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太陽光発電を農業に!? ソーラーシェアリングは農業にも地球環境にもやさしいシステム

太陽光発電を農業に!? ソーラーシェアリングは農業にも地球環境にもやさしいシステム

農業をしながら太陽光発電ができるソーラーシェアリングをご存じですか。発電した電気は自分で使うことも電力会社へ売ることもできます。”太陽光”という環境にやさしいエネルギーも魅力の一つ。しかし、実際に農業と組み合わせるとはどういうことでしょうか。売電価格は下がる傾向にありメリットが少ないと思う方もいるかもしれません。株式会社エーピーシーメンテナンスはこの分野で先行しています。ソーラーシェアリングを実際に運用している同社の自社農園には海外からも見学多数。そのしくみを紹介します。

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ソーラーシェアリングの実態とは

ソーラーシェアリングで農作物と電気を同時に作る

ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)とは、農業を続けながら太陽光発電を行うことです。太陽光から作られた電気は自分で使うこともできますし、電力会社へ売ることも可能です。ハウスの潅水設備やエアコンなど、農業で使用する電気に充てればコスト削減効果が見込めるでしょう。

その仕組みは、農地の上に架台を設けてそこに何枚ものソーラーパネルを並べます。パネルとパネルとの間隔を調整することで、農作物にも日光が降り注ぎます。そのため、パネルの下で農作物を育てることができるのです。また、架台を設置するために地面に支柱を立てます。支柱と支柱の間には何も置くものはありません。パネルの下でトラクターなどの農業機械を使うこともできます。防鳥ネットを張る際には支柱をそのまま活用するという使い方もできますし、夏の暑い時期などにはパネルがつくる陰が日光を部分的に遮るため、眩しさや暑さを軽減できるという効果もあります。

ノウハウが蓄積されたエーピーシーメンテナンス

太陽光発電に携わり12年超の草分け的存在

千葉県市原市に本社を置く株式会社エーピーシーメンテナンスは、こうしたソーラーシェアリングを扱う草分け的な企業です。同社はもともと太陽光発電システムの施工管理を業務の一つとしてきました。農林水産省がソーラーシェアリングの認可について通達を出す2013年よりも前から勉強や準備を重ね、ソーラーシェアリングの課題に向き合ってきました。

例えば、ソーラーシェアリングのために立てる支柱の接地部分は農地として使えません。そのため、農業委員会から接地面積の合計分は農地転用許可を得なければならないというルールがあります。こうした設備導入のハードルをスムーズにする必要があると考え、2013年という早い段階から周囲に声かけをして一般社団法人ソーラーシェアリング協会を設立。自社だけでなく業界全体の盛り上げに尽力しました。

東京大学とも共同研究、日光は農作物に良いと限らない

協会が行った取り組みの一つが、東京大学大学院理学系研究科との共同研究です。2014年の共同研究では、ソーラーパネルの下でアシタバの栽培を実際に行い、平均で通常栽培比116%の収量アップを記録しました。
同社代表取締役であり、協会の代表理事も務める大村淳(おおむら・あつし)氏は、
「日光が当たれば当たるだけ良いという農作物は、実はそれほど多くありません。陰ができることで土壌の環境改善や収量アップにつながることもあります。アシタバ以外にも、サトイモや落花生も良い結果が出ました」と語ります。

そして2018年、農業法人を立ち上げ自社農園も開園しました。
「間接的とは言え農業に携わる者として実際に農業をやってみないといけない。体験しないと語れない世界があるはずで、それを実践してみよう」という想いがそこにはあったそうです。

ソーラーシェアリングで農業活性化

多様な実例が一か所に

自社農園ではトマト、ブルーベリー、キクラゲを育てています。3品目とも頭上にはソーラーパネルが設置されていますが、それぞれ状態が異なります。
トマトのハウスでは天井のさらに上にパネルがあります。ハウス内の温度や湿度の管理、ミストの吹き付け、さらに雨天時のカーテンの開閉などは自動で行われこの電力コストをパネルが削減させています。
ブルーベリーの頭上にはより多くのパネルがかかります。348株の鉢が並ぶ1000平方メートルの農地の頭上には100w のパネルが540枚。これはトマトのハウスの約3倍。ブルーベリーには強い日射がストレスになるため、陰を作っているのです。
また、キクラゲの場合、日光をほぼ必要としないため天井一面に隙間なくパネルが敷き詰められています。
つまり、どれもパネルは作物に合わせた数だけ設置しています。

同社が考えるソーラーシェアリングの必然性

パネルを増やすほど太陽光発電による電力は増えます。ということは売ればその分儲かると考えられます。しかし同社は必ずしもそれを良しとはしません。売電価格が下がっている現在では、売電のメリットが薄れていることも大村さんは指摘します。
「電気はあくまで脇役で、主役は農業の活性化です。農業を強くしようと量や質の安定化を目指せば、それなりの設備が必要でエネルギーを使います。水耕栽培なら水温管理や空調管理など、何にしても電気がいる。また、電気代自体は長期で見れば上がるでしょう。日本は火力発電が約8割。その燃料とする石炭などは減っていきます。そうであれば、そこにソーラーシェアリングは生きてきます。今のうちに、先を見据えて見直すことも必要でしょう」

海外からも高い注目を集める

株式会社エーピーシーメンテナンスのソーラーシェアリングは海外からも高い注目を集めており、自社農園には太陽光発電など自然エネルギーに関心の高い台湾や韓国からも見学者がやってきています。
「太陽光発電の業者として、太陽光エネルギーを使って農業のコストを下げたり品質をアップさせたりと、何かお手伝いできることはないかを今後も考えていきます」
大村さんが語った同社の未来はまた、国内外の農業を強くさせる期待に満ちています。

株式会社 エーピーシーメンテナンス
(APCグループ)一般社団法人 ソーラーシェアリング協会
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【参考資料】
東京大学との共同研究(2015年4月20日新エネルギー新聞)
日本の火力発電8割(認定NPO法人isep)

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