ありました。
大分の生産者って個性的な方が沢山いるんです。なのに、熊本や宮崎などアピール上手な他県に比べて、大分の農業は大人しいという印象があります。だからこそ、力を入れてアピールしたいと考えたところ、縁あって大分の農業の魅力をPRする番組を作ることになりました。

矢田:ゲストのキャスティングは大田くんがしてくれていますが、彼が連れてきてくれるゲストは本当に面白い方々ばかり。

大田:今までのゲストの方で、面白くない方はいなかったですよね。本当に皆さん、予想以上にお話し上手。
最近は変わってきたのかもしれないですが、昔ながらの農家のイメージって、「寡黙で小難しくて、あまり喋らない」というものでは。
ところが実際は、マイクを向けるとよく喋って下さるのです。何を聞いても、彼らの言葉は誰のものよりも重みがあって、(受け手へ思いが)伝わるんですよね。毎回面白い回ばかりで、(放送時間の)30分じゃ足りなくなります。

大田:農業資材を扱っていた時代の人脈で、ネタには困らないかなと思っていたのですが、実は番組開始から1カ月でネタが尽きましてね。農協の方や農業友達から情報を貰いながら、自分で大分の農業を取材して回りました。

矢田:そんな不安なスタートやったんや。俺に隠してたな。

大田:(笑)そのうちにどんどん新しい人と出会い、若手農家さんなどからお知り合いを紹介してもらうようになりました。放送9年目のいまは、取り上げたいネタと次から次に生まれてきて、逆に絞る方が大変という状況です。

初めてお会いしてから番組出演が実現するまでが、結構長いこともあります。農繁期が重なると、「ではまた来年のタイミングに…」ということになってしまったり。積もり積もってやっとお会いできました、という方も少なくありません。

矢田:マスコミって普通は、旬の話題を取り上げたいじゃないですか。でも大田くんは農家の現場事情をよく知っているから、生産者さんが一番忙しい日に収録がバッティングしそうになると、キャスティングを変えるという姿勢です。

大田:でも、よく来てくれるなぁという思いです。

矢田:この人はクソマジメ。ゲスト出演者の紹介を受けても、電話だけじゃ済まさずに、まず出向きますからね。そのまま当日来てもらって、ハグすればどうにでもなるのに。

山崎:ええっ!

大田:こうやって脱線するから、時間が足りなくなるんですよ(笑)だから、「もう一回出させてください!」とリベンジされる方もいて。最多で5回出演して下さった方がいます。

ある方は地域全体の農業について熱く語って下さるうちに、自分の農業について話す時間がなくなってしまって、また出たいと言って下さったり。話し好きな農家さんというのは、多い気がします。

矢田:そういうゲストと話すのは、楽しくてしょうがないですよ。

ゲストが丸裸になる あのコーナー

マイナビ:矢田さんは、21年続く他の番組でも「編集長」として、県民に親しまれていらっしゃいますが、農業と深く関わられるようになったのは、この番組からとのことですね。

矢田:自分の番組を大田くんが聞いてくれていて、一緒に番組を作ることになりました。実は最初は、音楽番組を作ろうとしていたんです。彼がまた、音楽が本当に好きなんですよ。しかし、二人でいろいろ挫折した。その挙句、「皆さんのお役に立つ番組を作ろう」ということで、農業情報という真面目なところにいったわけです。

山崎:最初は音楽番組をやりたかったんですね!

大田:当初は音楽番組の一部に、農業情報を入れようかと思っていたんですよ。それが逆転して、農業90%、音楽10%になりました。

山崎:だから番組の中では必ず一曲、ゲストからのリクエスト曲を流すんですね。

マイナビ:あのコーナーはとても良いですよね。ゲストの人となりが垣間見えて。「意外と可愛らしい曲を選ぶんだな」とか。

山崎:そうなんですよ!先日、広島県ご出身の安東隆(あんどう・たかし)副知事がゲストでいらしたのですが、カープの応援歌をリクエストされました。

大田:人の音楽の好みって、人柄や興味の方向がものすごく反映されます。JA大分中央会の二宮伊作(にのみや・いさく)会長がお正月にゲストでいらしたときは、すごくお洒落なジャズを選曲してくれました。それまでは農業の硬派なお話をされていたので、そこでイメージがガラッと変わりました。

山崎:自分で曲を作っていらっしゃる農家さんが、自作の曲を流してほしいと持ち込んでくれることもありました。

大田:カリスマ的なロッカーで、TOKIOのプロデュースもされた和気優(わき・ゆう)さんという方が、いま大分で農業をやってらっしゃるんですよ。ギターを持って番組に来てくださいました。音楽と農業のコンビネーションも良いなぁ、と思わされます。

***

3人の軽快な掛け合いで進む取材風景は、番組そのものでした。インタビュー後編では、山崎アナウンサーらMC陣の知られざる努力や、個性的なゲストたちとのエピソードをお聞きします!

>>インタビュー後編はこちら

【関連リンク】
おはようサンデー 山崎唯衣の教えて!農業 – OBS大分放送
日曜 AM8:00~8:30放送

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