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世田谷の住宅街で農業!? 都市部で有機野菜を作る「そらまめ農園」

世田谷の住宅街で農業!? 都市部で有機野菜を作る「そらまめ農園」

皆さんは「東京」と聞いて何を思い浮かべますか? 大都会、最先端のファッションやテクノロジー……。「農業」を思い浮かべる人はあまり多くないかもしれません。しかし、東京にもこだわりの農作物を育てている生産者はたくさんいます。今回は、東京都世田谷区粕谷で農業を営む、「そらまめ農園」の関田和敏(せきた・かずとし)さんに、世田谷で農業を始めたきっかけや、作物へのこだわり、都市部での農業から感じる魅力などを伺いました。

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東京都世田谷区の住宅街で農園を始めたきっかけとは

「そらまめ農園」を営む関田さんと奥さん

東京都世田谷区粕谷にある「そらまめ農園」。春はソラマメ、大根、ルッコラ、夏は色とりどりのトマトやナス、ブルーベリー、ホーリーバジル、秋冬はサツマイモ、落花生、カリフラワー、ブロッコリー……と、住宅街の片隅にある農園では、年間約30品目もの農作物が栽培されています。そんな、そらまめ農園を営む関田さんの実家は、おじいさんの代から世田谷で農業を営んできた農家なのだそう。

「世田谷は都内でも緑が豊かな街です。しかし、だんだんと耕作地が少なくなってきていて、今では世田谷に畑があると言うと、『都会なのに!?』と驚く方もたくさんいます。私の祖父も父も、この街で農業を続けてきた農家。幼い頃から、彼らの姿を見て育ってきたため、農業は身近な存在でした。先代たちが残してきた、農業を身近に感じられる環境を、自分も守っていきたいと思い、世田谷で農業を続けています」

都心で農業をする魅力の一つは「お客さんとの距離が近いこと」

夏におすすめの「ホーリーバジル」

実家から「40歳になったら農業を継いでほしい」と言われ育ったという関田さん。学生生活を終えた後、しばらくは農業と全く異なる仕事をして暮らしますが、長男の誕生と、その直後に起きた東日本大震災を経て、食の安全について深く考えるように。有機野菜に興味を持ち、約束の40歳になる前から実家の農業を手伝い始めたそうです。

食の安全を考える関田さんが作り出す農作物は、米ぬかと油粕、黒糖などで仕込んだ自家製の“ボカシ堆肥”を使って、丁寧に育てられています。消毒や除草剤、化学農薬などを使用していないため、東京都から、化学合成農薬と化学肥料を削減して作られる農産物を認証する「東京都エコ農産物 東京エコ100」の認証を受けているそうです。

支柱でつるを宙に上げられたサツマイモ

世田谷でこだわりの農作物を丹精込めて育てている関田さんですが、都市部ならではの苦労もあるそうです。例えば、東京都では耕作地の貸し借りができる地域がわずかなため、なかなか圃場(ほじょう)を拡大できないのだそう。そんな中、関田さんは、一畝で2〜3種類の作物を混植したり、地面に伸びる作物のつるを、支柱を使い宙に上げることで他の作物のためのスペースを確保したりするなど、耕作地の狭さを補う工夫をしています。

「土地の問題は工夫次第で何とかなります。世田谷で農業をすることには、それよりも魅力のほうが大きいんですよ」と関田さん。例えば、たくさんの飲食店や住宅が立ち並び、多くの人が集まる場所の近くに農園があるため、取れたての新鮮な作物を、すぐにたくさんのお客さんへ届けることができるのだそう。さらに、そらまめ農園では、お客さんの目の前で、その人が欲しい野菜を収穫して販売することもあるそうです。

「お客さんと生産者の距離が近いことで、鮮度の良い野菜をすぐに提供することができるし、栽培方法など、私たち生産者のこだわりをお客さんへ直に伝えることができるんです。思いを込めて作物を育てた生産者と、食の安全を求めるお客さんとが、“顔の見える関係”を築ける。これは、世田谷で農業をする大きな魅力の一つですね」

「そらまめ農園」セレクト! これからの季節、おすすめの野菜は?

今の季節おすすめの白丸ナス

そらまめ農園が作る農作物の中で、関田さんがこれからの季節、特におすすめする野菜を伺いました。

「夏の終わりまでは、表皮が緑色で大ぶりの『白丸ナス』。煮浸しはもちろん、厚めに切ってステーキにしてもおいしいですよ。秋口には『おおまさり』という大粒の落花生が旬です。ゆでて食べてももちろんおいしいんですが、私は蒸すのがオススメ。より甘みが詰まってホックリと仕上がるんです。もちろん両方とも、化学農薬・化学肥料不使用のこだわり野菜です!」

 
都市部にも、関田さんのようなこだわりの農産物を作っている生産者はたくさんいます。

「直接生産者と話したり、栽培環境を見たりすることで、各々のこだわりなども見えてきます。食べておいしいのはもちろんですが、その背景も一緒に味わってもらえたら、野菜選びも楽しくなるのではないでしょうか。生産者からおすすめの食べ方などを聞くと、料理が一層楽しくなると思いますよ!」

あなたも、多くのお客さんと“顔の見える関係”を築ける、都市部ならではの農家を東京で目指してみてはいかがでしょうか。

 
そらまめ農園

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