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都市農業を応援する「まちなか農家プロジェクト」って?

都市農業を応援する「まちなか農家プロジェクト」って?

最終更新日:2018年08月27日

東京都三鷹市・武蔵野市という都市部で農業を営む農家の助けになることを目的とし、農家と消費者との距離を縮めるためのサポートを行うWebサイト「まちなか農家」。農家へのインタビューや、ファンの声を農家に届けるなどの活動を行っています。今回は、“まちなか”で頑張る農家を応援したい!という有志が集まる「まちなか農家プロジェクト」の立ち上げ人・苔口(こけぐち)さんに、その取り組み内容や、プロジェクトを始めたきっかけなどについて伺いました。

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「まちなか農家プロジェクト」とは?

まちなか農家プロジェクト・イベント時の様子

東京都三鷹市・武蔵野市の街なかで農業を営む“まちなか農家”が、都市部で農業をしている理由や、なぜ農業を始めることになったかなどを、インタビューなどを通じてWebサイトやSNSで発信している「まちなか農家プロジェクト」。この活動はもともと、三鷹市や武蔵野市の農家とその活動について地元住民に知ってもらおうと始めたものでした。

例えば、Facebookグループを通じて行う「まちなか農家ファンの声」では、農家の直売所を訪れた感想や、農家が生産した農作物を使った料理の紹介など、まちなか農家のファンによる農家への感謝の声や情報が目に見える形で届けられ、交流の場ともなっています。

また、プロジェクトでは会員制ファンクラブを設けており、ファンクラブ特典として、毎月第4日曜日に三鷹駅前で“農作物受け渡しイベント”を開催しています。このイベントは、プロジェクトのスタッフが複数の農家にその時期収穫できる農作物を事前ヒアリングし、そこからスタッフ内で厳選した農作物を当日の朝に集荷、駅前でファンに受け渡すという、ネットに留まらないもの。同じまちに農家があることを知らない住民たちへの認知度を上げること、また、気軽に農作物を買ってもらえるようになることを目的に行っている活動なのだそうです。

農家の課題「情報発信」を助けるために

キウイフルーツ試食イベントの様子

今回お話を伺った、まちなか農家プロジェクトの立ち上げ人・苔口(こけぐち)さんは、普段はIT系の会社で働く普通のサラリーマンです。

「約8年前から地域活動を開始し、三鷹駅前を中心にさまざまな団体の立ち上げや活動を行ってきました。まちなか農家プロジェクトの他にも、農家さんのWebサイト構築・活用の支援、三鷹駅前でキズナ・バーというコミュニティスペースを運営するなど、10くらいの活動をしています。まちなか農家プロジェクトを始めたきっかけは、三鷹市内で開催されていた『市民×IT』というイベントで地元農家さんのプレゼンを聞いたことです。三鷹にも頑張っている農家さんがたくさんいるということや、彼らが自分たちの農業を地域の方に知ってもらうため、多くの活動をしていることを知りました。そこで『今の課題は何ですか?』と農家さんに聞いたとき、『情報発信です』と答えられたことをきっかけに、何かお手伝いすることができるのでは、と有志で集まった結果生まれたのが、まちなか農家プロジェクトです」

「見える都市農家」をプロジェクトのテーマの一つとして、農家の思いやこだわりを伝えたり、農家と消費者の距離を縮める活動に取り組む苔口さん。その活動内容は多岐にわたり、なんと「都市農業×防災イベント」として、畑での防災イベントも開催したのだそう。

「都市農業の畑は地産地消などといった表面的な機能だけでなく、防災などの多面的な機能があるんです。そこで、畑の防災機能について皆さんに知っていただくためのイベントを、これまでに2回開催しています。防災士さんからの説明のあと、畑のビニールハウスの中に入って暖がとれることを確認していただき、最後に地元野菜を使った炊き出しを行う、といったことで、有事のときに農地が役に立つことを体験してもらいました。このイベントを通じて、都市にある畑の大切さを理解していただき、都市には農地が必要だと感じ取ってもらえたと思います」

プロジェクトの今後について

まちなか農家プロジェクトに参加された三鷹市北野の農家・森屋さん

まちなか農家プロジェクトの活動について、消費者からは「農家さんの名前を覚えることで農作物が身近に感じられるようになった」「ありがたみを感じるようになった」という声や、「三鷹や武蔵野に農業をしている方がいるなんて知らなかった」といった声が寄せられたそうです。また、農家からは「サイトを見たお客さんが来てくれてとてもうれしかった」「同じ地域の農家同士でも意外と知らないことが多いので、インタビュー記事を見て新しい発見があった」といったうれしいフィードバックがあったそう。

また、農家インタビューで農家の人と話をしていく中で、「相続や税金対策」など、子どもの代までいかに農地を残していくことができるか、といった都市農家が抱える大きな課題も見えてきたそうです。

最後に、苔口さんに今後の展望について伺いました。

「都市の農家さんたちの思いを、たくさんの地元の方に知っていただければと思います。地産地消のありがたみだけでなく、農業がまちに必要であるということを一人でも多くの方が思うようになってほしいです。農家さん、農家さんのファン、地元の学生など、地域の方たちが一緒になって農業に関わっていくような事業・活動を始めていければ……といろいろ構想しているところです」

 
実際の農家の声を発信することによる農産物のPRや認知度の拡大など、「見える都市農家」をテーマとした活動は、農業事業のマーケティングにおいても重要な役割を果たしています。SNSなどを使って情報を発信することで、消費者と農家との距離が近づき、生産者にとってはモチベーションの向上といった効果も期待できます。今回紹介したまちなか農家プロジェクトの活動は、都市農家のみならず、さまざまな場所で農業を営む農家にとって、これからいかにして自分たちの農作物について消費者に伝えるか、農家が地域にとってどんな役割を果たすのかなど、その重要性を訴えかけます。

 
まちなか農家

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