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日本の人工衛星が農業を変える! 正確な位置情報がもたらすスマート農業

日本の人工衛星が農業を変える! 正確な位置情報がもたらすスマート農業

正確な位置情報を知るー。一見、農業と関連性がないように思えるこのキーワードが、実は未来の農業にはとても大切だと聞けば、驚く人がいるかもしれません。
兵庫県尼崎市に本社を置くマゼランシステムズジャパンは人工衛星を利用して現在位置を計測する〈衛星測位システム〉の開発を行っている技術系企業。ちょっと難解なお話かと思いきや、取材してみれば至ってわかりやすく、農業の未来につながる情報でした。
ぜひ、じっくり読んでみて下さい。「なるほど、納得!」と思った瞬間、未来が一気に開けます。

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次世代型受信機が発信する高精度な位置情報

位置情報といえば、まず頭に浮かぶのが〈GPS〉。人工衛星を利用して現在位置を計測するシステムを指しますが、〈GPS〉は米国が開発・運用しているもの。ほかにもロシアやEU(ヨーロッパ連合)などが開発しているシステムがあります。
日本の人工衛星システムは〈みちびき(準天頂衛星システム:QZSS)〉。日本のほぼ真上を通る軌道を持つ人工衛星です。2018年現在、既に4機が打ち上げられており、2023年度以降は7機体制になる予定です。

〈みちびき〉は日本国内の山間部や都心部の高層ビル街などでも測位でき、GPSに比べると、㎝級(センチメートル級)の測位精度の向上が期待されています。いわば、高精度な測位情報を実現するシステムなのです。人工衛星システムを利用するためには受信機が必要です。受信機とは、信号を解読し、位置の特定に必要な観測情報を探し出し、それらを利用して位置や速度・時刻を算出する機器。
この〈みちびき〉に対応した受信機を開発しているのが、マゼランシステムズジャパンです。高精度な位置情報を獲得できれば、港湾作業で稼動するクレーン、自動式ロボット、ドローンなどでの活用が期待されます。

そして農業分野では、農業用無人搬送車や無人トラクターやコンバイン、田植機、草刈り機等の自動操縦化が進んでいるのです。
では、同社の代表取締役・岸本信弘さんに詳しく聞いてみましょう。

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左が現在の受信機基板※1、右下が2018年末リリース予定のサイズ。右上はRF部分(左の基盤の銀色の部分)のチップ。
※1 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成を受けた成果です。

位置情報を利用し、〈失敗しない農業〉を実現

滋賀県の琵琶湖畔で育ち、家族とともに幼い頃からヨットに乗る機会が多かった岸本さん。海への夢は膨らみ、学生時代は外洋レースに参加するほどになりました。

「外洋をヨットで走らせるようになり、目の前に陸も見えず、見えるのは水平線のみという経験をしました。そのとき、自分がいまどこにいるのかを知る位置情報の大切さを知ったのが、いまのビジネスにつながりました」と笑顔で話す岸本さん。

「当社の受信機は既に大手農機メーカーや建機メーカーでご採用いただき、自動運転機能がついた製品の量産が始まっています。農業は高齢化が進み、重労働のイメージがあり、なかなか後継者が育たないのが課題です。正確な位置情報は、自動運転による効率化に役立つだけではなく、農業のさまざまな場面で活躍します」

岸本さんがこの受信機を使って実現したいのは〈失敗しない農業〉です。良い作物を少ないリスクで効率良く生産できれば、農家の利益向上にもつながり、若手の就農者も増えます。農機と生産者をつなげていくことで、新しい農業をつくることができると考えています。では、具体的に〈位置情報〉と〈新しい農業〉は、どのようにつながっていくのでしょうか。

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冒険心いっぱいの岸本社長。「いくつになっても、やんちゃ坊主です(笑)」

あらゆる情報を収集することで、新しい方策を見出す

「正確な位置情報を実現する受信機を搭載した農機は、自動運転を行いながら作業中のさまざまな情報を収集します。たとえば水田内の場所ごとのph値などを正確に把握できる。作業をすることでデータが集まる、というわけです。集まったデータを精査することで、来シーズンの作業に生かすことができます」と岸本さん。

データが蓄積されると、情報の精度は上がります。またデータをクラウド上で管理すれば、さまざまな人と共有することもできます。いま話題のIoT(モノのインターネット)にもつながります。

「単に効率化だけを推進しようとしているのではなく、情報が集まれば、その情報をもとにベテラン農家からアドバイスを受けることもできます。それに、台風対策などを共有できれば、危機管理にもつながる。
いままで勘や経験値に頼っていたことが正確なデータとして存在することで、作物の品質管理や害虫対策なども高い精度で実現することができます。

また、この製品を地理的な理由で過疎になっている地域にも対応していくことができればと思っています」
〈位置を知る〉ということは、実は想像以上に広がりがあり、すべての面で重要な意味を持つことなのです。そして、明るい未来の農業の道しるべにもなります。

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高精度を求める研究・開発により数多くの特許技術と共に各賞も受賞

ここで、少しマゼランシステムズジャパンの紹介を。1987年に設立し、超高感度・高精度衛星測位システムやGNSS(全地球航法衛星システム)関連ソフトウェアの研究・開発・ライセンス取得などの事業を行っています。

2018年11月から正式運用が始まると言われている日本版GPS/準天頂衛星システム「みちびき」/QZSSの「L6信号」に対応した受信機を開発・販売。
この受信機はCLAS方式とMADOCA方式にダブル対応し、従来の高精度受信機と比べ価格も10分の1程度を設定しています。既に日本・南アジアをはじめ国内外で多数利用されて、実績も豊富です。

尼崎市の本社とロシアのオフィスで勤務するスタッフはほとんどがエンジニア。毎年開催されるアジア最大級のIT・エレクトロニクスの国際展示会「CEATEC」で2015年、2017年と受賞歴があります。
また2018年には宇宙開発利用大賞において、「みちびき対応多周波マルチGNSS高精度受信機及びIMU(慣性計測装置)の開発」は国土交通大臣賞を受賞。
世界20カ国以上に複数の特許権を持ち、受信機精度は世界最高水準を誇るグローバル企業です。

迷い不安に思いながら取り組む農業ではなく、正確なデータを用いて、未来に夢を見出せる農業へ。位置情報は農業にさまざまなうれしい変化を運んでくれそうです。

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マゼランシステムズジャパンの皆さん。日本の未来を豊かにする技術に挑戦中です

マゼランシステムズジャパン株式会社
(英名:Magellan Systems Japan, Inc.)
〒660-0083
兵庫県尼崎市道意町7丁目1番3号
尼崎リサーチ・インキュベーションセンター315号
TEL.06-4950-5520 FAX. 06-4950-5521
メールでのお問い合わせ先:sales@magellan.jp

マゼランシステムズジャパンのホームページはこちら

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