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“甘〜い”イチゴ栽培の真っ赤な現実【枯れ専かーちゃんのベランダ菜園】

連載企画:枯れ専かーちゃんのベランダ菜園

“甘〜い”イチゴ栽培の真っ赤な現実【枯れ専かーちゃんのベランダ菜園】

野菜を自分で育ててみたいけれど畑を借りるのは少しハードルが高い。それならプランターで手間をかけずにプチ自給を叶えてみようと始めたベランダ菜園。これまで野菜ばかりを栽培してきた我が菜園ですが、ベランダで育てられるものには果物もあります。その代表格がベリー類。特にイチゴは人気も高いのですが、栽培に少しコツがいるようで……。甘いけど甘くない(?)イチゴ栽培始めました。

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イチゴの苗を衝動買いする

秋シーズンに入ってから、コンパニオンプランツについて勉強しました。その際に葉物の苗を探すも品切れでガッカリした経緯があるのですが、その代わりに衝動買いしたものがありました。それがイチゴの苗です。

10月初旬にホームセンターに並び始めたイチゴの苗

苗のタグに印刷された真っ赤ないちごの写真。「甘すぎる!」という宣伝文句。クリスマスに真っ赤な自家製イチゴをケーキにのせたら、子どもは大喜びするはず……!

そんな妄想をたくましくしたのですが、よく考えると12月のスーパーにイチゴはそんなに売っていない気がします。疑問に感じて、イチゴについて改めて調べてみました。

「一季なりイチゴ」と「四季なりイチゴ」

イチゴはバラ科の多年草です。石器時代からヨーロッパやアジアに生えていた野生のイチゴが食べられていたと言われますが、当時のイチゴは小粒で甘みも少ないもの。現在日本で栽培されているものはフランス、イギリス、アメリカなどから導入されたものを品種改良したものだといいます。(※)

市販されている苗には「一季なりイチゴ」と「四季なりイチゴ」の2種類があります。一季なりイチゴは年一回春に花が咲いて実をつけるのに対し、四季なりイチゴは連続して花が咲き、季節を問わずに収穫が可能。一般的には一季なりイチゴの方が甘い実ができると言われることが多いようです。

苗の植え付けは春と秋の年二回ですが、秋植えの方が育てやすく初心者にお勧めだと言われています。

※農林水産省 消費者の部屋

イチゴのコンパニオンプランツは?

2種類の異なる苗を買ってきました。いずれもサントリーの本気野菜シリーズで一季なりイチゴの「蜜香(みつか)」と、四季なりイチゴの「らくなりイチゴ」です。品種も違えば実のつき方も違う苗だと購入後に気づいたのですが……これが吉と出るか凶と出るかはまだ分かりません。

2種類のイチゴとニンニクの苗を購入した

ニンニクの苗も一緒に購入しました。

イチゴのコンパニオンプランツといえば、ペチュニアが挙げられると以前の記事に書いたのですが、実はニンニクも相性の良い野菜の筆頭格。病気を予防しつつ、虫を追い払う効果が期待できると言われています。

プランターは容量10リットル程度の丸型のものを用意しました。

イチゴの鉢といえば、素焼きの「ストロベリーポット」が可愛くておしゃれですが、調べてみると数千円する代物なので今回は却下。また、「ハーベリーポット」と言われる三方に植えつけられるプランターなどもありますが、置くスペースの最小化や汎用性を考えて、普通の丸型プランターにしました。

植え付けのポイントは?

ある程度まで土を入れたら仮置きして配置を確認する

土は「捨てられる軽い土」の記事で取り上げた「エココソイル」を使用しました。プランターの底に鉢底石を敷いて土を入れ、苗を仮置きします。これまで度々、テキトーな栽培をしては枯らしてきましたが、今回は植え付けの手順をしっかり事前勉強しておきました。なぜなら、イチゴの植え付けって少しコツが要るようなんです。

よく見るとランナーの跡らしきものが確認できる

要注意ポイントその1は、苗の向きです。イチゴは一般的に「ランナーが鉢の内側に向くように植える」とされています。ランナーというのは、親株から切り離した跡のことで、この反対側に花芽がついて実がなります。ランナーを内側に向けて苗をプランターの縁に寄せて植えれば、イチゴの実が外側にうまく垂れ下がるというわけなんです。

イチゴの実が鉢の外に垂れ下がるイメージで頭がいっぱいになって、思わず絵を描いた

土の高さを調整する

要注意ポイントその2は土の高さです。イチゴは株の付け根にクラウンといって王冠のような形をした茎があります。ここから新しい葉や芽が出るので、クラウンを土で埋めてしまわずに、かといって浅すぎないちょうどいい高さに調整します。苗を選ぶ際には、このクラウンが大きくてしっかりしたものを選ぶといいよう。

植え付けてしばらく後、クラウンから葉が出始めた様子

冬の間の管理は?

イチゴは“休眠”する

イチゴ栽培でよく分からないのはここからです。10〜11月に植え付けた後、いったん“休眠”して冬を越し、2月中旬以降に目覚めるというのです。

休眠って……?

クマの冬眠なら穴蔵にこもるイメージです。子どもの昼寝なら薄い毛布でもかけてあげましょう。しかし、休眠中のイチゴはどのように世話すればいいのでしょうか。おなじみの“そーやん師匠”こと橋口創也さんに尋ねました。

きくち

冬眠……じゃなくて休眠するというイチゴですが、外に置いていていいんでしょうか?
屋外でも大丈夫ですよ。陽当たりのいい暖かい場所がいいので室内でもいいかもしれません。暖かくしていると成長が早まります。

そーやん

きくち

水やりや肥料はどうしたらいいでしょうか?
水やりは土が乾いてからでいいので、頻度は少なくてすむと思います。肥料は葉の感じを見ながらですね。このへんは経験がものを言うのですが……。

そーやん

きくち

経験……途端に心配になってきました(汗)。

冬なのに実がつく?

そーやん師匠の話だと、休眠中のイチゴには時おり水やりをする程度で、そんなに世話を焼く必要はなさそう。通常のイチゴの成長は、秋に植え付けた後は葉だけの状態で越冬。休眠から目覚めると花が咲き、実がなるので、この頃に追肥をすると良いようです。

ところが——。

一季なりイチゴに実がなっていた

ウチのイチゴにはすでにいくつも花が咲いています。しかも、実らしきものが成長してきているではありませんか。四季なりイチゴの方ならまだわかるのですが、実が付いているのは一季なりイチゴの方です。最近の気温の高さの影響でしょうか……?

秋冬に咲いた花は実にならないので切り取って株の充実をはかった方が良いとも言われますが、なんてったって実がなっています。刈ってしまうのも忍びないので、少し様子を見ることにしました。なぜにウチの植物は常に予想の斜め上の展開をたどるのでしょう……。

甘いイチゴだからって、栽培自体はちっとも甘くないのかも。おかげで最近じゃイチゴのことばかり考えている気もします。ソワソワと落ち着かない気分が、未熟なイチゴのようにどうにも甘酸っぱいのです。
 

◆ちゃんと実が熟すのか、しばらく見守る日々が続きそう。次回は、“リボベジ”に挑戦。
 

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