地元の乳製品を身近に 高付加価値商品を開発
オホーツク海岸沿いに位置する興部町。総面積の約75%が森林・原野で、緑豊かな大地が広がります。酪農業を基幹産業とする第一次産業の町です。
興部町の市街地を抜け、国道239号線を名寄方向に向かって走ると「ミルクホール」の看板が目に飛び込んできます。およそ乳牛50頭、育成牛50頭を飼育。農薬や化学肥料などに頼らないオーガニック認証の牧草によって、放牧主体の循環型酪農が実施されているのが「ノースプレインファーム株式会社」です。
全国的に有名な「オホーツクおこっぺ有機牛乳」をはじめ、搾りたての牛乳の味を大切に作っている「ナチュラルチーズ」に代表される乳製品を生産・販売。また、農場直営レストラン「ミルクホール」をオープンさせるなど、生産から販売まで付加価値を付けた酪農に取り組んでいます。
興部町は、酪農が盛んな地域ですが、学校の給食では他地域から運ばれてきた牛乳が配られていました。小学生の頃、「どうして地元で搾った牛乳が出ないのだろう」と疑問に思ったのは、創業者の大黒宏社長。「地元の人たちに地元の牛乳を飲んでもらいたい」という思いを形にし、昭和63年にノースプレインファーム株式会社が誕生しました。
大規模化を追求せずに、循環型酪農に立脚し、酪農家自らが牛乳・乳製品の製造販売を始めました。ガラスびんに詰めた牛乳を町内に配達することからスタートし、平成7年には、町内の学校給食への納入が実現しました。生徒数の減少などにより休止しましたが、約20年にわたり町内の小中学校の給食で「おこっぺ牛乳」が愛飲され、保育所、幼稚園では今も継続されています。
このほか、チーズやバターの製造・販売許可を取得し、直営のレストラン「ミルクホール」をオープン。その後も、旭川市の「エスペリオ」や首都圏(横浜市や鎌倉)などに姉妹店として展開しています。
ノースプレインファームが目指す姿の一つは「1頭1雇用」。それは、生産から販売まで付加価値を付けることで、1頭当たり1人の雇用を目指そうというものです。現在では、50頭の搾乳で38人の雇用を可能にしており、商品に高付加価値を付けることで雇用の拡大につながることを証明しています。理念に賛同し、道外からも仲間が加わり、酪農や商品開発、販売を行っています。
有機酪農への挑戦 「原料から商品まで一貫した安心・安全」を目指す
生産者が自ら加工販売する6次産業化は、同時に消費者への責任をより直接的に感じることでもあります。消費者が安心しておいしい牛乳を飲むことができるよう、農薬や化学肥料を使用せず、堆肥を畑に循環する土づくり草づくりに取り組み、牧草主体の飼養管理による循環型酪農を長年実践してきました。
この基礎を一歩進め、平成25年に自給飼料(牧草、デントコーン)の有機JAS認証を取得。翌年、この有機飼料で飼養した牛たちから搾った生乳とその加工食品について有機JAS認証を取得し、乳牛のエサから最終商品まで一貫してつくりあげたオーガニック乳製品が誕生しました。
数ある商品の中、山崎さんから「オホーツクおこっぺ有機ヨーグルト」と「おこっぺ醗酵バターケーキ」をお勧めいただきました。
「オホーツクおこっぺ有機ヨーグルト」は、ミルクのリッチな味わいが特徴。4種類の乳酸菌の働きで、牛乳の甘みとコクが柔らかな酸味となります。濃厚ながらも、爽やかで、甘さ控えめの商品です。
原料には、新鮮な有機生乳と北海道産のてん菜だけを使っています。
「おこっぺ醗酵バターケーキ」は、多くのファンから人気の発酵バターを最大限に生かしたスイーツです。拡張剤などの添加物を一切使わずに焼き上げた逸品です。
新鮮な生乳の良さを最大限に生かし、ごまかしのない安全・安心の食品づくりが首都圏の方にも認められ現在、同社の商品の売り上げのうち、半数近くが道外です。
「大地も草も牛も人もみんな健康」をキャッチフレーズに、循環型農業、農業をベースにした持続可能な地域づくりなど、社長の大黒さんの思いが少しずつ定着しています。
商品は、オンラインショップから購入可能です。
オホーツクの自然から生まれた、安心の乳製品をぜひ一度ご賞味ください。
ノースプレインファーム株式会社
住所:紋別郡興部町字北興116⁻2
電話番号:0158⁻88⁻2000
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