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乗馬インストラクターから有機農家に 20代夫婦が目指す畑と馬の融合

乗馬インストラクターから有機農家に 20代夫婦が目指す畑と馬の融合

最終更新日:2018年10月11日

神戸市西区で有機農業を営む「なちゅらすふぁーむ」の石野武(いしの・いさむ)さん、由佳子(ゆかこ)さん夫妻。勤務していた乗馬クラブを2人で辞め、2014年に就農しました。現在も週1回はアルバイトに行き、それ以外の日は大雨でも農作業を欠かさないという武さん。新規就農の苦労や「畑と馬」に託した夢を武さんに伺いました。

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結婚して乗馬クラブを退職、農家になる

乗馬クラブでインストラクターをしていた頃

──なぜ石野さんは農家になったのでしょう。
僕は以前、乗馬クラブでインストラクターをしていました。乗馬クラブで知り合った妻と結婚し、今後のことを話し合うなかで、妻から「オーガニックで農業をやりたい」という提案があったんです。妻の祖母が岡山県の農家だったので、「おばあちゃんがやっていたような、自然を大切にする農業を私たちもやっていこうよ」と。

──それですぐに就農を決意したのですか。
僕も自然が好きなので「農業も面白そうだな。畑で馬を飼うこともできるかもしれないし」と夢が膨らみ、とにかくやってみることに決めました。農業をやるなら無農薬にこだわりたい、というのは最初からありましたね。

──周囲に反対されたりは。
義母の反対はありました。僕は今29才なのですが、小さい子供もいますし、若い夫婦が農業で子供を育てていけるのかっていう心配は当然あると思います。

就農するにあたって、どこの畑を借りるのかで悩んだのですが、妻の実家がある神戸市内でやっていくことを条件に家族の同意を得ました。都市近郊農業の神戸なら消費者との距離が近く、僕たちのようなオーガニックの小規模農家でも直接販売などの方法で経営していける可能性があると考えました。

アルバイトをしながら農業をスタート

農業

──どうやって農業を学んだか教えてください。
畑も農機具もないし、知識も経験もなく……ゼロから就農した僕たちにとって、農業への入り口は苦労の連続でした。とりあえず市役所の窓口を訪ねて情報収集し、有機農業を学べる学校へ通いました。

その後、大手の家具店で週3日アルバイトをしながら野菜の栽培を始めたのですが、とにかく販路がない。栽培は何とかなるんです。でも「売る」のは本当に難しくて。とりあえず直売所で売りましたが、価格競争に勝てませんでした。他には、飲食店に売り込んだり、知り合いが直接買ってくれたり、といった具合です。

農業

──現在、販路は広がったのでしょうか。
一昨年の11月から神戸市のファーマーズマーケットにも出店しています。地域の有機農家グループ「ビオ・クリエイターズ(Bio creator’s)」にも加入し、CSAの取り組みもはじめました。ビオ・クリエイターズの先輩農家に助けられ、販路は広がってきています。売り上げも徐々に上がってきたので、今年からアルバイトを週1日に減らしました。

マーケットに出店するとお客さんとの接点が増えて、どんな野菜に需要があるのかもわかりますし、勉強になることが多いです。

農業

──石野さんの看板商品は。
今、年間約30品目の野菜を育てていますが、特に力を入れているのが「カラフルラディッシュ」という5種類の色が入ったラディッシュです。取引先の飲食店からも需要があり、サラダなどに重宝されています。

カラフルラディッシュ(左)、スイスチャード(右)

ラディッシュは計画的な大量出荷が難しいので、意外と作っている農家が少ないんです。カブも割れやすいですし。でも、ラディッシュって日本語で「二十日大根」と呼ばれる通り、種まきから収穫までの期間が短く、約20日でできます。僕としては、ラディッシュで畑の回転率を高め、収入をできるだけ安定させたいという目的もあります。

他には、「カラフルニンジン」や「スイスチャード」など、色合いに特徴があって奇麗なものは飲食店だけでなく若い女性にも人気がありますので、積極的に生産していく予定です。

畑と馬を通じて有機農業の素晴らしさを伝えたい

農業

──次の目標はあるのですか。
販路開拓の問題が解決されてきたので、これからは需要のある野菜を安定供給するために、ビニールハウスを設置するのが目標です。アルバイトも卒業して、農業だけに専念したいですね。

経営が軌道に乗ったら、乗馬クラブでの経験を生かして畑で馬を飼う計画があります。僕も妻も、やっぱり馬が好きですから! 馬は草などを食べてくれるし、ふんは肥料になります。畑のなかで自然な循環を生み出せると思うんです。ふだん僕たちの野菜を食べてくれているお客さんが、畑に遊びに来るきっかけにもなるかと。

──おいしい野菜が食べられて、乗馬もできる畑。子供たちが喜びそう!
“馬と遊べる農場”を通して、自然の楽しみ、有機農業の素晴らしさを多くの人に伝えていきたいというのが僕たちの夢です。子供も大人も、大切なペットも一緒に、みんなが集まって自然と触れあう時間を持てたら幸せですよね。

その第一歩として、まずは安心・安全な野菜を作り、みなさんにお届けするのが今の課題です。土砂降りでも草刈りはできるし、休みませんよ! 僕たちの農業は、まだ始まったばかり。これからが本番です。

今年、次男が誕生した石野家。休日はお子さんもジャガイモ掘りなどを手伝ってくれるそう

なちゅらすふぁーむ
ビオ・クリエイターズ(Bio creator’s)

写真提供:なちゅらすふぁーむ

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