農業大学校とは? 気になる学び方と過ごし方、学費・生活・就職先など

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農業大学校とは? 気になる学び方と過ごし方、学費・生活・就職先など

農業大学校とは? 気になる学び方と過ごし方、学費・生活・就職先など

最終更新日:2018年12月05日

将来の進路に、農業にかかわる仕事を考えるとき、学びの場は案外多いものです。その一つが農業大学校。全国にありますが、実際にどんな場なのでしょうか。「何が学べるの?」「他の教育機関とは何か違う?」「学費はいくら?」など、分からないことも多いかもしれません。高校生だけでなく社会人でも入学できる農業大学校。学科や授業、気になる学費や就職など、農家を志す進学希望者が知っておきたい情報をまとめました。

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農業大学校は“農業の専門学校”

全国にある公立の農業大学校(塗りつぶされた42道府県に設置されています)

農業を学べる場はたくさんある?

将来、農家として働こうと思う高校生や社会人が、就農前に農業を学ぶ場にはどんな選択肢があるのでしょうか。
4年制大学の農系学部を目指す場合もあるでしょう。大学の農学部や、生物・食など農に関わる学部では、4年で農業を広く学ぶことが可能です。また、すでに農業を営んでいる農家や農業法人に入って学ぶこともあり得ます。

農業大学校と農業大学は別モノ

農業の学び場の一つ、農業大学校は、言わば“農業の専門学校”です。
1~2年で農業の技術や経営を学ぶことができ、その多くが専門学校(専修学校専門課程)として認定されています。
農業大学校は大学と付いていますが、文部科学省管轄の4年制大学や短期大学とは違います。ただし、2年制の専門学校は、4年制大学への編入学を視野に入れることも可能です。また、農業大学校の中には、養成課程と呼ばれる2年間を卒業した後に通える研究課程が設けられている学校もあります。
その他、より手軽に1日からでも学べる研修課程を設ける学校も。働いている農業者のスキルアップにも適しています。
つまり、農業大学校は、短期間で農業生産の技術や経営に特化した学びが得られることが最大の特徴と言えます。

公立の農業大学校は全国42道府県に設置

全国には公立の農業大学校が42道府県に設置されています。
「かながわ農業アカデミー」など、農業大学校と名前に付かない学校もあります。また、公立以外に「八ヶ岳中央農業実践大学校」など民間の農業大学校もあります。
以下では、一般的な公立の農業大学校の養成課程を中心に紹介していきます。

実践的な農業技術を学ぶ農業大学校のスクールライフ

農業大学校で使用する教科書の例

少人数で実習が充実した農業大学校での学び

農業大学校は農業の専門学校として、教科書をつかった座学や研究よりも、実習時間が多いことが特徴です。
2年間で2400時間以上の履修が標準的で、その半分が実習に充てられます。つまり単純計算で年間600時間、実地で農業を学べます。
さらに、1学科が数十人程度のため、実習現場で作業し経験できることは自然と増えます。
実家が農家でない学生も多く、「福島県農業総合センター農業短期大学校」では約半分が非農家だそうです。

学科は学校ごとに異なる

学科は、米・麦、野菜・果樹、酪農・畜産の3つが設けられていることが一般的です。
その名称はさまざまで、「愛知県立農業大学校」のように、「教育部農学科」という一つの学科の中で8つの専攻に分かれている学校もあります。
また、「くだものづくり日本一の農大を目指して」をスローガンとする「山梨県立農業大学校」は果樹に力を入れ、授業では稲作も組まれているものの、米や酪農の学科はありません。
他にも、全国的にも少ない林業科がある「島根県立農林大学校」、茶業学科がある「静岡県立農林大学校」、またフードクリエイティブ学科・アグリマネジメント学科といった農業を広くとらえた学科を設ける「なら食と農の魅力創造国際大学校」など、特徴ある学校も見られます。

寮生活が基本

ほとんどの農業大学校には寮が設けられています。
これは早朝や夜遅くの作業が発生する農業ならでは。時間が読めない牛の出産などに立ち会うためには、通学では難しくもあります。
月曜から金曜までの、朝の9時頃から夕方17時頃までが授業。ただし、早朝の牛の世話を担当するなどで、朝4時に起床することも。こうした際に敷地内の寮なら、すぐに向かうことができます。
学校によって、全寮制(1年次だけの場合も有り)や希望入寮制などの違いがあります。男子寮と女子寮に分かれ、2人部屋の場合が多いですが、1人部屋も増えてきているようです。
授業後は、部活動をする学生や、アルバイトをする学生などもいます。翌朝も早いために23時には就寝する学生も多いようです。

取得可能な資格

在学中には、大型特殊自動車運転免許(農耕車限定)、けん引免許(農耕車限定)などの取得を目指すことが可能で、資格の幅は学校により異なります。

年間の必要額は100万円以下が大半

また、学費は年間、約12万円の授業費に、初年度は入学費、教材費、入寮費・食費などがかかり、計80万円ほどの場合がほとんどです。ただし、寮生活や海外研修の有無によって差があり、50万円以下という場合も。
日本学生支援機構の「平成28年度学生生活調査」によれば、4年制大学(昼間部)の年間学生生活費(学費・食費・住居光熱費)は約160万円ですので、半額ほどで学べる概算になります。
さらに、専門学校であれば、同機構の奨学金を利用することもできます。

卒業後はほとんどの学生が農業に関する進路へ

このように実践的な農業を学べる農業大学校では、卒業後ほとんどの学生が農業に関する進路を選びます。
実家の農家を継いだり、農業法人や農協・農業団体、農業関係企業などに多くの学生が進みます。

農業大学校の入試やオープンキャンパス

推薦入試も一般入試もある

さて、いざ入学しようとする際、制限はあるのでしょうか。
まず、農業大学校にも入試があります。
学校ごとに異なりますが、推薦入試、一般入試(前期・後期)がある場合がほとんどです。推薦入試は10月頃、一般入試は1月、2月にそれぞれ試験を行う場合が多いようです。

農業大学校の入試問題

推薦入試では小論文(800字程度)と面接、一般入試では学科試験(国語・数学・生物・化学・農業など)が行われることが一般的です。
各学校のホームページには入試情報以外に“過去問”が掲載されていることもあります。事前に確認しておくと良いでしょう。

〈小論文の問題例〉

「農業で高い所得を得るためには、どのような農業をすればよいと思うか、現状と課題を踏まえて、あなたの考えを述べなさい。」平成29年度 岡山県農林水産総合センター農業大学校(岡山県)

「あなたは、農業大学校で何を学びたいですか。また学んだことを将来どのようにいかしたいですか。」平成30年度 栃木県農業大学校(栃木県)

農業大学校に年齢制限は無し

受験資格については基本的に、高等学校の卒業者か卒業見込みの方であれば、誰でも可能です。ほとんどの学校では、年齢制限もありません。高校卒業を条件とするわけでもなく、「高校卒業程度の学力を有する方」と定められています。
社会人からでも受験し入学できます。高校を卒業して間もない18歳から20代前半の学生が多いですが、社会人経験もある30代以上の学生がいることもあります。
先述のとおり農業大学校は全寮制であることも多く、年齢差のある同級生と共に他では得られない貴重な学生生活を送ることができるとも言えます。

オープンキャンパスや学園祭に行ってみよう

農業大学校では夏にはオープンキャンパス、秋には学園祭が行われる学校も少なくありません。また、日ごろから、学校で作った野菜などを直売所で販売していることもあります。
気になる学校があれば機会を見て、足を運んで話を聞くのも良いでしょう。
確かな知識と実践的な経験、何より苦楽を共にできる仲間は、将来的にも得難く貴重であることは間違いないはずです。

一部写真提供:茨城県立農業大学校
 

参考
「農業を学ぶための研修教育機関のご案内」(農林水産省)
「平成28年度学生生活調査」(日本学生支援機構)
 

⇒特集「農業高校・農業大学校ってどんなところ?」一覧に戻る

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