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学校農業クラブ全国大会 2018年のプロジェクト発表ダイジェスト(前編)

学校農業クラブ全国大会 2018年のプロジェクト発表ダイジェスト(前編)

全国で農業を学ぶ高校生たちが所属する「学校農業クラブ」。クラブ員として日々学び、活動する農業高校生たちが年に一度、その成果を発表する場が「日本学校農業クラブ全国大会」です。2018年は10月24日から2日間、鹿児島県で開催されました。「農業高校の甲子園」とも呼ばれ、各都道府県から予選を通過してきた高校が集う本大会。生徒自ら課題設定をして計画・調査してきたプロジェクト活動の成果を発表するプロジェクト発表会を中心に、前後編に分けてレポートします。

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農業高校生たちが所属する「農業クラブ」

第69回 日本学校農業クラブ全国大会ポスター

農業高校生の自主的・自発的な組織「農ク」とは?

農業高校や農業学科の高校生たちが所属する、自主的・自発的な組織が農業クラブです。農クと略すこともあります。
活動を通し、クラブ員の科学性・社会性・指導性を高めることを目標としています。
農業高校や農業学科では、学校単位で農業クラブがあり、これを単位クラブと言います。単位クラブが都道府県ごとに集まったクラブ連盟、さらにクラブ連盟が地域ごとに集まったブロック連盟があり、その上に位置する全国的な組織が日本学校農業クラブ連盟です。

年に一度の全国大会

日本学校農業クラブ全国大会(以下、全国大会)は、その名前のとおり、日本全国の農業クラブが個々に行っているプロジェクト活動や各専門分野の活動について、発表する場です。毎年1回、地域を変えて開催されています。
都道府県ごとの大会で最優秀賞を受賞すれば、ブロックごとの大会へと進み、さらにそこで最優秀となれば全国大会へと進むことができます。
全国から代表校が集う様子は、正に「農業高校の甲子園」。
2018年は第69回となる全国大会が鹿児島県にて開かれました。

第69回 日本学校農業クラブ全国大会

さまざまな発表が県内各地で行われた

2018年は鹿児島県にて開催

鹿児島県で全国大会が開かれるのは第12回以来57年ぶり。
大会のポスターやマスコットなども生徒が作成したものです。
今年の大会スローガンは「おこせ農業維新 鹿児島に集いし 農クの仲間で」「西郷(せご)どん見守る鹿児島で 熱き瞳を輝かせ きばれ農クの仲間たち」。
県内6市町7カ所にクラブ員約4000人が集い、プロジェクト発表会や意見発表会などが行われました。今年は7年ぶりに家畜審査競技会(肉牛の部)も実施されました。
以下では、マイナビ農業で取材したプロジェクト発表会の模様をお届けします。

一日かけて行われるプロジェクト発表会

プロジェクト発表会は、かごしま県民交流センターで開催

全国9ブロックから代表校が1校ずつ発表

10月24日の一日をかけて行われるプロジェクト発表会。
この日の鹿児島は晴天。市内でアクセスも便利な会場ということもあり、一般の来場者も多く見られ、参加者は約540名にのぼりました。

研究と実践の集大成

発表会は、Ⅰ類(生産・流通・経営)、Ⅱ類(開発・保全・創造)、Ⅲ類(ヒューマンサービス)の専門分野ごとにそれぞれ9ブロックの代表校が10分の持ち時間を使って発表します。
午前9時半にⅠ類の発表からスタート。
壇上に立つ生徒たちは皆、緊張の面持ちでしたが、趣向を凝らしたスライド発表と、発表後の質疑応答にもよどみなく答える姿は一朝一夕にできるものではなく、予選から勝ち上がってきた学校のレベルの高さを見せつけられました。
「例年、時間超過をする学校もあるが、今年は全校が時間内に発表を終わらせるなど練習を重ねたことが感じられました」と大会事務局スタッフは話します。

発表の一幕から

Ⅰ類での一例として挙げたいのは、神奈川県立相原高等学校の発表。
「持続可能な畜産経営を目指して」と題したプロジェクト発表は、飼料費や過重労働を減らすことで利益を向上させ、持続可能な畜産経営モデルの確立を目指したものです。
6つの実験について発表し、その一つが酪農の現場で牛舎の床に敷くおがくずを、シュレッダーで裁断された紙くずで代用するというもの。調べて実践してみた結果、おがくずよりも細菌が少なく、学校の牛たちも気持ちよさそうだと発表しました。
これについて、発表後の審査員からは「通常、牛の糞尿は堆肥(たいひ)として処理されるが、紙くずでは可能なのか?」と質問がありました。生徒は地元神奈川県伊勢原市の農家の事例を挙げ、可能だと回答。こうした地元農家などとの連携・協力は、同じように他の実験にも見られました。

参加者からの熱い視線を受けながら

10分間の昼休憩をはさみ、午後はⅡ類とⅢ類の発表。
第6次産業や獣害対策、農福連携に地域文化の維持など、多種多様な発表は参加生徒にとっても、一般参加者にとっても刺激の多い発表ばかりだったと言えるでしょう。
全27のプロジェクト発表で、1日目は終了。これら発表の各類から、審査員により最優秀賞、優秀賞が選ばれます。後編では、最優秀賞、優秀賞を受賞した発表などについて紹介していきます。
 

日本学校農業クラブ連盟
 

【後編はコチラ】学校農業クラブ全国大会 2018年のプロジェクト発表ダイジェスト(後編)
 

⇒特集「農業高校・農業大学校ってどんなところ?」一覧に戻る

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