◆加藤正明(かとう・まさあき)さん プロフィール◆
東京都練馬区農業体験農園「百匁の里」園主。東京都指導農業士。野菜ソムリエ(ジュニア)。34歳まで民間企業に勤務した後、家業の農業を継ぐ。2005年に「百匁の里」を開園し、現在では150区画もの会員数を誇る。一般市民に野菜づくりのノウハウや野菜のおいしい食べ方を伝え続けている。NHK趣味の園芸「やさいの時間」では、番組開始時より栽培管理を担当し、後に講師も担当。著書に「加藤流 絶品野菜づくり」など。
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ジャガイモの大きさを決める重要な作業、「芽かき」
植え付けから3~4週間ほどたつと、タネイモから伸びた芽が地上に顔を出します。丈が15~25センチくらいに成長したら、1株あたりの芽の数を減らす「芽かき」をおこないます。芽の数が多いほど多くのイモができる反面、養分が分散するため、1個あたりのイモの大きさが小さくなってしまいます。ジャガイモを大きく育てるには、芽の本数を減らさねばならないのです。
■加藤先生のワンポイントアドバイス■
「Lサイズ(150~250グラム。7~9センチ程度)のイモを収穫したいなら2本、2Lサイズ(250~350グラム。12~15センチ程度)のイモを収穫したいなら1本だけ芽を残し、他の芽は抜いてしまいましょう」
芽かき
(1)残す芽を選定します。茎が太く、色の濃い丈夫なもの、病害虫のいない健康なものを選びましょう。
【重要ポイント】
地表に出ている茎の本数から芽の数を判断すると、誤って全ての芽を抜いてしまう恐れがあるので注意。複数本に見えても、地中で1つの芽から分かれたものである可能性があります。次の(2)できちんと確認しましょう。

地上では2本に見える右側の茎は、実は1本の芽から分かれて伸びたもの。
確認せずに抜くと、せっかく伸びた芽が全てなくなってしまうことも……
(2)土の中に指を入れ、正確な芽の本数を確認します。もしくは土を少しよけ、茎を1本ずつ軽く揺すってみましょう。他の茎も一緒に揺れる場合は、同じ芽から伸びている証拠です。
(3)残す芽を決めたら、タネイモが一緒に抜けてしまわないように株元を手で押さえつつ、不要な芽を抜きます。

しっかりと株元を押さえ、不要な芽を抜きましょう
芽かきが終わったら、追肥と「土寄せ」を。土寄せは定期的におこないましょう
追肥
イモを大きく育てるため、株間に有機配合肥料(前編「いよいよタネイモを畑に植え付けます!」の項参照)を30グラムずつ追肥します。
土寄せ
イモが光にさらされると、緑化して有毒なソラニンが発生します。イモが露出して日に当たるのを防ぎ、また株元に水がたまるのを防ぐため、土寄せをおこないます。
クワで根や地下茎を切ってしまわないよう、株から70センチ以上離れた、遠くの土をすくって株元に寄せます。一度に大量の土を盛ってしまうと、浅植えの意味がなくなるので注意しましょう。
土寄せは、芽かきの後だけでなく、収穫まで1~2週間おきに繰り返しおこないます。
いよいよ収穫の時!おいしい保存方法も教えてもらいました
収穫
葉や茎が枯れ始めたら、収穫適期(春作では5月下旬~梅雨明け前、秋作では11月下旬~12月頃)。完全に枯れてから収穫しても食べられますが、大きいイモほど「す」が入って空洞化してきてしまうので、葉が黄色くなってきた頃がベストです。
【重要ポイント】
収穫は晴天が2~3日続いた日におこないます。土が湿っている時に無理に収穫すると、カビが発生したり、イモが傷つき、菌が入って腐りやすくなってしまいます。理想は、晴れた日の午後3時以降。掘り上げたイモは日光を浴びて温まるため、あまり早い時間帯に掘り上げると、熱がこもって腐りやすいので注意しましょう。
(1)試し掘りをし、十分な大きさに育っているか確認します。まだ小さいようであれば、掘り上げずに大きくなるのを待ちましょう。

イモがまだ小さい場合は、大きくなるのを待ちます
(2)株元を手で持ち、イモを掘り上げます。土の中に残っているイモもあるので、手で探って全て掘り上げましょう。
(3)イモから根や茎を外します。500円玉よりも小さいイモはソラニンを多く含むため、食べずに処分しましょう。
(4)土を払い落とし、一時間ほど軽く日に当て土を乾かします。これは、泥がついた状態では微生物や細菌が付着したままになってしまうため。土を落としたいからといって、水洗いは絶対にNG。食べる直前に洗いましょう。
保存と追熟
収穫したジャガイモは、カゴ等に入れて風通しの良い冷暗所で保存します。日光だけでなく蛍光灯の光でも緑化してしまうため、遮光ネットをかぶせるなどしましょう。
■加藤先生のワンポイントアドバイス■
「10~14日ほど保存し、追熟させるのもおすすめです。収穫したての新ジャガももちろんおいしいですが、追熟させるとジャガイモに含まれるデンプンが糖分に変化し、甘みとうまみが増します。また違ったおいしさを楽しめますよ」
野菜づくりのプロ・加藤正明さんに、大きく育つジャガイモの栽培方法を教えてもらいました。初心者がつまずきやすいポイントについても詳しく教えてくださったので、ぜひ本記事を参考に、ジャガイモ作りに挑戦してみてください!