ニンニクの栽培方法
ニンニクは大きく分けると、寒冷地向け、温暖地向けという2種類に分かれます。北海道・東北など比較的寒い地域で栽培をする人は「ホワイト六片」など寒地系の品種、関東・関東以西など温暖な地域で栽培をする人は「紫ニンニク」など暖地系の品種といったように、気候に合った品種を選定することが、ニンニクの栽培を成功させるポイントの一つです。
まずは、土の準備をしましょう。ニンニクは養分が豊富な土を好むので、畑の土には堆肥や腐葉土をたっぷりと加えて耕しておきます。プランターでの栽培も可能ですが、過湿に弱いため、必ず水はけの良い培養土を選びましょう。土の準備が整ったら、植え付けをしていきます。球のままで販売されているものは1片ずつにはがし、15センチほどの間隔を空けて、5センチほどの深さに押し込みましょう。葉が10〜15センチ程度まで育ち、二つ以上の芽が出てきたら、小さい方の芽(わき芽)を根元から抜き取ります。その後、“トウ立ち”といって花蕾(からい)をつける茎が伸びてくるため、適宜手で折り取ります。葉の半分程度が黄色く枯れ、球が十分太れば収穫の時期です。畑から抜き取ったらすぐに根をハサミで切り、3〜5日程度乾燥させておきましょう。
行者ニンニクの栽培
山菜の王様とも呼ばれる「行者ニンニク」をご存じでしょうか? 行者ニンニクは、長い茎の下にラッキョウのような球根がついている山菜です。普通のニンニクよりも多くアリシンを含んでおり、強い匂いがします。疲労回復などの効果が期待でき、健康によい野菜とされています。
そんな食材を自分で栽培できればうれしいですよね。行者ニンニクは比較的育てやすい作物ですが、成長がとても遅いので、種から育てる場合、収穫して食べられるようになるまではだいたい5~7年かかります。そのため、早く収穫をしたい場合は、苗や球根からの栽培をおすすめします。
行者ニンニクも通常のニンニクと同じく肥沃(ひよく)で水はけの良い土を好むので、土作りをしっかりと行いましょう。土壌の準備が整ったら、植え付けをしていきます。行者ニンニクは密植栽培の方が生育がよいため、株同士を5~10センチほどの間隔で植えましょう。また、行者ニンニクは涼しい地域が原産の野菜です。暖かい地域では日陰のできる所に置くか、遮光対策をしましょう。収穫の際に下葉を2枚残しておくと株が弱りにくくなるため、管理をすれば翌年にもまた収穫することができます。
収穫時期はいつ? ニンニクの栽培暦
品種や栽培をする地域の気候によって異なりますが、だいたい9〜10月ごろに植え付けを行います。まだ暑さの厳しい時期に植え付けを行うと病気のリスクが高くなるため、注意しましょう。また、寒くなってから植え付けを行うと、ニンニクの太りが悪くなる可能性があります。4月下旬〜5月にはトウ立ちをしてくるので花蕾を取りましょう。収穫は5〜6月が目安です。
ニンニクの栽培に適した肥料
ニンニクの栽培を成功させるポイントの一つが土壌です。ニンニクは肥沃で水はけの良い土を好むため、肥料には、有機物をよく分解・発酵させた完熟堆肥をたっぷりと使用するようにしましょう。また、プランターや鉢などで栽培する際の肥料は、堆肥と腐葉土、または有機質を含んだ培養土を使ってもよいでしょう。
ニンニク栽培の追肥とは?
追肥は、植え付けの1カ月後、芽が伸び始める2月中旬〜3月ごろの2回行いましょう。追肥は粒状で即効性のあるものがなじみやすいです。
■監修者コメント■
収穫1カ月前頃になると、トウ(花蕾)が出始めます。地下部のニンニクを大きくさせるために折り取りますが、これはよく店頭で見かける「ニンニクの芽」の事です。茎の部分は炒め物などにもお使いいただけますよ。また、小さすぎる種は、株間などを気にせずにばらまきすれば、葉ニンニクとして春先に収穫できます。こちらも珍しい食材としてお使いいただけます。もちろんニンニクの風味もしっかりありますよ。
【監修】
農業生産法人 株式会社 よしだや
代表取締役社長 吉田清華