
獣害対策の電気柵
猟師も高齢化が進み、60歳未満の狩猟免許所持者数は1975年の約47万人から、2014年には約6万5000人(20~59歳の所持者数)にまで激減してしまいました。1人でも多くの若手猟師が増えなければ、地域によっては害獣の捕獲ができなくなる可能性すらあります。イノシシやシカを捕獲するには、狩猟免許が必要なのです。
さらに、銃を使うためには、警察で試験を受けて所持の許可を申請しなければなりません。でも安心してください!きちんと手順を踏めば、ほとんどの人がハンターになれます。
狩猟の方法は「銃、わな、網」の3つ

わなに掛かったイノシシ
ひと言に狩猟といっても、野生動物を仕留めるには大きく分けて3つの方法があります。「銃で撃つ」「わなで捕る」「網で捕る」の3通りで、それぞれに免許の種類も違うのです。
ハンターになるためには、試験を受けて狩猟免許を取得するのですが、どれを取得するのかは地域の猟友会や先輩猟師に相談して決めると良いでしょう。
※免許の種類は「網猟免許」「わな猟免許」「第一種銃猟免許」「第二種銃猟免許」の4種類で、各都道府県の担当部署が試験を実施しています。詳しくは各都道府県や猟友会のホームページ等でご確認ください。
狩猟免許の試験って難しいの?
何も勉強しないで合格するのは難しいですが、ご安心を!各都道府県の猟友会が「狩猟免許をとるための講習会」を毎年行っています。有料ですが、テキスト等も交付されます。
試験の内容は、1筆記試験、2適正試験、3技能試験があります。
1筆記試験
野生動物の習性、狩猟の規則、道具の扱い方などから三肢択一で30問が出題されます。正答率70%以上で合格です!
2適性試験
視力、聴力、運動能力に関する身体検査です。眼鏡や補聴器による補正も認められています。
3技能試験
野生動物には狩猟してもいい動物とそうでない動物が細かく分かれていて、例えばイタチのオスは狩猟できますが、メスは禁止されています。その種類の判別についての試験です。
わな猟と網猟の場合は、自分で猟具を組み立てるのですが、使っていい猟具が法律で定められています。よって、法定猟具の判別と猟具の組み立て方に関しても試験があります。
銃猟の場合は、銃の使い方や、目標までの距離が目測できるかどうかなどをテストします。
銃を持つためには
まずは警察署が実施する「猟銃等講習会」を受講して、修了試験に合格します。銃の種類によっては実技試験もあります。空気銃(エアライフル)の場合は、実技試験はありません。
その後、銃を所持するための許可申請をします。警察署の生活安全課で、いつでも対応してくれます。
※講習と許可申請に関する問合せは、住所地の警察署に対して行ってください。
晴れて試験に合格したら
狩猟をしたい都道府県で「狩猟者登録」をします。狩猟してもいい期間は、基本的に毎年11月15日~2月15日(北海道は毎年10月1日~1月31日)と定められています。地域や鳥獣の種類によって狩猟期間等が異なる場合があるので、詳細は各都道府県に必ず確認を!
初心者のうちは地域の先輩ハンターに同行しながら狩猟の技術を教わります。身近にハンターがいなければ、地域の猟友会に相談します。

獣害対策の電気柵
ハンターになるのは簡単ではありません。しかし、獣害は増え続け、被害に泣いている農家がたくさんいます。獣害から農家や森を守るためには、ハンターは必要不可欠です。この機会に、狩猟について真剣に考えてみませんか?