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【第2回】農業に向くのはどの法人形態?その特徴を探る

連載企画:明日を拓く農業経営

【第2回】農業に向くのはどの法人形態?その特徴を探る

最終更新日:2018年10月10日

前回の記事では、農業分野において法人化が急速に進んでいる現状と、そのメリットとして雇用促進や福利厚生面の充実による経営規模拡大などがあげられることをお伝えしました。この記事を読まれている方の中でも、先にあげたような理由で法人化を検討している方も少なくないでしょう。連載の2回目となる今回は法人形態の違いについて、農業分野で設立されることが多い三形態を解説します。実際に法人設立を検討する際に、「自分たちに合った法人形態は何か」を考えてみましょう。

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法人形態の種類について

まず、一括りに法人といっても様々な形態があります。
営利法人すなわち利益追求を目的とする法人は、株式会社や合同会社などがあり、一方で非営利法人は、NPO法人や一般社団法人などがあげられます。また、参考までに有限会社という形態は、2006年の新会社法施行により、現在では設立することが出来ません(現存の有限会社は、それ以前に設立された会社です)。
今回は農業分野で設立されることが多い株式会社と合同会社、農事組合法人をピックアップし、要点を説明していきます。上記の表もご参照ください。

株式会社とは

株式会社とは、出資者から資本金として出資を受け、資金を調達することが出来る形態の会社です。出資者には株式が発行され、株主として会社を所有することとなります。会社の重要事項を決定する株主総会の議決権は、一般的には株式数によるため、株式を多く持つほどに権限は増すことになります。一方、実際に会社を経営していく役員は、株主総会の決議を経て選任されます。株主が、役員を選任・解任する権限を有しています。つまり、所有と経営の分離が可能なのが株式会社の特徴です。
ただ、農業に限らず、中小企業はその多くが、「家族=株主(所有)=役員(経営)」となっているのが現状です。設立時には、この部分も念頭に置き株主や役員の構成を考えると良いでしょう。

合同会社とは

合同会社と株式会社との違いは、出資者がそのまま会社の経営者になることが一つの特徴として挙げられます。様々な人から出資してもらうことが可能な株式会社と違い、合同会社は会社の経営者が出資し合います。つまり、所有と経営が一致しているのが合同会社の特徴です。併せて、会社の重要事項を決定する社員総会の議決権も、出資額に関係なく一人一議決権と平等です。
株式会社と比較してのメリットは、定款の認証が不要であるなど設立時の費用を抑えられることです。一方デメリットは、日本では社会的認知度が株式会社より低いということが挙げられます。これは対外的信用力にも影響するので、ポイントの一つとなるでしょう。

農事組合法人とは

株式会社や合同会社と異なり、農事組合法人の出資者は原則として農業者に限られ、人数も3人以上必要です。出資者は組合員と呼ばれ、役員もこの中から選任しなければなりません。合同会社と同様、総会における議決権は一人一議決権と平等であり、かつ所有と経営が一致しているのが特徴です。また、行うことが出来る事業の範囲も農業関連のものに限られています。
メリットとしては、農事組合法人が得た所得のうち畜産業を除く農業所得に対して、要件を満たせば事業税が非課税となることです。もう一つ大きな特徴として、農事組合法人では、組合員への報酬の支払方法を、給与制にするか従事分量配当制(※1)にするか、選択することとなります。それぞれ一長一短があるので、どちらを選ぶべきか見極める必要があるでしょう。

※1 組合員がその事業に従事した程度に応じて、農事組合法人がその組合員へ報酬を分配する制度

どの法人形態を選択するか

合同会社の形態が合う場合

1.会社の設立費用を安く済ませたい
2.議決権の平等さは保ちつつ、経営の自由度も保ちたい
3.日本国内での社会的認知度の低さはあまり気にしない
4.出資者すなわち社員の議決権を平等にしたい

農事組合法人の形態が合う場合

1.法人の設立費用を安く済ませたい
2.外部雇用を多く採用することは考えていない(家族従業員の方が多い)
3.出資者すなわち組合員の議決権を平等にしたい
4.納税負担を少しでも軽減したい(事業税の軽減)
5.農業以外の事業展開をする気はない

どちらにも当てはならないときは

上記のどちらにも当てはまらない方は、株式会社を選択するのが適していると考えます。株式会社は総じて、機動性の高いスピーディな経営展開を行うことが可能です。一方で、合同会社・農事組合法人は従来の地権者としての平等性を保持することが可能と言えます。
今回は、法人化する際の法人形態について解説しました。自分たちの事業にとってどの法人形態が最適なのか、いろいろな角度から検証し、見極める必要があるでしょう。
 

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