そもそもなぜキャベツを千切りにするの?
キャベツの千切りは、トンカツや唐揚げなどの付け合わせの定番ともいえるほど、私たちの食生活に定着しています。そもそもなぜ、千切りにして食べるのでしょうか? 千切りにするメリットとは?
「キャベツが持つビタミンUには胃腸を保護して、消化・吸収を良くする働きがあると言われています。なので、油っぽい揚げ物などの料理とは栄養面から見ても相性がいいんです」と、料理研究家の江川真奈美(えがわ・まなみ)さん。
ビタミンは火に弱いので、揚げ物と一緒に食べるときは、生で食べるのがベター。
「ただ、大きなカットだとたくさん食べられないという方が多いのではないでしょうか。そのため、千切りにして生で食べるという食べ方が、揚げ物と一緒にキャベツの栄養を十分に摂るという意味では、理にかなっているんです」(江川さん)
さらに、千切りにすることで、火を通さなくても舌触りがやわらかくなり、さっぱりとした味わいを楽しめるメリットも。サラダなどにしたとき、ドレッシングが絡みやすくなり、塩分を控えられるという良さも期待できます。
そんな、良いこと尽くしのキャベツの千切り。
早速、プロが教える正しい作り方をご紹介しましょう。
プロ直伝! 正しい「キャベツの千切り」の方法
キャベツの千切りは大きく分けて2通り。ひとつは、フワフワな食感のもの。もうひとつは、シャキシャキした食感のもの。その違いは、繊維を断ち切るか、繊維に沿って切るかによって決まります。繊維を断ち切るとフワフワに、繊維に沿うとシャキシャキな食感になります。
今回、教えてもらうのは、フワフワな食感の千切りの作り方。
フワフワな食感のキャベツの千切りの作り方
1.キャベツの葉をはがし、2~3枚を重ねます。
2.葉脈が横になるように軽く巻きます。
3.まな板の上で、葉脈を断ち切るように約1~2ミリ幅に切ります。
4.フワフワの千切りが完成。やわらかく、フワフワな食感を保つなら、水にさらさないこと。反対に、少し食感を出したい場合は、水にさらすのがおすすめです。
「見た目も味わいのひとつです。白い部分と緑の部分がまんべんなく混ざっていた方がおいしそうに見えるため、少量をつくるときは、外側も緑の濃い葉と、内側も白っぽい葉をほどよく混ぜて千切りにするのもプロの技です」(江川さん)
千切りをするときの注意点
これは細い千切りをめざすなら、NGなやり方!
まな板と包丁の距離が遠くなると、手がぶれるため、太さの調整をするのが難しくなります。
キャベツの千切りを使ったおすすめレシピ2品
キャベツの千切りは、塩やドレッシングをかけて、そのまま食べるだけでもおいしいけれど、せっかく上手に作れるようになったら、料理にも挑戦して。簡単なのに、存在感のあるおかずになるレシピを2品、教えてもらいました。
粒マスタードのコールスローサラダ ※3~4人分
<材料> ※3~4人分
・キャベツ 1/2玉(約400グラム)
・ニンジン 1/3本
・コーン(缶詰) 約50グラム
・塩 小さじ1/2程度
A
・すし酢 大さじ2
・マヨネーズ 大さじ2
・粒マスタード 大さじ1.5
・ブラックペッパー 適量
<作り方>
1.キャベツは千切りにします。ニンジンも皮をむき、千切りにします。
2.ボウルにキャベツ・ニンジンを入れ、塩を振ってもみ込みます。ザルにあげて10~15分程置いておきます。
3.2を手・キッチンペーパーでしっかり水気を絞ってからボウルに入れます。
4.コーンを加え全体を混ぜ合わせ、Aを加えさらに全体に味がいきわたるようにあえたら完成です。
ジャガイモとキャベツのチーズガレット
<材料> ※2人分
・キャベツ 1/8玉(80グラム程度)
・ジャガイモ(大きめ) 2個(360グラム程度)
・ソーセージ 2本
・オリーブオイル 大さじ2
・乾燥パセリ、イタリアンパセリなど 好みで ※飾り用のためなくてもOK。
A
・片栗粉 大さじ2
・粉チーズ 大さじ2
・塩・コショウ 適宜
<作り方>
1.ジャガイモを千切りにします。ジャガイモは粘りが出ることが大事なので、水でさらさないこと。キャベツも千切りにします。
2.ソーセージは輪切りにします。
3.材料をボウルに入れます。そこにAの材料を加え、よく混ぜ合わせます。
4.フライパンにオリーブオイルを入れ、熱します。ジャガイモを広げながら平らになるように入れ、両面をカリッとするまで焼きます。
5.お皿に盛り、乾燥パセリやイタリアンパセリを散らして完成。粉チーズやとろけるチーズをのせても合います。
キャベツの千切りをマスターして、家庭の味をワンランクアップ
今まで正しい方法を知らずに、作ってきた人も多かったのではないでしょうか? やり方さえ知ってしまえば、家庭でも簡単にお店のような細くてふわふわのキャベツの千切りを作ることができます。道具は包丁とまな板のみ! キャベツが安く手に入ったら、早速挑戦してみてください。
レシピを教えてくれたのは、「野菜ソムリエManaの料理教室~LuckyBeans」を主宰する江川真奈美さん。最大4名の少人数制の料理教室で、毎日のごはんをワンランクアップさせる家庭料理を教えています。
https://lucky-beans.jimdo.com/