2つの牧場で、生後3日から初任牛まで1700頭を飼養
『農事組合法人カーフゲート』は2005年の設立以来、組合員である酪農牧場から預かった仔牛の哺育・育成を専門に行ってきました。仔牛の世話は、人間の赤ちゃんと同じく、ワクチンの接種や疾病対策などの健康管理にとても気を遣う仕事です。仔牛の哺育・育成だけを行うことで、専門ノウハウを蓄積できるだけでなく、技術力の向上を図ることができます。利用する酪農家さんは、搾乳の仕事に集中することができ、生産性の向上につながります。
さらに2018年10月からは、村の公共牧場の管理運営を担うことになり、新牧場が稼働。これに伴い職場は、乳牛の雌牛を生後3日から8カ月まで育てる第一牧場と、その牛たちに受精を行い、初任牛にして各牧場に返すまでの世話をする第二牧場の2カ所となり、事業規模が大幅に拡大しました。
「第一牧場は常時1000頭、新たにできた第二牧場では700頭を飼育しています。第二牧場で働くスタッフは、夏季に放牧にもかかわってもらうことになります」と、場長の阿部淳也さん。
飼育頭数が大幅に増えるため、昨年から徐々にスタッフを増員しており、現在は20~30代の11名が牛の世話にあたっています。
これから迎えるスタッフは、役割の異なる2つの牧場を、おおよそ月単位で行き来しながら、業務に当たることになるそうです。
多くの作業が機械化され、就業時間も変動なく働きやすい
新人のうちは、仔牛への哺乳や餌やり、牛舎の清掃から覚えていきます。最初は先輩に教えてもらいながら徐々に慣れてもらうので、未経験でも心配いりません。
哺乳では、生後1週間位までの仔牛は、1頭ずつ手作業でミルクを飲ませます。それ以降は、哺乳ロボットを使い、省力化が図られています。機械による作業は、牛の状態が適切に把握できるので、発育の向上も期待されます。
また、餌やりや牛舎の清掃も大型機械を使った作業となるため、力仕事はごくわずか。重機の免許を持っている人は、すぐに活躍できるチャンスがありますが、そうでなくても免許取得に意欲的な人は、会社で助成も検討してくれるそうです。
『カーフゲート』が働きやすい理由は、就業時間が6~17時と決まっている点にもあります。搾乳も出産に関わる業務もないため、シフト制や急な残業もなく、メリハリのある働き方ができるのが魅力です。
若いスタッフが、安心して生き生き働くことができる環境
山口県出身の富永宏美さんは、入社して2年半。帯広畜産大学卒業後に勤めた肉牛の牧場の閉鎖に伴い、中札内農協で働いていましたが、仔牛の世話がしたいと思い続けていたそうです。
ここに勤めてからは「毎日がとても充実しています」と目を輝かせます。「一番やりがいを感じるのは、少し弱りかけている子に、頑張ってミルクを飲ませ、元気になってくれた時」と富永さんは話します。

富永宏美さん
阿部達也さんは、サービス業で働いていましたが、父である場長に誘われ「心機一転やってみよう」と約半年前に入社しました。それ以来「生き物に接する仕事が、こんなにやりがいを感じるとは思わなかった」と話します。酪農の面白さと奥深さに触れる日々ですが、「今はまだまだ修業中。僕のように知識ゼロからでも働くことができるので、初めての人も安心して来てください」と言います。

阿部達也さん
スタッフ同士年齢が近く、大半が経験値もあまり変わらないので、お互いに教え合いながら一緒に学んでいくことができます。
場長の阿部さんは「ここでの仕事は、仔牛の保育士のようなもの。牛たちに愛情を持って接することができる方なら、未経験でも大歓迎です。しいて言えば、必要なのは周囲とコミュニケーションをきちんと取ることができることでしょうか。従業員同士はもちろん、酪農家さんとのやりとりもありますから」。

場長の阿部淳也さん
『カーフゲート』は、各種手当や退職金制度をしっかり整えているほか、1年程前には、従業員就業規則も整備するなど、社員が安心して働くことができる環境を年々充実させてきました。
寮はありませんが、村内のアパートの紹介を行っていますし、賃貸物件や商業施設などが充実した帯広市内に部屋を借りることもできます。現在、ほとんどのスタッフが車で30分の帯広市から通勤しているそうです。
可愛い牛の世話を通して、地域の酪農を支える仕事。興味があれば、その一歩を『カーフゲート』で踏み出してみませんか。
農事組合法人カーフゲート
住所:北海道河西郡中札内村新札内東5線194-6
電話:0155-68-3860
HP:https://www.calfgate.com/