野菜で雑草を防ぐ!? 下草栽培のススメ【畑は小さな大自然vol.22】

マイナビ農業TOP > 就農 > 野菜で雑草を防ぐ!? 下草栽培のススメ【畑は小さな大自然vol.22】

就農

野菜で雑草を防ぐ!? 下草栽培のススメ【畑は小さな大自然vol.22】

連載企画:畑は小さな大自然

野菜で雑草を防ぐ!? 下草栽培のススメ【畑は小さな大自然vol.22】
最終更新日:2019年06月03日

こんにちは、暮らしの畑屋そーやんです。畑づくりの際の大変な作業の一つが「草取り」ですよね。雑草が成長しすぎると野菜の生育を邪魔してしまうことがあるため、特に野菜の近くに生えている雑草はこまめに取り除かなければなりません。しかし、逆に野菜の周囲に別の種類の野菜を先に生やすことで、雑草が生えないようにする栽培方法があるのです。これを使うことで雑草を抑えられ、しかも小さいスペースで野菜がたくさん収穫できるようになり、見た目も華やかになります。プランターでも実践できる家庭菜園にぴったりの方法ですので、ぜひ試してみてください。

下草栽培とは?

レタスの根元に下草としてルッコラや水菜を植えている

下草栽培とはその名前の通り、メインとなる野菜の根元周りに下草として野菜の種をたくさんばらまいて育てることです。こうすることで、野菜の根元から本来生えてくるはずの雑草よりも先に野菜が生えてくるため、雑草が生えにくくなります。この方法は無肥料栽培の師匠から教えてもらったのですが、「下草栽培」という名前自体は僕が考えた造語です。芝草などの植物で地表を覆い、雑草を生えにくくするグランドカバープランツと発想は似ていますが、畑の中でしかも野菜を使うところが今までにない大きな特徴となります。
 
この方法により狭いスペースで様々な種の野菜が植えられるため、生態系のバランスも良くなります。まとめると以下の効果やメリットが期待されます。

○雑草が抑制できる
○植物多様性による土(栄養素・微生物)のバランス調整効果が期待できる
○見た目が華やかになる
○小さいスペースでたくさんの種類の野菜が採れる
○土の露出面を減らすことでの保温・保湿効果がある

どんな野菜が下草に向いている?

ジャガイモの根元に下草としてベビーリーフミックスの種をまいた

下草はあまり大きく成長させると、メインとなる野菜の生育を邪魔してしまうため、小さいうちに摘み取ります。そのため、あまり大きくならない野菜や、小さい間引き菜の状態で食べられる野菜が向いています。例えば水菜、からし菜、ルッコラ、わさび菜、山東菜、春菊、ホウレン草などです。

下草栽培のやり方

1)畝全体の表面を細かく耕しておく

畝全体に種をばらまくので、あらかじめ全体の土をほぐしておきます。

2)メインとなる野菜の苗を植える


メインとなる野菜の苗を植えます。メインとなる野菜は下草野菜よりも大きい状態が良いので、すでに大きくなった苗の状態で植える方がやりやすいです。メインの野菜を種でまく場合は、ある程度大きくなってから、下草野菜の種を改めてまくのがオススメです。
メインとなる野菜は、できるだけ上に伸びていくものの方が、空間を有効利用できて、風通しも悪くなりにくいのでオススメです。カボチャやスイカのように横に広がる野菜や根菜類はあまり向いていません。

メインとなる野菜に向いている品種
夏:ナス、トマト、ピーマン
冬:白菜、ブロッコリー、レタス

3)下草栽培用の野菜の種をまく

1平方メートルの分量の目安。あらかじめいろんな種類の種を混ぜてまきます

下草栽培用の野菜の種をメインの野菜の周りにばらまいていきます。だいたい1平方メートルに2ミリリットルくらいの量(上の写真ぐらいの量)が目安です。ばらまいたあとは土と種を軽く混ぜていき、乾燥しないように枯れ草や落ち葉をその上に敷いていきます。最後に土と種が密着するように、手で畝の表面を抑えるのがポイントです。

畝の表面の土と下草用の種を軽く混ぜて手で抑える

4)下草野菜は早めに収穫

下草野菜は早めに間引いて、ベビーリーフとしておいしく食べられる

下草野菜はあまり大きくしすぎると、風通しが悪くなり、メインとなる野菜の生育の邪魔にもなりますので、早めに間引いていきます。メインとなる野菜に近いところを特に優先的に間引いていきましょう。
特に梅雨時期は成長が早く蒸れやすいので、早めの間引きを心がけます。逆に乾燥しやすく成長もゆっくりな冬の時期はあまり焦らなくても大丈夫です。
間引きは隣と軽く葉が重なる程度の間隔が理想です。大きさとしては10〜15cmくらいまでを目安に収穫、最大でも20cmくらいになる前には摘み取りを終えましょう。ポイントは根を残して摘み取ることです。根を残すことで土が固くならず、メインとなる野菜が根を伸ばしやすくなります。

注意点は?

間引きが遅れている例。病気などは発生していないが、徒長気味になっている

下草を狭いところに密集させるため、風通しや日当たりが悪くなることが下草栽培のデメリットです。間引きや剪定が遅れると一本一本が細長く、貧弱な野菜になってしまう「徒長」と呼ばれる状態になりやすくなります。徒長してしまうと病気や虫に対する抵抗力が落ちるため、それらの被害に遭いやすくなります。通常の栽培方法よりも早めの間引きと剪定を心がけましょう。
 

今回、ご紹介させていただいた下草栽培。雑草の生育を抑えるなど、様々な機能的メリットがありますが、何よりも畑の見た目が大きく変わります。僕は常々、大自然の躍動感とみずみずしさを感じられるような美しい畑を実現したいなと思っているのですが、この下草栽培を取り入れることで、それに大きく近づいたなと感じています。この一手間だけで畑の雰囲気がガラリと変わりますので、ぜひ試してみてください。
 
◆次回予告
次回は小さいスペースによりたくさんの種類の野菜を植える時のコツについて解説していきます。今回の下草栽培もその一つの方法ですが、他にも土づくりや野菜の組み合わせなどでいくつかポイントがありますので、ご紹介したいと思います。お楽しみに。
 
次の記事:雑草に学ぶ! 小さい畑でたくさんの野菜を育てるポイント【畑は小さな大自然vol.23】

関連記事
種まきは計画的に!コンパニオンプランツ始動【枯れ専かーちゃんのベランダ菜園】
種まきは計画的に!コンパニオンプランツ始動【枯れ専かーちゃんのベランダ菜園】
野菜を自分で育ててみたいけれど畑を借りるのは少しハードルが高い。それならプランターで手間をかけずにプチ自給を叶えてみようと始めたベランダ菜園。前々回、前回は、ラディッシュの種をまき、失敗した原因を振り返りました。種は他…
【元気な農作物育成ガイド】植物の力を生かした育成法
【元気な農作物育成ガイド】植物の力を生かした育成法
病害や害虫から植物を守るための対策として使用されることの多い「農薬」。極力農薬の使用は控えたいと思うものですが、それが野菜や果物など口に入るものであれば尚更です。今回は、植物が本来持つ抵抗力を生かした育て方と環境づくり…

あわせて読みたい!
そーやんの「畑は小さな大自然」シリーズ
そーやんの「畑は小さな大自然」シリーズ
暮らしの畑屋そーやんが、自然の生態系の仕組みを利用しながら楽に野菜づくりができる方法などを伝授します。害虫や雑草などのお悩みも、このシリーズを読んでスッキリ!

関連キーワード

シェアする

  • twitter
  • facebook
  • LINE

関連記事

タイアップ企画

カテゴリー一覧