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【第1回】農業法人化を知る!法人化の意義・メリット

【第1回】農業法人化を知る!法人化の意義・メリット

最終更新日:2018年07月13日

近年の農業界では担い手不足を主な要因として、農業経営体数は減少の一途をたどっています。一方で、農業サービス事業体等を含む法人経営体の数は増加傾向で、ここ十余年の間で農業法人化は急速に進んでいます。今、注目すべき「農業法人化」について、設立から運用上の要点について連載でお伝えしていきます。今回のテーマは「法人化のメリット」です。かつては節税対策が主となっていましたが、現在はそれぞれの事業者によりメリットも多岐に渡ってきています。特に農業経営においての側面から法人化のメリットをご紹介します。

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法人化のメリットは主に経営面にあり

農業経営の法人化のメリットは主に経営面にあり、まとめると以下のようになります。

・ 経営発展の可能性の拡大(人材確保による事業展開)
・ 農業従事者の福利厚生面の充実 (社保等の加入、内部規程の整備)
・ 事業継承の円滑化
・経営管理意識の向上(意識改革・家計と経営の分離)

その他、法人化により新規就農の初期負担を軽減するなど、地域農業としてのメリットや、税制での優遇・融資限度額の拡大(農業経営基盤強化資金<スーパーL資金>の貸付限度額:個人3億円、法人10億円)など制度面でのメリットもあげられます。

今回は、主に注目すべき経営上のメリットについて詳しく説明していきます。

法人化の目的は「節税対策」から、「人材確保のため」へ

農業経営の法人化に求められているニーズは、この数年間で変わってきました。そのニーズを見る場合、一つの農家が法人化する一戸一法人の場合と、共同経営のような複数戸による経営の法人化とは明確に分けなければなりません。

一戸一法人の場合の法人化のニーズは、かつては節税対策の色合いが強いものでした。そのため、経営規模や売上金額の大小で法人化の是非を決める傾向にありました。

しかし近年は、人材確保のために法人化する経営者が増えています。
経営の内容は変わらずとも、〇〇会社と冠することにより、働き手からは安定した事業体と見られる効果は高いため、人材確保の効果を得る可能性が高くなります。ある農業系の大学では、就職活動初期の頃は法人・個人事業者とも多くの求人がありましたが、就職活動が終盤に差し掛かる頃に残っているのは個人事業者の求人がほとんどという事例も見られました。このように、求人情報で“株式会社○○農場”と“○○農場”(個人経営)があれば、やはり前者のほうに応募は集まる傾向にあります。また、社会保険等の加入義務化も働き手にとって大きなポイントとなります。雇用環境の整備により、従業員の労働意欲向上も期待できるのです。

事業継承を円滑化するための法人化

事業継承対策の一環として法人化を検討するケースも、近年増加傾向にあります。
一戸当たりの耕地面積や生産規模が拡大するなかで“機械化による省力化”も進んでいますが、人材の活用も切り離せません。農業の魅力が見直されてきた昨今、農業を継ぐことを希望する複数のお子さんがいる場合は、どちらを後継者にするか経営者としては実に頭を悩ませるところでしょう。このように兄弟で農場を継承する場合も法人化は有効です。
例えば、長男が数年前に帰ってきて後継者として就農、その後次男も帰ってきて就農する場合を考えてみましょう。個人経営の場合はどちらか一方が事業主となりますから、長男が事業主となったら、次男は専従者として事業主に雇われる立場となります。同じような仕事をしていてもその立場の違いは歴然ですし、次男がいくら頑張ってみたところでその立場が逆転するわけでもありません。
しかし法人経営であれば、2人とも役員として経営者の立場を確保することが可能です。例えば長男は社長、次男は専務として、場合によっては複数で代表権を持つこともできますし、任期を定めて交代することも可能です。法人化によって兄弟が互いを経営のパートナーとして機能させることができれば、比較的スムーズに事業継承することができるでしょう。

経営管理意識を向上させ、法人化のメリットを最大限に活かす

「経営管理意識の向上」の取り組みについて例を挙げるとすれば、家計と経営の分離ができることです。個人事業者として同一の口座から事業費と生活費と支出している場合などは、経営状態が黒字なのか赤字なのか不透明になりがちですが、法人化によって家計と経営を分けることは、そのような状況を打破し、経営管理意識の向上の第一歩になると言えます。ただし、あくまで法人化を活用して経営を向上させていこうという意識を本人が持っていなければ、この目的は達成できないでしょう。

また、節税対策を法人化の一番のメリットとして考えているならば、生産規模や売上金額が小さければ、それほど効果は大きくないでしょう。しかし、雇用対策・事業継承対策・対外信用力の向上・金融対策などの目的を重ねるならば、規模や売上金額の大小は関係ありません。自身が求める法人化のメリットを享受するには、その目的の設定が大事であり、経営体が向かうべき5年後、10年後のイメージに沿って目的を考えておかなければなりません。このように将来のビジョンを持つことで、経営管理意識を向上させることに繋がります。

多くの面で“経営上の選択肢が広がる”というのが法人化メリットですが、そのメリットを最大限に活かすためには、経営管理意識を高めていかなければならないのです。

今回は、法人化の経営上のメリットについてお伝えしました。人材を確保していきたい事業者の方や、事業継承を検討している方は、経営目的を円滑に達成するための一手段として「法人化」を検討してみてはいかがでしょうか。

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