田んぼがスクリーンに!圧巻のクオリティ(青森県)
つかの間の逃避行を楽しむ王女役のオードリー・ヘプバーンと、新聞記者役のグレゴリー・ペック。名画「ローマの休日」から飛び出してきたような二人をよく見ると、顔や身体を作っているのはカラフルな稲です。
「田んぼアートの村」を掲げる青森県田舎館村は、毎年様々なモチーフの巨大絵画を水田に描き続けてきました。26回目となる今年のテーマは2つで、村役場横の第1会場は「ローマの休日」、道の駅いなかだての第2会場は「手塚治虫キャラクター」です。
見ごろは7月中旬~8月中旬ですが、8月下旬以降も出穂や葉が変色するため、色の変化まで楽しむことができます。2015年の映画「風と共に去りぬ」をテーマにした作品が、稲の成長とともに変化していく様子を見てみましょう。(6月上旬~9月末)
黄金色に輝くアートも、青々とした田んぼとはまた違った風情がありますね。
2会場は3キロメートルほど離れた距離にありますが、期間中は無料のシャトルバスも運行されています。
詳しくは、田舎館村のウェブサイトへ
「西郷どん」もびっくり!薩摩の国から150周年をお祝い(鹿児島県)
明治維新150周年の今年、NHK大河ドラマ「西郷どん」の放映などで、熱視線を集める鹿児島県。多くの偉人を輩出した同県からは、西郷隆盛と愛犬のイラストが描かれた南九州市の田んぼアートがノミネートです。
田んぼに近付くと、色の異なる稲が生えている様子がよく分かります。
田んぼ横の櫓(やぐら)に上れば、全景がばっちり見渡せます。
「西郷どん」の横には、地元のブランド黒毛和牛「かわなべ牛」と、日本一の生産量を誇る「お茶」と、代表的観光地である知覧武家屋敷の「お侍」のイメージを融合した、南九州市のマスコットキャラクター「お茶むらい」も並び、ご当地色豊かな作品に仕上がりました。見ごろは、9月中旬ごろまで。
詳しくは、南九州市商工観光課のFacebookページへ(※記事公開時現在、7月19日に詳細の投稿あり)
田んぼでSHO-TIME!地元のスターを農家が応援(岩手県)
今年海外へ羽ばたいた、地元が生んだスーパースターを激励する田んぼアートもお目見えしました。
岩手県奥州市は、二刀流でお馴染みのメジャーリーグ・エンゼルス大谷翔平選手の出身地。チームカラーの赤いユニフォームに身を包んだ大谷選手が、「投」に「攻」にと活躍する、躍動感あふれる作品です。
田んぼアート実行委員会の森岡誠(もりおか・まこと)会長は、「田んぼの上に書いた『おらほ』は、こちらの方言で『私たちの』という意味。地域のスターの大谷君を、みんなで一緒に応援しようという思いを込めて作りました」と語ります。
田んぼアートのある、奥州市水沢はまさに大谷選手が生まれ育った地域。6月上旬に、地元の幼稚園児や小・中学生ら200人が植え付けた苗がすくすくと成長しました。稲は、ゆきあそび、べにあそび、紫穂波、緑稲、紫大黒、黄稲、ひとめぼれの7種類です。
こちらも、遠近法によって高さ20メートルの「物見櫓」から見下ろすと、ちょうどよく見える設計です。近隣の農業者でつくる実行委員会が企画・運営を行うため、地元の愛情があふれる仕上がりなのが魅力です。
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他にもさまざまな「田んぼアート」が、全国各地の米どころで見学者の目を楽しませています。熱中症対策はしっかりとして、ベストショットを狙いに出かけてみてはいかがでしょうか。