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都心住まいの私が、ハンターになるまでに実践したアレコレ

都心住まいの私が、ハンターになるまでに実践したアレコレ

近年、狩猟免許に興味を持つ人が増え、東京都では200人の受験枠が申込受付開始から2時間で埋まる程の人気となっています。東京都内でIT企業に勤める女性であり、一見狩猟とは縁がなさそうな私も、2018年に第一種銃猟免許と銃砲の所持許可を取得した一人です。今回は狩猟を始める前に準備しておいた方が良い事って何?と思っている人向けに、私がハンターになるまでに準備を進め、実践したアレコレをご紹介します。

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「日本橋 街大学」のジビエ講座や「狩猟サミット」で知った狩猟のアレコレ

山林で発見した、鹿の足跡

元々ジビエは狩猟により得られる肉であると知っており、好んで食べていた私。狩猟について知りたい!と、考えて実践したのは、FacebookなどSNSからの情報収集でした。そこで知った「日本橋 街大学」(三越伊勢丹が中心となり運営する市民大学)のジビエ講座に参加したのは、2014年の事です。こちらの講座ではハンターである講師から狩猟についての座学や、神奈川県・丹沢でのフィールドワークによる野生動物の生息調査を行いました。

山林に設置された箱わな

さらに同年、静岡県御殿場市で開催された「狩猟サミット」(ホールアース自然学校が主催するイベント)に参加し、各地で発生している獣害や高齢化によるハンターの減少といった問題についても学びました。我ながら頭でっかちだったと思うのですが、いきなり狩猟の世界に飛び込むのではなく、まずは狩猟に携わる人とつながって情報収集をする日々が続きました。

「巻き狩り猟」を見学、狩猟を始めようかと悩んだ日々

情報収集を続けるうちにハンターやジビエに関わる人々とご縁がつながり、2015年にとある猟隊の大物猟に同行する機会に恵まれました。この猟隊のメンバーから猟銃を譲り受ける事になったのがきっかけで狩猟を始めようか?と考え始めたのですが、熟考した点が2つありました。

まず一つは、継続的に狩猟を続けていけるか否か。その猟隊では犬を使った「巻き狩り」という、獣を四方から包囲して捕獲する猟法を行っており、包囲するハンターの数が多いほど、獲物を捕れる確率が高まります。そういった事情から、猟に継続的に参加することが求められるのです。
幸い、その猟隊は私の休日でもある日曜日に狩猟を行っている事、さらに都心住まいで車がなくても電車で猟場近くまで通える事から、この点はクリアになりました。狩猟を長く続けていく上で、無理なく猟場に通えるか?というのは大事な事ではないかと思います。

次に、銃砲の保管場所です。銃砲は保管設備や方法など一定の条件を満たせば、自宅で保管することが認められています。私は賃貸住宅に住んでいるのですが、賃貸契約書面上で銃砲の保管が禁止されていました。何度か事情を説明して交渉したのですが、大家から「自宅で銃砲を保管するのはちょっと……何かあったら困るから」と難色を示され、自宅保管の許可を頂けなかったのが大きなネックとなっていました。そのような際には銃砲店での委託保管という手があるため、猟隊の活動日程や時間帯に合わせて、自宅から通いやすい銃砲店の場所や営業時間を下調べし、よし行ける!と決心したのは2017年の暮れの事でした。

第一種銃猟免許、銃砲の所持許可を取得する前にしておくと良いコト

実際に狩猟を始めよう!となった場合に取得する必要があるのが各種狩猟免許と、銃猟の場合は銃砲の所持許可です。各種狩猟免許については大日本猟友会の予備講習を受けて勉強すれば、さほど難しくはありません。

ただし、銃砲の所持許可を取得する際には事前準備が必要だと感じました。というのも、銃砲の所持許可は自分が住んでいる地域を管轄する警察署で申請する事になり、そこで面接があるからです。私の場合は担当官が途中で変わった事もあり、初心者講習、教習射撃申請、所持許可申請のタイミングで3回面接を受けました。

その面接の際に、初心者は銃砲の使用用途を標的射撃か狩猟か、どちらかに決める必要があります。狩猟を選択した場合は、自分がなぜ狩猟をする理由があるのか、担当官から論理的な説明を求められます。警察側としては、申請者にしばらく射撃で経験を積んだ上で、狩猟にステップアップしてほしいという思いがある事から「銃を撃ちたいのであれば、なぜ射撃ではだめなのか?」といった質問をされ、使用用途が狩猟では許可が下りないこともあるのだとか。

そこで生きてくるのが、過去の実績です。前述したジビエ関連イベントへの参加や狩猟見学、所属する猟隊が決まっており、そのメンバーから銃を譲渡して頂く……といった点まで説明できると、狩猟を行う動機に説得力が増すのでお勧めです。

また銃砲所持までの過程で、自分をよく知る家族や友人に警察から電話が入り、身辺調査が行われます。その際に私が電話対応をお願いしたのが、家族や友人に加えて将来お世話になる猟友会の支部長と、猟隊のメンバー1人です。実際に私から担当官に説明した実績の裏付けにもなり、使用用途が狩猟で銃砲所持許可が下りる可能性が高まります。

急がば回れ~狩猟を始められる環境づくりはとっても大事!

捕獲した雌鹿の足

ここまでお話ししたような背景も踏まえて、自分のライフスタイルにどう狩猟を組み込み、続けていけると確信できるまで調査を行い、準備を進めた方がスムーズに無理なく狩猟を続けられるのではないかと感じます。

また熱意だけでなく狩猟に関わる実績や、後押ししてくれる人を作った方が、結果的に仲間ができたり、将来お世話になる猟隊や猟場が見つかったりと、狩猟を続けていける環境づくりにつながるのではないでしょうか。あくまでも私の場合の話ではありますが、これから狩猟を始めたいと思っている人は、良ければ参考にしてみてくださいね!

 
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