これって根じゃないの!?畑の下に広がるネットワークの正体【畑は小さな大自然vol.11】

マイナビ農業TOP > ニュース > これって根じゃないの!?畑の下に広がるネットワークの正体【畑は小さな大自然vol.11】

ニュース

これって根じゃないの!?畑の下に広がるネットワークの正体【畑は小さな大自然vol.11】

連載企画:畑は小さな大自然

これって根じゃないの!?畑の下に広がるネットワークの正体【畑は小さな大自然vol.11】

最終更新日:2018年10月19日

こんにちは、暮らしの畑屋そーやんです。野菜の根の先端は、毛細血管のように細かく枝分かれしているというイメージは皆さんもお持ちだと思います。しかし、実はその先端部分は根ではないって知っていましたか?この部分の正体とその重要な働きを知っていると、畑づくりにも大いに活かすことができます。ぜひ最後までお読みください。

  • twitter
  • facebook
  • LINE

根の先端の正体とは


根の先端に細かく枝分かれしている白い部分。これを根だと思われている方も多いと思いますが、実は微生物の塊なのです。微生物自体は目に見えないものですが、無数に集まることで菌糸と呼ばれる糸状の塊になっていきます。キノコも菌糸の集まりで、無数の微生物が集まってできたものです。実際にはどこからが菌糸でどこまでが根なのかは見分けがつかないのですが、ほとんどの植物の根の先端にはこの菌糸が広がっています。このように根の中や周囲に住み着いている微生物は菌根菌(キンコンキン)と呼ばれています。

一番わかりやすい例はマツタケです。キノコも樹木の菌根菌です。マツタケは赤松という木の根元に生えるという話を聞いたことがあるかもしれませんが、それはマツタケは赤松と共生している菌根菌なのです。赤松の根に住んでいるこの菌が、地中から周りに広がり、子孫を残すために胞子として出るのがマツタケというわけです。

菌根菌の役割とは

互いに必要な栄養を交換している(筆者作成)

菌根菌は根の中や周囲に住み着いて、その植物が光合成して作った糖分をもらって生きています。そのかわりに菌根菌は菌糸を土の中に広げ、栄養を探して来て植物に運ぶという役割を持っていて、共生関係を築いています。この菌根菌が多くいる土壌の方が植物がよく育つと言われています。また菌根菌と共生している植物の方が病気にも強いという説もあります。

植物たちのインターネット

菌糸ネットワークのイメージ図(筆者作成)

菌根菌が地中に増えると植物はよく育つというだけでなく、さらに様々な働きをしていることが最近の研究によって分かってきています。実はこの菌糸は他の植物の菌糸とつながり合い、ネットワークを形成しており、それはまるで僕たちの世界のインターネットのような役割をしているという説があるのです。このネットワークを通して、お互いに栄養を交換しあったり、情報の交換も行なっているようだというのです。例えばある植物に虫が来たとして、その情報がその菌糸ネットワークを通して、他の植物に行き渡ります。するとその虫が来て欲しくない植物は、その虫が嫌う物質を生成して準備をするということが行われているのです。まさに植物たちのインターネットの役割をこの菌根菌が担っていると言えます。このネットワークは、特に生物多様性のある森の中で発達していると言われています。

畑で菌根菌の働きを活かすには

野菜にとっても、同じように菌根菌が土の中に多いことで、以下のような効果が期待できます。
・土壌から効率よく栄養を摂取できるようになる
・病気や害虫の被害に遭いにくくなる

畑においても森のような環境に近づけていくことで、この菌根菌を増やし、そのネットワークを築くことができます。具体的には、以下の4つがポイントになると考えられます。

1)植物性原料を中心に土作りをする

化学肥料で土づくりをすると菌根菌がいなくても野菜が栄養を吸えてしまうため、この共生関係が築かれにくいと言われています。また牛糞などの動物性の堆肥よりも、雑草や落ち葉などで作った植物性の堆肥で土づくりをした畑の方が、植物と共生する菌根菌が増えやすいようです。実際に雑草や落ち葉を活用した堆肥づくりについての記事も書いていますので、参考にしてみてください。
(リンク)初心者でも簡単!雑草堆肥で土づくり【畑は小さな大自然vol.8】

2)耕す頻度を減らす

耕してしまうと土壌中の菌根菌ネットワークを壊してしまうので、土づくりが進んで来たら少しずつ耕す頻度を減らしていったり、浅く耕すようにしましょう。

3)根を残して、収穫や草刈りを行う

枯れた根は菌根菌のエサとなります。また根があったところが空気の通り道となり、菌根菌が呼吸しやすくなります。詳しい方法は「雑草は根から抜いちゃダメ!?草刈りの新常識【畑は小さな大自然vol.4」をご覧ください。

4)多種の野菜を一緒に植える

森の中のように多様な種類の植物が多い土壌の方が、植物と共生する菌根菌も多いと言われています。
 

以上の4つのポイントを畑づくりに活かすことは、農家の畑では難しいところも多いですが、家庭菜園では比較的取り組みやすい点も多いです。栄養の吸収効率が良くなることが期待できるので、肥料をあまり入れなくても育つようになることが期待されますし、病害虫にも強くなるので、ぜひお試しください。
 

過去の記事はコチラ!【畑は小さな大自然】シリーズ

そーやんがアドバイスする【枯れ専かーちゃんのベランダ菜園】シリーズ一覧はコチラ!

関連キーワード

シェアする

  • twitter
  • facebook
  • LINE

あなたにおススメ

タイアップ企画

関連記事

カテゴリー一覧