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枯れるのは水やりが原因?プランター菜園の正しい水やり【畑は小さな大自然vol.12】

枯れるのは水やりが原因?プランター菜園の正しい水やり【畑は小さな大自然vol.12】

こんにちは、暮らしの畑屋そーやんです。プランターで野菜を育てる場合、水やりをしないと枯れてしまうということは、もちろんみなさんご存知だと思います。しかし逆に水やりをしていたとしても、水やりの仕方が間違っていたことが原因で野菜が枯れたり、病気になったり、成長不良になることもあるのです。今回は、皆さんが見落としがちな水やりのポイント4つをご紹介します。ぜひこの記事を読んで正しい水やりの知識をつけて、プランター菜園をもっと楽しみましょう!

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プランター菜園に失敗する原因の一つは水やり

家庭菜園初心者の方が最初に挑戦することの多いプランターでの野菜作り。ベランダなど土のない環境でも始めやすいので、僕もお勧めしています。
最初はやる気満々で、毎日一生懸命水やりをする方も。でも、このやる気がありすぎて、水やりが過剰だったり、ポイントがずれていたりする方を多く見てきました。
そこで今回は
・水やりに使う水
・水やりの場所
・水やりの時間帯
・水やりの頻度と量
の4つについて、詳しくご紹介していきます。

どんな水がいいの?


水やりに使う水、水道水をそのまま使っていませんか?実は、これはあまりお勧めしていません。なぜなら、水道水には塩素が入っているので、土の中のミネラルバランスや微生物のバランスを崩す可能性があるからです。できれば太陽光に6時間ほど当てるなどして塩素を除去してから使用しましょう。もちろん浄水器などで塩素が除去できていればOKです。
あとお勧めなのが雨水です。雨水は降り始めのもの以外はほとんど不純物を含まないので、水やりに最適だと言えます。
井戸水やミネラルウォーターなどはミネラルを含むので、野菜の栄養になる可能性もありますが、ミネラルは多すぎても良くないという性質があるので、一概に良いとは言い切れないところはあります。とは言えそんなに悪い影響が出るということは多くないと思いますので、実際に使って確かめてみましょう。

よくお米のとぎ汁が良いと言われますが、あまりお勧めはしません。確かに栄養は含まれているのですが、カビや雑菌が増えるリスクも高まります。風通しが良く、広い畑ならまだ悪影響は少ないとは思いますが、プランターではデメリットの方が多いと思います。

まとめると以下のようになります。
水道水 ×
塩素を除去した水道水 ○
雨水 ○
井戸水・ミネラルウォーター △
米のとぎ汁 ×

水をかける場所は土?葉?


野菜に水をかけるときは、基本的に土にかけましょう。ただしこの時に泥が跳ねて、野菜に土が付着すると病気の原因になりますので、そこだけ注意が必要です。
植物は葉からも水分を吸うので、葉にかける場合もありますが、弱ってしまったり、病気の原因になったりする可能性もあるので注意が必要です。熱帯地域が原産地の観葉植物などは雨に強く、葉から水を吸う力も強いので効果的ですが、野菜ではあまりお勧めしていません。特に夏の昼間などの日差しが強い時に、葉に水をかけると、葉焼けを起こす可能性があります。

水やりの時間帯は?


水やりは基本的には朝がお勧めです。夕方や夜間に水やりすると、もやしのようにひょろ長い野菜になってしまいます。また、冬場ですと土が凍ってしまいます。逆に夏は気温の高い昼間に水やりすると、すぐに蒸発してしまうので、できるだけ午前中のうちに行いましょう。

水やりの量・頻度は?


水やりをしないと植物が枯れてしまうというのは、皆さんご存知だと思いますが、水を頻繁にやりすぎて枯れてしまうこともあるので、注意が必要です。実は、土の中に水分が多い状態が続くと、空気の層がなくなり、根が呼吸できなくなってしまうのです。またカビなどの菌も増えやすくなるので、それもまた野菜が枯れたり、腐ったりする原因となります。

正しい水やりの頻度は季節や、野菜の種類、天気などによって大きく変わるので、一概には言えませんが、一番分かりやすくて確実なのは、土の色を見て判断することです。土が乾燥してくると白っぽく変化していきますので、その状態になったらプランターの底から水が溢れてくるぐらい、たっぷりと水をあげましょう。土の水分量にメリハリを効かせるのがポイントになります。


水分を含んでいる状態の土は黒い

土が乾燥すると白っぽくなる

以上に気を付けて、プランター菜園を楽しんでください!

次の記事:発芽しないのはなぜ?注意すべき7つのポイント【畑は小さな大自然vol.13】
 

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