土壌学の見地から解く、石膏(硫酸カルシウム)を主原料とする農業用土壌改良資材『エコカル』の有用性

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土壌学の見地から解く、石膏(硫酸カルシウム)を主原料とする農業用土壌改良資材『エコカル』の有用性

土壌学の見地から解く、石膏(硫酸カルシウム)を主原料とする農業用土壌改良資材『エコカル』の有用性

最終更新日:2019年02月15日

みなさんは、自分たちの畑や田んぼの土壌pH(酸性度)を把握していますか? 作物は、土壌が酸性に傾き過ぎても、アルカリ性に傾き過ぎても、上手くは育ちません。雨の多い日本の土壌は、おもに酸性です。そこで酸を中和させるためにアルカリの土壌改良資材を用いますが、数あるアルカリ資材の中から何を選択するかが重要となります。この記事では、石膏(硫酸カルシウム)を主原料とする農業用土壌改良資材『エコカル』にスポットを当て、作物がよく育つといわれる理由を土壌学から解明すべく、一般財団法人日本土壌協会 会長の農学博士 松本聰先生(東京大学名誉教授)にお話を伺いました。

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日本の土壌は、おもに酸性――カルシウム[Ca]で土壌のバランスを調整する

雨の多い日本の土壌では、アルカリの塩基であるマグネシウム[Mg]、カルシウム[Ca]、ナトリウム[Na]、カリウム[K]が雨によって流され、土壌pH(酸性度)は、おもに酸性に傾いています。

「酸を中和させるためにアルカリの土壌改良資材を用いますが、数あるアルカリ資材の中から何を選択するかが重要だ」―と話すのは、一般財団法人日本土壌協会 会長の農学博士 松本聰先生(東京大学名誉教授)です。

石膏再生協同組合

アルカリの土壌改良資材の代表格といえば石灰(カルシウムの化合物)で、古くは「いしばい」とも呼ばれ、長い間、日本の畑や田んぼに使われてきました。松本先生によると、そんなカルシウム系の土壌改良資材には5種類もあり、アルカリの強さがそれぞれ異なるといいます。

――まずはアルカリが強い順に並べてみましょう

(1)酸化カルシウム[CaO]
⇒「生石灰(せいせっかい・きせっかい)」とも呼ばれ、アルカリの純度が最も高く、水と反応すると熱が発生します

(2)炭酸カルシウム[CaCO3
⇒「タンカル」とも呼ばれ、アルカリ資材としてよく利用されます。水にはほとんど溶けません

(3)水酸化カルシウム[Ca(OH)2
⇒「消石灰(しょうせっかい)」とも呼ばれ、アルカリ資材としてよく利用されます。水にはほとんど溶けません

(4)苦土石灰
⇒鉱物のドロマイト[Ca・Mg(CO3)2]を粉砕したもので、酸化カルシウム[CaO]とマグネシウム[Mg]の混合物です

(5)硫酸カルシウム[CaSO4
⇒「石膏」の主成分で酸とアルカリの中和物です。アルカリ資材としては最もマイルドで、少し水に溶ける難溶性です

「石膏の主成分は、硫酸カルシウム[CaSO4]で文字通り、酸性の硫酸[H2SO4]とアルカリ性のカルシウム[Ca]の中和物で、効果がマイルドなので、扱いやすいのが特徴です。アルカリの強い土壌改良資材を使うと、極端に土壌pHが傾くことがあり、その補正が大変なのですが、硫酸カルシウムはその心配がありません。さらに、少し水に溶けることがポイントで、硫酸カルシウムは化合物の中に水分子を取り込んでいるため、土に馴染みやすい特徴があります。他のアルカリ資材とは違い、水に溶けるので土が固くならず、作物が根からカルシウムや養分を吸い上げる邪魔をしません。また、硫酸カルシウムは土壌中では土壌の交換性カルシウムとして作用するため、土壌pHが上昇しにくく、そのため、ジャガイモそうか病などの病気を抑制します」と松本先生。

石膏再生協同組合

――石膏(硫酸カルシウム)を主原料とする農業用土壌改良資材『エコカル』とは?

実は、天然の石膏(硫酸カルシウム)は日本では採掘することができません。

石膏再生協同組合(法人としての認可は2012年)では、2007年から建設廃材の石膏ボードの再資源化に取り組んでいます。廃石膏ボードを工場に集めて粉砕し、ふるいなどで紙や木片などの不純物を取り除き、精製する過程で化学的な処理で重金属などの有害物質などを取り除き、環境安全に細かく配慮した石膏粉(原料)に再生する技術を10年にわたる実証実験で確立しました。

この石膏粉に水を加えて練り、加熱してペレット状に成形し、扱いやすくしたものが石膏(硫酸カルシウム)を主原料とする農業用土壌改良資材の『エコカル』なのです。

石膏再生協同組合

土壌学の見地から解く、『エコカル』の有用性

――なぜ、作物の生育にカルシウム[Ca]が必要なのでしょうか?

「植物は、細胞壁を作るペクチン(Pectin)という物質を持っており、根から吸収されたカルシウムはペクチンと結合して、作物の表面をペクチン酸カルシウムという化合物となって植物の細胞壁を強固にしています。カルシウムをしっかり吸収して細胞壁を強化すれば、病気に侵されにくく、中の細胞は保護されます。つまり、表皮がしっかりとしていれば、虫がつきにくく、カビや病原菌が侵入しにくい状態になるんです」と、松本先生は分かりやすく解説してくれます。

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――逆にカルシウム[Ca]が不足するとどうなるのでしょうか?

「日本の農業が抱える課題のひとつである【連作障害】は、土壌のカルシウム不足が原因です。作物はカルシウムを吸収して育つため、連作によっても土壌のカルシウムが不足し、土壌は酸性に傾きます。酸性の土壌(4~5 pH)では作物の病害を引き起こすネコブセンチュウが発生しやすく、根を腐らせて養分の吸収を阻害します。キャベツやコマツナなどといったアブラナ科の作物は特に注意が必要です。発生してからでは手遅れなので、予防的に作付け前にカルシウム補強資材として『エコカル』を撒くといいでしょう。また、畑作以外でも、果樹栽培でのカルシウム不足はリンゴなどの「ビターピット障害(褐色の斑点が発生)」の原因となり、水稲の場合は、水で土壌を覆うため連作障害は少ないけれど、嫌気性微生物が働いて少しずつ酸性に傾くため、田起こしの前に『エコカル』を撒くのは有効です」と松本先生。

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――土壌pH(酸性度)の確認は、作物の病気の予防にもなるのですね

「そうです、人間でいえば健康診断です。効率的に土壌改良をするには、まずは土壌診断からで、私たち日本土壌協会やJAなどで実施しているほか、市販の簡易土壌診断キットを使って自分でも行えます。一般的には農作物の生育に適した土壌pHは6~7pHで、さらに理想をいえば6.5~6.7pHとされています。自分たちの畑の土壌pHを確認して、土壌改良資材を選ぶといいのですが、炭酸カルシウム[CaCO3]は水に溶けないためカルシウムの吸収が低く、アルカリが強い酸化カルシウム[CaO]を与えすぎると土壌がアルカリに傾きすぎ、7pHを超えるとジャガイモではそうか病が発生する原因にもなります。アルカリに傾きすぎた土壌にまた酸を加えて中和させるのは非効率なので、効果がマイルドな硫酸カルシウム[CaSO4]の『エコカル』はお薦めです。また、どれ位の量を撒くかは、炭酸カルシウム施用量を元に緩衝能曲線やアレニウス表を使って簡単に計算することができます」

計算方法はこちらから(PDF)

――その他に『エコカル』の有用性はありますか?

「主原料の石膏(硫酸カルシウム)には、カルシウム[Ca]とともにイオウ[S]が含まれています。イオウ[S]は、窒素[N]、リン酸[H3PO4]、カリウム[K]の次に重要な養分として、必須元素であり、根から養分を吸収させるためにも重要な役割を果たしています。さらに『エコカル』には、純国産のフルボ酸入りの製品もあります。フルボ酸とは、簡単にいうと腐葉土のエッセンスです。フルボ酸はまだ構造が完全に解明されていない物質なのですが、鉄[Fe]や亜鉛[Zn]などの金属イオンをキレート(金属イオンをカニがハサミで挟んだ状態)して水に溶ける形にして、必須要素の鉄[Fe]と亜鉛[Zn]を運ぶキャリアになります」と土壌学の見地から松本先生は話します。

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[上]『エコカル』未使用

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[下]『エコカル』使用

乾燥地や津波や高潮の塩害にも『エコカル』は有用

――逆にアルカリ土壌にも「エコカル」は適合するのでしょうか?

「雨が降らない乾燥地帯では、人工的に水を供給する灌漑農業によって、土壌の塩基バランスが崩れています。撒いた水は地下に停滞し、太陽に熱せられた水が毛細管現象で上昇する際に地中の塩基を溶かすため、地表に塩が噴き出てきます。特に悪い作用のあるナトリウム[Na]が集まると強アルカリの水酸化ナトリウム[NaOH]になり、これが、塩害の原因となります。そこに、硫酸カルシウム[CaSO4]の『エコカル』を加えれば、カルシウムイオンがナトリウムを追い出し、カルシウムを定着させる置換が起ることを私たちの研究チームは発見しました。ナトリウムは作物から水分を抜き取り、土を固くする悪い作用がありますが、カルシウムにはありません。塩害という点では、日本でも東日本大震災での津波の被害を受けた地域に『エコカル』を入れたところ改善されたという報告もあります」と、ご自身の研究をもとに『エコカル』の広い可能性を松本先生は指摘します。

石膏再生協同組合

「農業は化学なんです。土壌のバランスを調整することで、作物は本来の姿で生育し、品質にも反映されます。バランスが取れているかは、常に土壌診断を通じてチェックしてください」と松本先生は笑顔で語ります。

これまでの取材で『エコカル』を撒いた畑の作物が、収穫期が長く、暑さや寒さに強く、病気にかかりにくいのは、実際に見てきましたが、化学的な説明を聞き、土壌pHの調節だけでなく、カルシウム補強資材としても有用だと理解できました。

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<取材協力>
一般財団法人日本土壌協会

〒101-0051東京都千代田区神田神保町1丁目58番地 パピロスビル6階
TEL:03-3292-7281
ホームページはこちらから

<お問い合わせ>
石膏再生協同組合

〒103-0026東京都中央区日本橋兜町11-13 たちばなやビル2階
TEL:03-6661-6882
エコカルの詳細・販売はこちら

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